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【外資系の転職術③】全部で5つのルート。2つ目ルートの裏技とは…

前の2回では、キャリがまだ短い方にオススメの転職ルートを2つご紹介しました。


そのうち、後者にはぜひ実践して欲しい裏技があります。それは、

「内部の人に、社内公開されている求人で、自分が興味のありそうなポジションがないかを確認してもらうこと」

外資は、会社主導の一方的な(本人も知らないような異動が突然発表されるような)人事発令はなく、本人が希望する場合の自主的な異動か、又はまれに、先に本人へ打診があって合意した上での人事発令、と言うのが一般的です。

これは、各従業員と企業は雇用契約で仕事の内容 (job description = “JD”) やタイトルなどを合意しているので、企業側がそれを勝手に変えるのは契約違反になってしまうためです。昨今は日本でも聞くようになった、いわゆる「ジョブ型採用」と言うものです。

そのため外資での人事異動は、基本的には本人の希望・主導で実現します。ただし、希望すれば異動できるではなく、社内にも関わらず、異動先のメンバーによる面接が行われ、合格すると異動できます。このようなことから、外資での社内異動は「社内転職」と呼ばれたりもします。

ジョブ型採用は、あくまでその「ジョブ (JD)」を遂行できることが前提となります。当然、現職と違うポジションへの異動を希望する場合は、(前職で例えばそれをまさにやっていたと言うような場合を除き)そのジョブを100%遂行できる場合は稀です。

ですので、一部の遂行能力は保持しているが、それ以外のスキルはポテンシャル採用、と言うのは許容範囲のことが多いです。とは言え、そのポテンシャルがあるかも含めて、面接などでチェックされます。

その結果、採用されない、つまり異動はできないこともよくあります。元いたチームを一度は出ようと思ったわけで、元いたチームに戻っても居心地が悪くなってしまうリスクもあります。

一方で、社内異動は会社にとってもメリットは大きいです。外部から候補者を取るとミスマッチのリスクがありますが、社内異動であれば、社内の評判や人となりなどは分かりますので、ミスマッチのリスクが減ります。

また、社内異動を検討している社員は、キャリア転換を希望しているので、異動ができなければ辞めてしまうリスクもあります。辞められてしまうくらいなら、別の部署で残ってもらえた方が、去られたチームは痛手だとしても、会社全体としてはプラスです。

そのため、外資では社内異動のプロセスは、各社試行錯誤しており、社内異動を推進する施策がとられたり、社内異動をした又はしようとした社員に不利益が生じないような環境作りに努めます。

ちなみに社内異動は外資では internal mobility と呼びます。 “Internal Mobility Program” と言うような形で、制度として存在することが多いです。

そしてその一環としてよく活用されるのが、「社内向け求人サイト」です。

外資は、「社外向け」に募集中のポジションを掲載していることが多いです。ただここには、外部に見られても差し支えない求人しか載せません。競合他社に、自社の採用状況を知られたくないような場合、社外向け求人サイトには載せません。

社員も、社外向け求人サイトで、自分に合ったポジションが社内にないか、探すことができますが、上記の通り、企業としては社外向けサイトに全てのポジションを載せることはできないので、そこで「社内向け求人サイト」を、社員だけのために別途用意するのです。

会社によっては、外部候補者を募集する時は、先に必ず社内掲載を1か月しないといけない、と言ったルールがあるような場合もあります。

これは、社内異動を推進するためだったり、レファラル採用を推進したりするためです。外部からの、全くの見ず知らずの候補者よりも、先に、まずは社内で誰かいないかや、社員のネットワークに良い人がいないかを確認するのです。

従って、もし入りたい企業があれば、そしてその企業に勤めている知り合いがいたら、社外向けの求人サイトを鵜呑みにするのではなく、自分が興味のありそうなポジションが募集されてないか、確かめてもらえると、もしかしたら公表されていないポジションがあるかもしれません。

なお、社内の求人情報も、れっきとした社内情報ですので、当然ですが持ち出しには注意が必要です。通常は、求人情報は知り合いには伝えて良い、といったルールがありますが、何でもかんでも持ち出して良いわけではありません。

知り合いの方に頼む時も、その点は踏まえた上で、教えてもらえる情報がもしあれば教えて欲しい、という控えめなスタンスでお願いすることをお勧めします。


今回は、知り合いからの声掛けに係る裏技についてご紹介しました。

次回以降は、中堅の方々向けのルートをみていきます。

🌷ここまで読んでくださりありがとうございました!🌷


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