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透析患者さんの1日をインタビューしてみた!

こんにちは、透析看護師のうしです。

今日は、とある患者さんに聞いた、透析日の1日をご紹介したいと思います。

(あくまでこの患者さんのお話です)

会話形式です。

すたーーと!!


うし:朝は何時起きなんですか?

患者さん:だいたい透析の日は朝5時くらいには起きてるね。

もう老人だからさ、目が冷めちゃうの。笑

6時くらいに朝ごはん。今朝はトーストにヨーグルト、コーヒーを飲んだよ。

うし:いい朝ごはん。笑

患者さん:そうこうしてたら送迎のおじちゃんが迎えに来てくれるよ。

だいたい7時くらいかなあ。家を出て…

(うちの透析施設には専用の送迎サービスがあります)

うし:結構早いんですね。それで透析室に着いたら…

患者さん:ロッカーでパジャマに着替える。

他の人(透析患者さん)の目があるから、パジャマといえどもちゃんとしたものを着るようにしてるよ。

あと、透析中は動かないし、結構寒くなるから、夏でもなにか掛けられるものも準備してるよ。

うし:確かにみなさん寒いっていいますね、私たちはすごく暑いけど。笑

患者さん:看護師さんたちは動いてるからね。

あとは入室時間まで他の患者さんとおしゃべりしてる。

呼ばれたら、体重を測ってベッドの準備をするかな。

透析が始まっちゃったらもう動けないから、体重を測る前に絶対トイレに行く!笑

うし:透析中、トイレに絶対いけないわけじゃないけど、とっても危険だからできれば行かないで欲しいんです。笑

ありがたいです笑

患者さん:そしたら針刺されて、透析開始だね。もう本当に4時間長いよ。暇でしょうがない。

できるだけ寝てるようにしてるけど、やっぱり1時間くらいは起きちゃうし、途中で血圧も測るじゃない?あれで結構起きちゃうんだよね。

うし:患者さんによっては、TVみたり、本読む人もいますよね。片手で器用だな、と思うけど。

(透析中は片手に針が2本刺さっていて、曲げたり激しく動かしたりはできません)

患者さん:透析中は結構看護婦さんにおまかせだから、私は耐えるのみって感じ。終わって針抜いてもらった時の解放感はすごいよー!!

うし:そしたら止血して。

患者さん:そうそう。前まだ路線バスで通ってた時にバスの中で血が止まらなくなっちゃった時があってね、とっさに自分で押さえて血は止められたけど、シートとか汚しちゃって。

他のお客さんや運転手さんにも迷惑かけちゃって。

嫌だからちゃんと止血しないとね。怖いから。

(針が刺さっていたところを圧迫して、血が出ないようにするのが止血です。太い針が4時間も、血流のいい血管に刺さっているので、結構出血します)

患者さん:そしたらまた朝の送迎の人に家まで送ってもらう。

家族が家で待ってるから一緒にお昼ご飯を食べるよ。

うし:それからは行動できますか?透析で疲れちゃわないですか?

患者さん:いやー日によるかな。たくさんお水を引いた日はだるくて寝ちゃう時もあるよ。透析でも寝て、うちついてからも夜まで寝てて。

あんまり水引きがなかった日は結構元気。写真が好きだからちょっと出かけて撮りにいったりするよ。

うし:透析で1日つぶれちゃうのはしんどいですよね。ちょっと安心しました。

患者さん:普段から水はあんまり飲まないようにしてるけど、付き合いもあるしなんだかんだで飲んじゃう日もある。

でも自分の体だからね。透析がきついのも、出かける元気がなくなるのも。

しょうがないって割り切ってるよ。

うし:頑張ってくれてるのはこちらとしてもすごくありがたいです。

患者さん:あとはテレビ見たりして12時くらいには寝るよ。

うし:透析はしんどい?

患者さん:やっぱり始めたての頃はね。透析しないと生きていけないっていうのを受け入れるまでに時間がかかったな。若かったし。

でもやっぱりだんだん慣れてくるんだよ。

患者同士で仲良くなったりもするし、看護師さんたちとも。

仕事もやめちゃったけど、今は透析が仕事みたいな感じ。

今はそんなに嫌じゃないよ。


聞いてみて思ったこと。

この方は私がまだ看護師1年目だった時に透析のことをたくさん教えてくれた患者さんです。

「役に立てるのが嬉しい」とたくさん私に教えてくれました。

80代とは思えぬほど、シャキシャキ歩いていつも元気な方。

私が看護師なりたてで、まだ透析がよくわかってなかった頃。

透析=なんかすっごいしんどい

みたいなイメージが漠然とあって。

でもこの方に教えてもらってからは、そんなに悪いもんでもないのかな、と思いはじめました。

透析してても、ちゃんと仕事もこなしているひと。

ジムが大好きでムキムキのひと。

健康オタクで毎日2万歩歩いているひと。

透析治療は確かに時間が取られるし、疲れる。

でも、患者さんは透析以外の時間を充実して過ごせるように体調の管理や、飲水制限を頑張ってくれています。

私も、すこしでも透析中安心して過ごせるように頑張ろう!!と思ったのでした。


今回はちょっと初心に帰ろうと。

思い出話でした。


coffee no ki./ushi.