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2024年春季リーグ戦_開幕展望号


◇北海学園大学

初の連覇へ、全勝優勝を掲げ挑む純白の古豪

秋春連覇に挑む札六私学のルーツ校。90年秋の札幌学生野球連盟結成以降、実は連覇がない学園。昭和末期から平成年間の北海道の大学野球の勢力図をうかがい知ることができる少し意外な事実。初の連覇へ向け、状況は整っている。連覇、そして全日本での勝利というチームの目標と個々の選手が描く将来への軌道が重なり、最良の結果を得られるか。札六私学の盟主として、勝利の先にあるもの、また、その奥にあるものを示し続けてくれることも期待。

・投手陣

堀川、木村、坪田、小沼、工藤、髙谷、さらには二刀流の常谷と3年生世代であっという間に椅子が埋まる。加えて、松本、住吉の2年生コンビも機会を狙う磐石の布陣。23年秋のチーム防御率1位、引き続き圧倒的な力ねじ伏せたいところ。

・打撃陣

全国で点が取れる打線であるかの目安は、相手を問わず、1試合最低5点を取り切れる打撃、攻撃ではないかと思う。そういった打撃、攻撃が展開されるかに注目。個人的に最も期待しているのは、速さに力強さが加わったとみえる下向。

・開幕戦予想メンバー


◇星槎道都大学

沈滞期を乗り越えて、泥臭さを取り戻せるか

札六での最近の春連覇はいつか?東海による17年、18年の連覇。イメージしていた期間以上に隔たりは長かった。この隔たりの長さは春連覇が簡単なことでないことを教えるものか。その春連覇に挑むのが道都。昨年、春を獲ったあとの全日本以降、どこか停滞期に入ってしまったような印象だが、再び札六を引っ張る位置取りへ顔を出せるか。19年以降の主力が一年ごとに巣立ち、直近は左右のエースがそれぞれの道へと散った。その意味でも勝負の春を迎えている。

・投手陣

左の佐藤爽、右の印南が軸。OP戦で先発起用のある姚が続くか。昨秋は全体イニング数のざっと半分を4年生が預かっており、その穴を誰が埋められるかが鍵。何年か前のシーズンのように総勢10名を越える投手を継ぎ込んでつないでの10試合になりそう。

・打撃陣

昨秋から大きなメンバー変更はなさそう。したがって、秋から個々の上積みがどのくらい進んだかが試されそう。新たに加わる戦力としては外野両翼に入る可能性のある1年生2名(門間、成田)あたりか。昨秋10試合で24得点は6チームで最少。投手依存から一足飛びの脱却は難しいにせよ、少なくとも兆しを感じる春にして欲しい。

・開幕戦予想メンバー


◇北海道大学

“アウトを探す”イズムの継承で昨秋越えの春へ

これまでに終盤巧者とか土壇場力などの言葉で括っていた「北大の謎」にフライバイするオフになった。02年、10年札六制覇時のOBの方にじっくりと話をきく機会を得て。もちろん、謎は謎のままなのだが、これまで謎と見えていたものが「実は謎でもなんでもなかったのかもしれない」という気づきがあった。この気づきが的外れではないか?答え合わせをしたい。たとえば「隙を探し、アウトを探す」といった北大イズムがどう継承されているのかなども確認しながら。

・投手陣

18番をつける飯島が軸か。もうひとりの軸とみていた小岩の姿をOP戦で見かけないのがやや気掛かり。もうひとつ気掛かりなのは4月中旬以降のOP戦での失点の多さ。個人的に注目したいには保田の復活とまずは短いイニングでいい味を出しそうな松山。

・打撃陣

入れ替わり時期を迎えたが、意外と言うと失礼だがスムーズに新陣容に移行しそう。備えていたということか。昨秋デビュー済の髙橋宏に加えて、山本、高橋建らも並ぶ新たな北大攻撃陣が見られそうだ。打順不問で攻撃開始で相手の虚を突き続けたい。

・開幕戦予想メンバー


◇東海大学札幌キャンパス

22春以降無冠の縦縞、青嵐を起こしたい

現役選手の話題を取り上げるべきことは承知しているが、いかんせ情報がない。そしてこれも単なる偶然なのだが、練習試合を覗きに行く機会を長く失っている。苦し紛れに覗いたホームページでニュースを発見。19年秋の優勝バッテリー高沼、井内がコーチとして母校へ帰ってくるという。道都との優勝決定戦、そして、東農大オホーツクとの代表決定戦を制し、神宮へ。大商大を相手に完封勝利、2回戦まで進む原動力ともなった盟友がチームに復帰。22春以来無冠に甘んじている縦縞に新たな風が吹き込まれるか。

・投手陣

投手陣24名のうち4年生が3名、3年生が7名。一気に世代交代が進んだ陣容で春に挑む。軸になるのは、山と橋本か。続くのは、昨年秋に登板実績のある小池、オープン戦で3試合先発している信田か。左の少なさがやや気になるところ。個人的に期待しているのは宮武。

・打撃陣

捕手、一塁、二塁、中堅、指名打者をつとめた4年生が抜けてどうなるか。捕手は主将眞下と予想するが、他は見当つかず。内野は林、外野は磯崎、そして2年生にして背番号1をつける天野が攻撃の中心か。投手からの転向組、松永、綿路にも期待がかかりそう。

・開幕戦予想メンバー

◇札幌大学

自ら問いを立てた春、まずは集中あるのみか

自らが問いを立てる形になっての春。自問。グラウンド外の話題をどこまで混ぜるのかには色々な考え方があると思うが(そもそもグラウンドの内外を分けるべきなのかも含めて)、これまでとは違う見られ方をされる10試合になる。妙な言い方だが、集中しきっているかだけを見たいと思う。

・投手陣

前は長谷、真ん中は宮田と千田、後ろは高松でまずは軸を作る格好か。昨秋トーナメント準Vメンバーを見ると、佐竹、山田匠真、安藤あたりがメンバー入りか。安藤はやや変わったフォームの左腕で面白い存在になるかも。

・打撃陣

杉木の抜けた三塁が空く程度でほぼ昨秋メンバーを踏襲か。下の年次から機会を得ている選手の残り時間も少なくなりつつある。佐野の気負いを減らすためにも、西正、小飼らのさらなる奮起に期待。個人的に注目するのは吉澤と稲村。

・開幕戦予想メンバー


◇札幌大谷大学

昨秋は初の道都越え、伊藤嶺不在克服なるか

札六屈指の入替戦サバイバー。19年春一部昇格以降、一部の椅子を死守。近年の札六では屈指の入替戦からの生還率を誇るものと思われる。昨秋は8戦目まで優勝の可能性を持ちながら、最終的には、順位決定戦、さらには、入替戦へ廻るという乱高下。結果的に、一部昇格後シーズン最多となる4勝を挙げながら、入替戦行きという皮肉な結果を迎えた。『ノリ、勢い、集中、規律』を掲げる大見組、昨秋の4勝を越えることができるかにまずは注目。

・投手陣

関心事は伊藤嶺の不在克服に尽きる。昨秋伊藤と鳴澤以外が投げたのは10試合中、1回1/3のみ。まずは鳴澤が軸を預かり、伊東、深澤、前田が続くか。ポストシーズンで本間、トーナメントでは宮田、前北、山森が登場。粘って、つないで試合を組み立てたいところ。

・打撃陣

大見を上位に置き、中軸に佐藤、佐藤の援護で石鳥、高橋の伸長に期待。中川は下位に潜ませたい。OP戦で指名打者登場のあった柄目の動向も注目。大見、佐藤が残る今年のうちに次の形を作りたい。個人的には三崎が攻守両面でどこまで伸びるかを注視。

・開幕戦予想メンバー

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