変わらないこと
また季節が巡ったね。大晴れの日がやってきた。どれだけ年を重ねても、どれだけ距離が遠くなっても、変わらず大切に思えることが嬉しい。
そんな大切な人に祝いの言葉も届かないけど、私を含めたたくさんのカラットが彼のことをこれでもかと祝っていることは、彼も知っていると思う。届かなくても、私が彼の誕生日を祝い愛おしく思う気持ちが、私の中に存在さえしていれば十分。こうして文字として綴り誰かの目に留まらせはするけど、「私はこんなにもミンギュのことを愛しています!今年もこんなに盛大に祝いました!」と叫びたいわけでもない。事実、そんなに盛大に祝ってはいない。お気持ちビッグバースデーパーティーというところか。
何かへの、若しくは誰かへの愛を示したい時に、モノを以てしてその大きさを表したいことは何度かある。逆に言葉以上に価値のあって意味のある愛情表現はないと思うときもある。またはどれだけ時間をかけたかで示すこともある。(愛があるならお金をかけろというのは別の話なので置いておく)どれも「愛している」ということを表わしたいがためのことだから、それぞれに大小も優劣もない。私がどんな風に大切な人の誕生日を祝っても、その気持ちが薄くなることはないし、変わらず大切な日であり続ける。
今年は君の誕生日が、私の中で川の水みたいに流れるようにやってきては過ぎていく気がする。それは大切な日じゃなくなったとかいうことでは全くない。けれど、なんだかすごくいけないことのように感じてならない。落ち着かない。何かしなくてはと焦りだす。どんな風に祝っても大丈夫と言ったのは自分なのに。君が知ることはないのに。落ち着かないよ。私の地域の桜がまだ満開じゃないから?今日から大学が再開したから?
ううん。きっと周りを見すぎて、私とミンギュに集中できていないのかも。それに、この日が私に馴染みすぎて、私の誕生日かのように扱おうとしてしまってるのかもしれない。推しの誕生日祭らしきことをしていないのが違和感なのかもしれない。
解決する度にまた顔を出す無意識な比較癖は、自分で自分の中のミンギュへの気持ちを蔑ろにしている気がする。どれだけ「他は他、私は私」と言い聞かせても、どんな愛の形も「愛」であることに変わりはないと分かっていても、いつの間にか私の愛は「劣っている」んじゃないかなと考える。ばからしいね。
何をすれば私の心は満足するのやら。ミンギュに認めてもらえば納得するのか。誰かに「本当にミンギュのことが好きなんだね」と肯定してもらいたいのか。どうしたら私の愛は自立するのか。それとも愛は一人では立っていられないのか。分からない。ミンギュの底が分からないように自分の底も分からないなんてオタクとして皮肉なもんだなと思ってしまう。自信を持って堂々とそこにいて愛せばいいのに。
めでたい日にこんなネガティブな御託を並べるなんて、とんだ戯けすぎる。読んでくれた人も読みにくかろうに。
ただただ純粋に、君が毎日健康で幸せに生きることを願いたいばかり。君が今日は世界で1番幸せな存在でいてねと祈りたい。でもそこに邪な気持ちが先立つこと、ごめんねと言っておくね。そしてケーキを用意できなかったことも許してほしい。誰に許しを乞うてるのか分からんが。結局ケーキを食べるのは私であって…。
なんだか色んな気持ちがせめぎ合っているけど、兎にも角にも、また君が誕生日を迎えたこと、私がそれに立ち会えたこと、本当に嬉しい。こんなにも胸が高鳴って嬉しくなる誰かの誕生日は君の誕生日以外にないよ。お誕生日おめでとう。君の誕生日が、何か衝撃のように迫ってくるんじゃなくて、春風のように流れてくるのは、むしろ私に染み込んでるからだって、信じることにする。穏やかに、静かに、でも記憶に残るよう確かに、祝うよ。
私たち健康で幸せで、新しい今を楽しんでいけたらいいな。私が心配しなくても君は大丈夫だけど、心配無用と思い込んでいたせいで不甲斐なく思ったこともあるから、ほんとに何事もなく幸せでいてほしい。小さな幸せも感じない時でも、どうにか過ごしていてほしい。君は暗い一面を全く見せないから不安になるけど、一線を引いてくれるからこそ、君が私の計り知れぬところで幸せになっても、私は私でいられる。君が頑張る時、私も頑張るから。何もかもが変わっても、君のことを変わらず愛するよ。また季節が巡って、桜が咲く時、君の誕生日を同じように祝うよ。そうやって時間が経って、いつか、枯れない花になれたらいい。ゆっくり水をやって、散らない桜になれたらいい。
もう一度、
お誕生日おめでとう、大好きだよ。
追記1
なんだかんだ言ってこの日を迎えると無条件に心臓がバクバクするから、変な気持ちも全部錯覚だったんじゃないかと思う。見苦しいものを読ませてしまって申し訳ない…。あと桜が完全に散るまでだったらケーキを食べてもいいんじゃないかな、作ろうかな。
追記2
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