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日本の稀代の自由人たる柄谷行人

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柄谷行人の著作を, 全てではないものの, まあまあ読んでいるわたくしが, 柄谷行人の著作を紹介します★
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記事一覧

日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その7

柄谷行人の著作を取り上げていく記事を書くのは,だいぶ久しぶりになってしまったきらいがある。そして,この記事以来の記事となってしまう。けれども,書いていくことにする。取り上げる著作は,柄谷行人『力と交換様式』(岩波書店,2022年)である。
(柄谷行人は1941年生まれであると,『力と交換様式』には書いてあった。年齢で言えば81歳で書いた作品ということになる。この記事の執筆者であるところの私から見れ

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その6

柄谷行人の著作について, 間接的に触れるような記事は, 比較的最近においても書かれていたが, 彼の著作を直接に取り上げるような記事は, この記事以来ではないだろうか. この記事で取り上げたいと思った著作は, 柄谷行人『定本 柄谷行人文学論集』(岩波書店, 2016年)である.

この著作はまず, 次のように説明されている.

「一九六〇年代末に文芸批評家としてデビューした著者の今日にいたるまで

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その5

久しぶりに柄谷行人について書いてみようと思う. 今回の記事は『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(柄谷行人, 作品社, 2021年)を取り上げる.

1 目次の紹介
この本の目次は以下の通りである.

序文

I NAM(ニュー・アソシエーショニスト運動)再考

 1 NAMの開始と解散

 2 1990年代の動向

 3 生産過程から流通過程へ

 4 アナーキズムとマルクス主義

 5 NAM

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その4

今回の記事では, 柄谷行人『帝国の構造 中心・周辺・亜周辺』(青土社, 2014年)について, 簡単な紹介を行う. 簡単とは言ったものの, この本で柄谷が目指しているものは, 帝国(それは帝国主義とは異なる)というものの世界史的意義を再考するというものであるから, 中身自体は容易に理解されるものではないことは, 予め述べておこう.

1 目次はこの通りこの本の目次は以下の通りである.

第1章 ヘ

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その3

今回は『哲学の起源』(岩波書店, 2012年)について簡単に紹介していきたいと思う. まず否定されるべきことは, これは, 哲学史の解説でも, 哲学の解説でもないと言うことだ. また, この作品は, デモクラシーを相対化するための作品であることを, 予め知っておくと良いだろう.

1 目次の紹介この本の目次は以下の通りである.

はじめに

序論

 1 普遍宗教

 2 倫理的預言者

 3 

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その2

ちょこっとばかし時間の空いてしまった感じはありますが, 今回は, 柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫, 2015年)について概略を説明してみようとおもう.

1 『世界史の構造』の目次目次は以下のとおりである.

序文

序論 交換様式論

 1 マルクスのヘーゲル批判

 2 交換様式のタイプ

 3 権力のタイプ

 4 交通概念

 5 人間と自然の「交換」

 6 社会構成体の歴史

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その1

今回は, 柄谷行人を思想家として認識させるに至らしめたと言える, 『トランスクリティーク カントとマルクス』(岩波現代文庫, 2010年)という著作についてその内容を, 序文の徹底解説という形で, この記事で行おうと思う.

1 目次の紹介『トランスクリティーク』の目次は次のようになっている.

序文

イントロダクション トランスクリティークとは何か

第一部 カント

 第1章 カント的転回

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その0

やはりとうとう, これをやる時が来たようだ. いつかやるんだろうなーと思っていたのですが, やはり来てしまったようです. 私と私の周りの環境において, 激変が起きたの今日なのですが(その激変の内容については言わないこととします)来てしまった召命に従うことにしよう.

1 柄谷行人って何?簡単ではありますが, https://kotobank.jp/word/%E6%9F%84%E8%B0%B7%E

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