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「サグラダ・ファミリア聖堂」を想いながら。

先日は、名古屋市美術館で開催中の
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』にて、
アントニ・ガウディの建築について、たとえば
展示室の前半では学生時代の卒業設計や若き日のノート、
また、ガウディがデザインされた家具、及び
「カサ・ミラ」などなどの建築、そして後半では
「サグラダ・ファミリア聖堂」にまつわる
あらゆるようなことを鑑賞しながら、ぼく自身は
大学のときには建築学科でありながら、でも
ほとんどよく存じていないガウディのことを、
いろいろ観ることができました。

これらのなかでもね、やっぱり、
展覧会のタイトルでも記されております
「サグラダ・ファミリア聖堂」についてのことは、
建築模型、装飾、内観の光景、柱の構造、などなど、
さらには聖堂建設における歴史についても
垣間見ることができて、すごかったなあ!

「サグラダ・ファミリア聖堂」は、
着工より100年以上経ってもいまだ完成せず、
(1882年3月19日に起工式が行われたとのことです。)
ってゆうのは聞いたことあったとしても、そのあいだには
スペイン内戦(1936–1939)によって聖堂は破壊され、
建設のために不可欠な模型及び図面類も焼失して、それでも
内戦終結後にはガウディの創設された「備蓄基金」によって
修復工事へと着手、そして、とくに1990年以降には
観光収入の増加やコンピュータの導入により、
建設が急ピッチで進むようになった。
2021年には「マリアの塔」が完成するなど、さらには
2022-23年に4塔が完成予定、そして
2026年「イエスの塔」の完成を目指し建設が進められている、
とのことなのですが。(展覧会図録268頁より。)

なんだか、そう考えてみるとね、
「サグラダ・ファミリア聖堂」の建設とは、
スペイン及び聖堂の建つバルセロナにおける
現代までの歴史とも言えるやもしらないなあ。

そして、この展覧会の鑑賞のなかでね、
ぼくがとくに印象的に感じられたのは
「サグラダ・ファミリア聖堂・内観」の光景でして。
あまりにも素敵だったので、鑑賞後のグッズショップでは
ポストカードも購入したのですが(今回のブログのトップ画像です。)、
このポストカードに映る光景は
『正面中央扉口からの聖堂内観』(名称は図録より)
とのことだけれども、展示室のキャプションでは
「2020年5月撮影」と記されていた。
そのキャプションを見ながら、ぼくは
コロナ下で撮られた写真なんだなあ、と思いました。

つまり、この内観の場所が、普段
どのような状況でどのぐらいの人がおられるかというのは、
ぼくは存じないけど、たとえば、ネットで調べてみれば
何月かの詳細はわからないですが、当時
スペイン全土でロックダウンが行われており、
もしかすると、そのときには
「サグラダ・ファミリア聖堂」を訪れる人は少なく、
そんな事態のときだからこそ、
パンデミックで大変な想いを抱えられながら、
これほどまでにも綺麗な光景の撮影が行われた。
って、そんなふうに想像をいたしておりました。

実際、展覧会の展示や図録(276-277頁)にでも
データとして、2020年の
「観光客数」及び「観光収入」は激減しており、
というよりもほぼゼロなことが読み取れるからこそ、
やはり、非常に大変だった、と考えられる。

そんな時期を経て、その後はV字のごとく
観光客及び収入も回復していて、
さらになお急ピッチで建設が進められている
「サグラダ・ファミリア聖堂」を想いながら、
戦争や平和のこと、そして、パンデミックのことを
考えたりもしていたの。

令和6年2月2日

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