ゲーテの言葉メモ その13

ドイツ語が読めない私でも先人の邦訳をたよりにして「ゲーテの言葉」をメモできることを光栄に思います。本記事はこの記事に引き続くものとなっています。

ゲーテ「もし自分がほかの人々のことをどれだけ誤解しているかに気づけば、人前で多くを話そうとはしないだろう。」

ゲーテ「芸術は真の媒介者である。芸術について語ることはすなわち、媒介者を媒介せんと欲することである。しかもそれから多くの貴重なものが生じてくる」

ゲーテ「王宮の広間の豪華なのは、建築芸術家のおかげだ。しかし、その豪華さの最大の効果を、彼はともに楽しむことはない。」

ゲーテ「豪華な建物や部屋などというものは、王侯や金持ちのためのものだ。そんなところに暮らしていると、安楽をむさぼり、大平楽になれて、もうそれ以上なにもしなくなる」

ゲーテ「心に長く密かに考えていたことがひとたび言葉に言い表されると、口に出されたその言葉は、恐ろしい力をもつものである。」

ゲーテ「花を咲かせ、葉をしげらせ、実をみのらせている樹木とも、通りすがりに触れるどんな草むらとも、散歩しながら踏むどんな草の茎とも、私たちは本当の因縁をもっている。それはまぎれもない同郷のものたちなのである。」

ゲーテ「自然はきわめつくしがたいということこそ、繰り返し自然に近づき、繰り返し新しい洞察と新しい発見とを得ようと試みさせる永遠の魅力である」

ゲーテ「自然科学者だけが、尊崇にあたいする。」

ゲーテ「私が研究していること、私の知りたいことを、私が一人ぼっちでやったら数年かかっても達成できないほどのところまでたった一日で指導してくれたら、どんなにありがたいことか」

ゲーテ「私たちは自分の力で行動したり、自分の活動や娯楽を勝手に決めたりしていると思っている。でも、くわしく考えてみれば、それはただ時代の計画や傾向で、私たちは否応なしにそれを実行させられているだけだ。」

ゲーテ「時代のさまざまな誤謬と折り合うのは難しい。それに逆行すれば孤立するし、それにとらわれれば名誉も喜びも得ることはできない」

ゲーテ「目的をさし示すだけで、進む途上そのものにおいて私たちを幸福にしてくれないような教養は、どんな種類であるにせよ、のろわれてあれ!」

ゲーテ「見識の代わりに知識をもち出す人々がある」

ゲーテ「人生の季節には、おのおの固有の幸福、固有の希望、固有の展望がある。」

ゲーテ「教える者のいちばん大きな誤りは、教わる者に連れられ一緒に遠くの方へそれてゆくこと。つまり、自分がちょうどいま扱っているその問題点の上に、教わる者をしっかりくいとめておくだけのわきまえがないことです。」

ゲーテ「私たちが教えを受ける人がすべて、師という名に値するわけではない」

ゲーテ「わが国では、万事が寄ってたかって、愛すべき少年を早いうちから飼い馴らし、自然や独創性や野性味を一切合切取り除いてしまおうとしている。だから結局、俗物以外の何者でもなくなってしまうのさ」

ゲーテ「親の存在は子供たちのために必要だなぞと考えるのはうぬぼれにすぎない。生きているものなら、なんだって食物と援助を見つけるものさ。父親に早く死なれた息子の青春が、かくべつ気楽な、恵まれたものでないとすれば、その代わりかえってそれだけに、息子は現実的な教養を一層早く身につけることになる。」

ゲーテ「ただひとつにせよ、いい詩を味わうだけの力を呼びさましうる教師は、おびただしい数の二次的な自然の形成物を教えてくれる教師よりも、立派な仕事をしている。」

ゲーテ「鍛冶場では、火を焚き、鉄棒から余計な成分を除いて、鉄を柔らかにする。純粋になったところで鉄棒を打ち、強い力を加える。そして異質の水の成分によって、鉄棒は再び強くなる。同様のことが、人に対してもその師によって行われる」

ゲーテ「幸福な平和な共同生活をしていると、親戚、朋友、同居者たちは、現に起こっていること、これから起こるべきことについて、必要以上、正当以上に、話し合うものだ。自分たちの計算や事業や仕事を、なんべんも互いに知らせあって、相手の言葉をそのまま受け入れるでないにせよ、ともかくつねに、生活全体をいわば相談しながら処理していく。」

ゲーテ「人間が他人の助力や他人の実証をもっとも必要としそうなときに限って、ひとりひとりが自分のなかにとじこもって、めいめい別々に行動したり、めいめい自分流に働いたりしようとする」

ゲーテ「私たちの願望というものは、私たちのうちに潜む能力の予感であり、自分が将来成就し能うであろうことの前触れである。私たちのなしうること、なしたいことは、私たちの外に、また未来にあるものとして私たちの想像力に現れる。私たちは、自分がすでに密かにもっているものに憧憬を感じているのである。」

ゲーテ「彼女に外から沢山の仕事を与えることによって、彼女の自分自身に向けられていた眼を外へ向け、同時に、自分のもつ力に対する自信を彼女の中に呼び戻した。」

ゲーテ「人はめいめい自分の流儀に従って考えねばならない。なぜなら、人は自分のやり方によってつねに真理、あるいは一生を通じて役に立つ一種の真理を見出すのであるから」


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