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功績をかぞえること、功績をしらべること。

歴史のことを考えるにあたっては、
漢字について調べてみる「リッシンベン調査団」
団員のぼくとしましては、
【歴】という漢字のことが気になるんだなあ。

【歴】の形を見れば、もう
「歴史」という意味にしか見えないんだけれども、
でも、たとえば
【歴】とは、
「やまいだれ」でもなくて、また
「まだれ」でもないような、その
「まだれ」の短い縦線が無くなった「たれ」
(調べてみると「がんだれ」と言うみたい。)の中に、
「木」がふたつ並び、その下には
「止」が置かれる、という、
特徴的な漢字だとも思われるけれど、それがなぜ、
「歴史」の意味となったのでしょうか?

って思いながら、
やっぱりいつものごとし、
白川静先生の『常用字解[第二版]』を、
ひもといてまいりたいとぞんじます。。。

【歴】 レキ/すぎる・かぞえる
形成。もとの字は歷に作り、音符はれき。厤はがけの下に両禾りょうかを立てて軍門とする形で、軍の本陣をいう。止は足あとの形で、かえる、とまるの意味がある。軍の行動において経験したこと、戦争でたてた功績を歴といい、またその功績をかぞえる、功績をしらべることを歴という。「すぎる、ときがすぎる、かぞえる」の意味に用いる。

白川先生のおっしゃるには、
【歴】のもとの字は、
「木」がふたつ、ではなくって、
「禾」がふたつ並んでいる
【歷】という字、とのことでして。
そして、その上部における
【厤】の形とは、崖の下に「両禾」、
つまりは、「崖」の形を表す【かん」】と、
軍門に立てる標識の木である【れき】を並べた形で。
(同書、【暦】の欄より。)
そう言われてみると、
【崖】という漢字には、「山」の下に
「がんだれ」が入っているんだなあ〜。
【厤】とは、
崖の下に「両禾」を立てて軍門として、
軍の本陣のことをいう。

また、「止」とは
「足跡」の形であるから、
軍の行動から経験したこと、
戦争による功績について、及び、
戦争による功績を数える・調べることを
【歴】という。

ここのところを読みながら、たとえば、
「歴史」とは、つまり
「戦争の歴史」とも言える、
みたいなことも聞いたことあるけれども。
漢字の観点から見てみても、まさに
「歴史」の【歴】という字とは、
「戦争の歴史」を意味していたのか。

あらためてそう思ってみると、
やはり、なかなか
ショッキングでもあるなあ。

こうして、
【歴】という漢字の成り立ちを見ながら、
なんだかありきたりなことしか言えないけれど、
これからの【歴史】とは、どうか、
「戦争」ではなく、
「平和」の木を植えて、そして、
「平和」の行動から経験したこと、及び、
「平和」による功績を数える・調べること、
という時代へと成りますように〜。

令和4年11月13日


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