恵みの春は、苦しみの春。

突然ながら、私は春という季節があまり好きじゃない。

三寒四温で気圧の乱高下が起こりやすくて、片頭痛持ちの自分には身の不調が起こりやすいからというのもあるけど。

何が一番ダメかって、父の日・母の日・こどもの日と、初夏にかけてファミリーイベントが目白押しで、世の中の情報が全般的に浮足立って、その暴力的な幸福感に打ちのめされて心がグチャグチャになるから。

別にね、いいんですよ。
順風満帆な皆さんには順風満帆に至るための努力だってあったでしょうし、不幸せよりは幸せであるほうが望ましいことですから。

でもね、薄闇の中で生きてきたアングラな私はその光の強さに中てられちゃってね。
呼吸がゼコゼコとままならなくなっちゃうんですよね。

なんでだろうか、とは自分のなかで答えの出ていることなので、特別不思議には思いませんけども……。

どこかのタイミングで「家庭を持つこと」に対する引け目や負い目を言語化したほうが、多少は胸の内側のムシャクシャも晴れるかなと思って、ただいまぽちぽちと文字を打っています……🌿🐐{ ムシャムシャ )

・ ・ ・

家庭ってさ〜〜、そのおうちごとにいろんな形があるじゃないですかぁ。

とても健やかで非常に上質な時間を過ごしてきたご家庭もあれば、まあまあ順調でうまいことトラブルを回避してきたおうちもあって、もちろん、私の家みたいにスットコドッコイですっかり崩壊している家庭も、もっと過酷な環境のおうちもあるものだと思っているんですけど。

過去の記事でも薄らぼんやり触れてきましたが、私は今、いわゆる「結婚適齢期」と呼ばれるような年齢(なんならもうそろそろ期限が切れる頃合い)で、まわりは結婚や子育てという新しいライフステージに足を踏み入れていて、なんやかんやと「自分の家庭」を作るというシーズンが到来してきているわけなんですね。

で、私自身は性自認が中庸かつ、相当親しくなって信頼できるようになった人が相手じゃないと身も心も開けないというちょっと複雑な気質を持ち合わせている自覚もあって、結論から言うと、きっと結婚はしない人生だと見込んでいるのですが。

それでもまあ、一人で生きることの寂しさは感じるし、ぶっちゃけ、条件がむちゃくちゃ複雑なだけで恋愛をしたくないわけでも、子どもを授かりたくないわけでもなかったりするんですよ。(産み落とすための医療費や育て抜くための資金の話は一旦別としてね)

じゃあ時間がかかろうがなんだろうが、人様との関係構築にトライしてご縁を見繕っていけばいいじゃない、って思うじゃないですかァ?

それが適齢期の人間となると「結婚」というものが初手の到達目標になるものだから、「自分の作る家庭」のほかに「自分の背後にある家庭」も絡んできて、結構厄介な具合に足というか影を踏まれちゃうんですよね〜〜〜。

どういうことかって言うと、私は自分の家族を信用することができないので、「わ、いいな」と感じた方が自分にとってとても魅力的であったり、人として望ましくまっとうな道を歩んできた方であればあるほど、「ああ、この人をうちの家庭の人々と接触させたくないな」と思ってしまうっていう。
こう、白くきれいなキャンバスを、私や私の背景という絵の具で汚してしまうのが偲ばれる感じに近いかも。

考えすぎかもしれないけど、「結婚」て血筋と血筋を繋ぐ文化じゃないですか。
異なる家と家を繋いで、歩みを一つに協力していきましょう的な。

だからこそ昔かたぎの人たちは「相手の身辺調査をする」とか、そこまでやらなくても「我が子にとって適切な相手かどうかを見極める」ために、顔合わせとかのご挨拶があるわけで。

仮にそういう機会に恵まれたときのことを想像したとして。
私に心から慕うことのできる相手がいて、相手も私のことを大切にしてくれるという環境が整っていたとしても、やっぱり自分の家族を相手の家族に接触させたくないなって気持ちが強くてですね……。

だって私の家族って、時代錯誤のモラハラ気質を地でいく父親に、借金癖でスピリチュアルで宗教にハマッちゃう母と、自我を持っているんだか持っていないんだか分からない子ども部屋おじさんの兄ですよ?

自分が誰かと身を結ぶにあたって、自身がどれだけ不良物件であるかは一番よく分かっているので、それが素敵で失い難いご縁であればあるほど後ろめたくなってしまうんですよね……。

個人的に抱えてしまったトラウマとして、「もしも父が、大事な人のご家族に男尊女卑的な思想で横暴を働いたらどうしよう」とか、「お金を求める母が、大事な人やそのご家族に言葉巧みにすり寄ってATM扱いしたらどうしよう」とか、「自立できていない兄の面倒を見させることになってしまったらどうしよう」とか、めちゃくちゃ苦しいんですよ。

人や環境のせいにしていたら何もはじまらないし前進しないというのは嫌というほど分かっているので、ぜんぶ引き千切ってきた人生ではあるものの……。だとしても自分にとってのリスクだけならまだしも、大切な相手にとってのリスクにもなり得ると考えると、とてもじゃないけど前向きにはなれないというのが本音なんですよねェ〜〜〜🙄

大好きで大切な人を、誰が好きこのんで地獄に引きずり込みたいと思うの?ってカンジ。

いにしえからの友人にこのことを打ち明けて、メソメソとショモショモと相談をしたところ。
「あ〜〜〜、それは煉󠄁獄杏寿郎みたいな相手じゃなきゃ難しそうだね」って言われて、まったくもってその通りの気持ちでヘドバン同意しちゃったよ。

ご縁を結びましょう、ってときに私が家族を紹介せず絶縁した状態でも許してくれる方か、身内が総じてスットコドッコイであることを笑い飛ばして問題を切り分けてくれる方じゃないと、私は安心して人を好きになることもできないし、自分の家族とのトラウマが激しすぎて相手との将来も考えることができないって、やっぱりツラいッス。

そんで、そういうことを否応なく想像させるトリガーをそこらじゅうにバラ撒いて我が物顔をしている麗らかな春という季節が、どうしても苦手。

は〜〜〜〜〜〜あ。
今年もデッカイ峠が見えてきたナァ、と思うと気絶しちゃいそう。

でも、どうしたって自分の心のなかに宿る「人を慕う気持ち」へは嘘をつけないし、いっそのこと、うちの両親が没したあとに籍を入れるとかでもいいよっていう煉󠄁獄杏寿郎はいたりしませんか?
いたらめちゃくちゃ、お待ちしております。

じっくり時間をかけて人となりを知らないと恋愛スイッチも入らない人間なんで、まずは友だちから仲よくしてください。
あ、でもベッドフレンドはお断りです。性別を自覚するのが嫌なので。

以上。

よくもまあ、こんなこじれた人間が生まれちまったモンですよ。生き苦しいったらありゃしない。

やれやれだけど、生き抜くまでは死ねないなと思って、息を吸っては吐いている虚無。

もー。そろそろ幸せになりた〜〜〜〜い!

とりあえずはお金を稼いで生活を整えて。まずは私が煉󠄁獄杏寿郎になるべきかな……。
それでいつか、おっきなワンさんと一緒に僕ァ田舎でチルい隠遁生活をするんだ……。

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