透析をしないとどうなるの?
こんにちは。透析看護師のうしです。
今回は、「透析をしないと体にどんな変化が起こるのか。しないっていう選択肢はあるのか。」についてです。
世間の透析のイメージって本当に悪くて。。。
透析をよく知らない人でもなんとなーく悪いイメージを持っているのではないでしょうか。
透析ってすごい治療なんだよ!!
っというのは前回の私の回を読んでいただけたら伝わると思うのですが、
今回は、じゃあやらなかったらどーなるの?についてです。
(症状の出方には個人差があるので、あくまで私が見てきた患者さんの症状の出方です。)
第1形態:足がむくみはじめる
うまく尿が出せなくなって、余分な水分が溜まり始めます。
なんとなく足が重い、太ったのかな…
という感じ。すこし体重も増えます。
あんまり生活には支障ない程度です。
第2形態:ちょっと息が苦しい
足から溜まってきた水が、肺や心臓に溜まり始めます。
寝ているより座っている方が息がしやすい、といった症状です。(水分は重力で動くので、寝ると余計に肺や心臓に溜まって息苦しくなります。)
透析導入になった患者さんには、
しばらく横になって眠れなかったので座って寝てました、という人もよくいます。
第3形態:気持ち悪くてご飯が食べられない
これは本当に人それぞれです。
私が見てきた中では、半分くらいの方がこの症状を訴えてました。
腎臓が悪くなると、水分だけではなく体にとってはいらない毒素も溜まります。
毒素が増えてくると、気持ちが悪い、頭が痛い、味覚がおかしい、などの症状が出ることがあります。
ご飯があんまり食べられなくなると、人はせめて水は飲もう、ってなって余計に水分をとってしまって
さらに体に水分がたまる…
悪循環です・・・
第4形態:むくみすぎて自分で動けない、ひどいと足や腕から水が出てくる
そろそろ本当に透析した方がいいです。
相当息も苦しいし、自分では体が重すぎて動けません。
でも、どうしても透析したくない!!!って人は
こうなるまで我慢しちゃうんです…
水分がたまりすぎるとついには皮膚からじわじわと水がしみでてきます。
ここまでくると本当につらいです。
我慢しないでーーーー泣
第5形態:死
そう、透析しないでいると死んじゃいます。
息が苦しい=酸素が足りない
ということ。
人間にとって水、酸素は必要不可欠。
水は有り余っているけど、酸素がないと臓器は働けないんです。
だから苦しいって感じるんです。
ほかにもカリウムが関係して死に至る場合もありますが、話が長くなるのでそれはまた別のnoteに書きますね。
医者や私たち看護師がまだ症状が出ないうちから検査結果をみて透析導入を進めるのには、
患者さんになるべく苦しい思いをして欲しくない
という思いがあるからです。
透析をしないっていう選択肢はあるの??
透析しないと死んじゃう。
ってことは分かったけど、絶対しなきゃだめなの?
もちろん、するかしないかは患者さんやそのご家族の自由です。
その人の人生だもの。私たち医療従事者が家族でもないのに決められません。
ただ、透析をしなくても腎臓が勝手に治って死なずにすんだ!!
なんてことは100%ないです。
腎臓ってとても複雑な構造をしていて、悪くなることはあってもよくなることはありません。
その代わり、腎臓移植や、透析治療の種類もいろいろあるので
その患者さんにあった方法を一緒に探すことはできます。
実際、透析するくらいなら残りの時間を家でゆっくり家族と過ごしたい、と拒否された患者さんも私は見てきています。
すごく難しい選択になりますが、
信頼できるお医者さんや看護師と一緒に治療を考えていくのがとっても大切なことだと私は思います。
ちょっと重いお話になってしまいましたが、
今回はここまでです。
ではまた!