カリウム*透析患者さんの血液検査*
こんにちは!
透析看護師のうしです。
今回は採血結果でもっともうるさく言われるであろう、
カリウムについてです。
カリウムって何?
カリウムとは、検査結果の紙には”K”と書かれていると思います。
教科書的には。。
カリウム(K)とは、細胞内液の陽イオンです。
んんんんん?????これじゃよくわからん。
カリウムは、野菜、果物、お芋、お豆、日本茶、コーヒーなどに多く含まれる物質です。
体の電解質のバランスを保っている大事な物質です!
正常値は3.5〜5.0mEq/L(健常者)。
透析患者さんの正常値は、4.0〜5.4mEq/L。
ただ、カリウムは経口摂取した分の9割が腎臓から、つまりは尿として体の外に排出されます。
腎臓病だったり、透析患者さんはしっかり尿が出ないので、
本当は体の外に出さないといけないカリウムが過剰に体に溜まってしまいます。
じゃあカリウムが身体にたまりすぎるとどうなるの???
ずばり。
高カリウム血症になります。
どんな症状??
神経症状や不整脈を引き起こし、突然死に至ることもあります。
カリウムって怖いんです。
高カリウム血症の詳しい症状は?
一般的にはK:5.5mEq/L以上で高カリウムと言われます。
主な症状として、
手足の痺れ、ビリビリ感などの感覚異常、
もっとひどくなると、
手足の脱力感、動かしづらさ、腱反射の減退
などが出てきます。
そしてだんだん心臓の動きがおかしくなってきます。
最悪の場合、心停止。
カリウムが身体にたまらないようにするには?(患者さん)
怖いのは分かりました。じゃあどうすればいいの?
その1!透析をしっかり受けること!
透析でカリウムは除去できます。
食事をする限り、カリウムはどうしても摂取してしまうので、
しっかり透析を受けていらないカリウムは身体の外に出しましょう!
その2!食事に気をつけよう!
カリウム自体をとりすぎないようにするのも大事です。
カリウムを多く含むものは、
野菜、果物、肉類、お豆、お芋、日本茶、コーヒーなどです。
食べるもんなくなっちゃうじゃん!!!!
と思うと思います。(私もそう思う)
カリウムは水に溶けやすい性質があるので、
煮物とか、火を通すお料理にするときは、まず茹でてその汁は一回捨ててください!
サラダとか、火を生で食べるものは、しばらく水に浸して置いてからお料理してください!
果物は、できたら缶詰がおすすめ。(汁はがまん!)
大変だけど、本当にカリウムは怖いので、頑張って欲しいところです。。
高カリウム血症の患者さんへの対応(医療従事者さんへ)
まずは検査結果をしっかり判断する
実はカリウムはほぼほぼ細胞内にあって、
細胞外(いわゆる検査結果に反映される部分)は全体の35分の1です。
かといって細胞内のカリウム値を見ることはできないので、
心電図や筋・神経症状もみて総合的に判断することが大切です。
具体的にどうしたらいいの?
だいたい高カリウム血症に遭遇するタイミングは、
タイミング①透析前の採血の結果でカリウムが高くて発覚するか、
タイミング②もともと外来で採血したら高カリウムで、ばたばたと透析室に運ばれてきた、
みたいなパターンが多いと思うのですが。
①はすでに透析中だと思うので、患者さんの症状を確認しつつ、
心電図モニターを付けて波形をチェックしましょう。
Drの指示があれば、その場で血ガスの検査をしてもいいと思います。
もともとの透析時間を終えた時に、もう一度カリウムの値のチェックをして、
下がりきっていないのであれば、透析時間の延長も考慮した方がいいです。
(もちろんDrの指示が要ります)
②では、まずすぐに透析を開始しましょう。
でも、アクセスがなくてUKカテーテル(短期留置型の透析用カテーテル)を入れたりで時間のロスがある場合。
点滴(グルコン酸カルシウム、インスリン+ブドウ糖*)などの手もありますが…
私は5年務めてきた中で、点滴をしたことは一回もないです。
Drのカテーテル挿入の介助について、そのまま透析開始のパターンがほぼでした。
*…インスリンには細胞外にあるカリウムを細胞内に取り込むのを促進させる効果があります。ブドウ糖を一緒に投与するのは低血糖を予防するためです。
両方に言えることですが、患者さんが何を食べたり飲んだりして高カリウムになってしまったのかを探るのが重要!!
次がないようにするためです。
まとめ!(医療従事者さん用)
・高カリウム血症は最悪心停止するので怖い!!
・採血の結果だけじゃなくて、心電図、筋・神経症状と合わせてアセスメントする!
・高カリウム患者さんがきたら、まずは透析を開始!
→心電図モニタで心電図モニタリングする!
→透析後も血ガス等でカリウム値チェックして透析延長の必要性を考える。(Drの指示で)
→患者さんが高カリウムになってしまった原因を一緒に探って、もう二度と起こさないように予防!!
じつは最後が一番重要。
なる前に知識をつけておいて、ならないようにするのが一番です。
今回はここまで!
ばーいばい!
coffee no ki./ushi.