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【外資系の転職術④】全部で5つのルート。中堅になってくると…

前回までは、キャリアがまだ短い方向けのルートを2つご紹介しました。

ここからは、キャリアや専門性が構築されつつある5年以上になってくると自然と増えてくるルートです。

5年目というと、日系企業では、まだ新卒の延長…という見られ方の会社もあるかもしれませんが、外資では、そろそろ中堅どころの仲間入りです。

だいたい、30歳くらいになると、専門性も明確に確立され、早ければ管理職。そうでなくても、1人の独立した戦力として、40歳の方と、扱いもそんなに変わらなくなってきます。

そうなってくると、転職ルートの幅が広がります。具体的には、2つ増えます。

ジュニア時代は、自分から能動的に転職先を探しにいく比重が高いという話をしました。

中堅になってくると、徐々に転職話の流れの方向が変わり、受動的でもある程度話が入ってきたりします。

逆にいうと、同じ職種で5年目くらいを超えたら、そのような流れになっていると理想的で、もしそうでない場合は、自分のキャリアの棚卸しをしてみる目安かもしれません。

そしてこのルートは、キャリアがさらに構築されて、中堅以上になっても続きます。こちらから能動的に関わらなくても自然発生的に広がっていくためです。

そしてキャリアが構築されていると、このルートで受動的に届く案件の量が膨大になり、いつしか、全てに目を通すのも大変になってくる時点があります。人にもよると思いますが、多いと1日に3件、5件届いたりします。

ただ、たまに「掘り出し物」的な案件もあったりしますので侮れなかったり、「今マーケットではどういうポジションのニーズがあるのか」や「自分のマーケットバリュー」などが分かるので、定期的に目を通すのはご自身にとってのメリットになります。

では、その2つのルートとは具体的に何か。

今日はその1つ目をご紹介します。これはある程度認知されているかもしれません。

もう1つは、まだまだ浸透していないルートかと思います。そちらは明日紹介します。

では、今日お話しする、1つ目。それは 、

「 3️⃣ エージェントからの紹介」

…というと、ものすごく当たり前に聞こえるかもしれませんが、いくつか見落とされがちなポイントがあります。

その前に、1️⃣ や 2️⃣ ですでにエージェント登録している方は、この 3️⃣ のために、新たにアクションを起こす必要はありません。待っていれば、自然と、登録先のエージェントから連絡が入るようになることが多いです。

強いて言えば、エージェントに登録した時点から数年経っていたら、自分の専門性も上がっていると思われるので、その内容をエージェントに伝えておくことがお勧めです。

エージェントによっては、「以前話してから間が経ったので、一度キャッチアップしませんか?」という連絡をしてきます。

全社とやっていると大変なので、お気に入りのエージェント、相性の良いエージェントなど、2-3社で良いと思います。もし本格的に転職活動を進めたければ、4-5社くらいでも良いかもしれません。

このように、受動的でも情報が入ってきますので、便利と言えば便利です。そのため、エージェントからの紹介は、大いに活用したいところです。

ただし、いくつか留意点があります。それは、

① 業界、職種、個別企業によって、得意不得のエージェントがあること
② エージェント本人達にも転職市場があること
③ このステージでは「数打ちゃ当たるかも?」の声かけも多く見られること


① 業界、職種、個別企業によって、得意不得のエージェントがあること

業種や職種によって、各エージェントの案件の数や、紹介先の会社が全く異なります。

外資系の採用部隊というのは、エージェントを大いに活用しているのは事実ですが、一方で、多くの企業は、採用の現場担当者が、いくらでも好きなエージェントを使って良いわけではありません。

多くの企業の場合、使って良いエージェントには制限があったり、本社(本国)で決めたエージェントしか使えないこともあります。

かなり管理がしっかりした企業だと、「取引相手の審査」があり、例えばニッチな日系エージェントは、本社から取引の承諾がおりず、取引することができない、ということもあります。

また取引をして良いエージェントの数の上限が、本社人事によって決められており、「もうエージェント数を増やせない」ということもあります。そうすると、なるべく多くの候補者や、なるべく広い職種をカバーしてくれるエージェントに絞ったりするといこともあります。

このように、採用側も、エージェント選びで試行錯誤していることが多いのです。

こうなると、候補者にとって重要なことは、そもそも自分の行きたい会社、業種、職種が、自分が登録しているエージェントを使っているか、という点です。転職したい先の会社が、自分のエージェントを使っていなければ、残念ながら、どんなに優秀でも、そもそもお声がかかることはありません。

人事をやっていると、「あの同業他社は、あのエージェントからばかり採用してるな」とか、「このエージェントは、あの会社に勤務している候補者がやたら多いな」ということが多々あります。

これは、先に説明した、会社レベルの事情、現場レベルの担当者の相性、一度紹介した候補者が自分の元同僚をエージェントに紹介している個人的な繋がり、など理由は様々です。

このように、自分が行きたい業種、職種、会社が得意なエージェントを見つけることはとても重要です。そのため、最初はある程度複数のエージェントに登録し、何人か担当者と話し、「この人は、あの会社のことをよく知っているな」とか「この人はあまり話が通じないな」など見極めて、付き合いを続けるべきエージェントを絞ってみることがお勧めです。

② エージェント本人達にも転職市場があること

実は外資を担当しているエージェントは、海外出身の方がとても多いです。

外資ですと、人事担当者は通常英語を話せますし、候補者も一定の英語力が求められるので、「日本語は全く話せません」というエージェントもめずらしくありません。

そのくらい、エージェント界隈もかなりインターナショナルです。そうすると、エージェントの方々も、転職が盛んです。したがって、お付き合いしてたエージェントが、「転職しました」ということは頻繁におきます。

転職すると、転職先の会社の方針で、その方のエージェントスタイルが変わることもありますし、そもそも転職している時点で、その方もキャリアチェンジを求めていて、これまでとは違う領域を担当する、ということもあります。

私自身がこれまで経験したのは、とても良いエージェントなので末長く付き合いたいと思っていたら、その方自身が優秀なので、他社の経営層に転職してしまい、エージェント担当者としては外れてしまった、つまり案件紹介は部下に引き継がせてほしい、ということもありました。

また、他にも、家族の関係で自国に帰るので、ごめん、もう日本の案件から離れるんだ、という方もいました。

エージェントの方の転職市場もかなり流動的なので、1-2人にベット(賭ける)するのは、少しリスクがあるかもしれず、ある程度は、幅広く付き合っておくのもお勧めです。


ここで、日系のエージェントにも触れておきます。

日系エージェントの方は、転職される方も度々いますが、外資エージェントほどではなく、1社に長くいる方が比較的多い印象です。

また、やはり日本市場や日本的感覚をよく理解していますし、おそらく候補者さんとも日本語(お互いの母国語)で話せているから、候補者さんについても、細かいニュアンス含めて深く理解されていることが多いように感じます。

外資に強い日系エージェントさんはさほど多くはありません。

ここで固有名詞を出すのは控えますが、業種や、具体的な転職先の会社名などを入れて検索すると、いくつか出てきますので、そのような形でまずは的を絞り、まずは登録してみるのも良いかと思います。

③ このステージでは「数打ちゃ当たるかも?」の声かけの可能性もあること

ここを理解しておくのは、ご自分の時間の使い方を考える上で、とても重要です。

世間では、エージェントから声がかかることを、ヘッドハントされる、と理解されることも多いですが、この章で紹介している「エージェントからの声かけ」は、いわゆるヘッドハント(一本釣り)とは異なります。それは、もう少し後のキャリアの話です。

エージェントから声がかかるのは喜ばしいことです。一定の専門性を認めてもらえたことが前提になりますので、まずは声がかかる、というのは、順調にキャリアが構築されていることでもあり、素晴らしいです。

一方で、このくらいまでのキャリアの場合は、エージェントは、「とりあえず幅広に声をかけてみる」というスタンスが多いのも事実です。

少し乱暴な言い方になってしまいますが、候補者に関してあまり調べずに、「片っ端から声かけしている」可能性もあります。

「あなたのこれまでの経歴を拝見し、大変感銘を受けました。ぜひ一度お話をさせていただけないでしょうか。」みたいな声かけは、定型文として頻繁に使われています。

この連絡から候補者とエージェントとの関係が始まるので、もちろんそれ自体は大事なやり取りです。ただ、時間は有限ですし、先述の通り、エージェントも得意不得意があります。

ですので、このような連絡が度々来るようになったら、全てにちゃんと対応しなくては…と思う必要はなく、自分にとって、相性の良いエージェントさんを見つけられるよう、そのエージェント会社を少し調べてみる、など、戦略的にお付き合いできると、win-winな関係構築に繋げられると思います。


今回は、社会人5年目くらい〜中堅の方向けの転職ルートのうち、1つ目をご紹介しました。

明日は、同じ層の方向けの、2つ目をご紹介します。


🌷ここまで読んでくださりありがとうございました!🌷

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