リンスインシャンプーは立場をわきまえろ。



久しぶりのnote投稿です。久しぶりに起きました。​こんなにぶっ続けで寝ていたのは初めてです。心なしか涼しくなっているような気がしますが、みなさまお元気でしたでしょうか。

そういえばこの前銭湯に行っていて気づいたことがあります。今日はそれについてネチネチ書いていきます。どれくらいネチネチかというと、「近くに水道があれば洗おうか」と思うくらい、調子に乗ってコネコネしすぎたねりけしくらい、です。

さてさて、皆さんは銭湯に行く際に何を持っていくでしょうか。タオル、着替え、シャンプー、リンス等々。この4品は即ベンチ入りレギュラーでしょう。昨日僕が銭湯に行った時も例に漏れずこれらを持っていきました。
しかし、1つだけ違うことがありました。それはシャンプーの替わりに「リンスインシャンプー」を持っていったことでした。

リンスインシャンプー。こうしてタイピングしている間にも私は怒りに苛まれております。

あぁ許せない。

リンスインシャンプーはもっと自分の立場を弁えるべきです。全くもって自分の分際というものを理解していない。

どうせこれを読んでいる皆さんは僕のことをただの狂人(くるんちゅ)だと見ているでしょうから、今から私が気づいた悪しき点について解説していきましょう。これを読めばあなたもお気づきになることでしょう。「リンスとシャンプーを一緒にすれば楽だろう」という短絡的で誤った思考のせいで生み出されたこの悲しく哀れな化け物を、正しい道に戻さねばならないと気づくでしょう。

「リンスインシャンプー」は英語に戻せば(和製英語なので不毛ではありますが)「rinse in shampoo」です。この語句は「rinse」という名詞に対して「in shampoo」が修飾をしている、という構造になっています。つまり、「rinse in shampoo」という語句において主たる名詞は「rinse」で、「shampoo」という名詞は「rinse」を修飾するものの一部です。『「シャンプーに入った」リンス』なのです。

この構造をもとに「リンスインシャンプー」について考えてみると、以下の重要な事実にたどり着きます。

「リンスインシャンプーはリンスである」

リンスインシャンプーは『「シャンプーの中に入った」リンスのこと』なのであり、基本的には「リンス」です。「アリス・イン・ワンダーランド」は「アリス」を主人公とした物語であり、「ワンダーランド」を主人公とした物語ではないのと同じように、リンスインシャンプーはあくまで「リンス」であり、「シャンプー」ではありません。

ここまでのお話を理解できないお友達は、僕と分かり合えませんので、フィニアスとファーブを見るなり、団地ともおを見るなりしておいてください。

〜閑話休題〜

ところが、です。リンスインシャンプーは衛星用品売り場ではシャンプーと同列に扱われています。リンスコーナーを探してもその姿は見つかりません。奴らはしれっとシャンプーコーナーに居座っています。

前述の通り、そもそもリンスとシャンプーは全くの別物です。頭髪に付着した油脂等の汚れを洗い流すシャンプーと、キューティクルを保護するリンスとでは、その役割は全く異なります。さらに言えば、欠けて困るのはシャンプーの方であり、重要度・優先度においてはシャンプーの方が優っています。シャンプーとリンスどちらかしか使えない、となったらみんなシャンプーを選ぶでしょう。二者の間には簡単には越えられないヒエラルキーがあるのです。

なのに、です。なのに、リンスインシャンプーはまるで自分はシャンプーであるかように、より高度な存在であるシャンプーであるかのように振る舞っています。

何も分かっていません。自分がなんであるかを分かっていない。自分はこの世界の中で何者であるか、自分はこの世界の中でどこに位置しているのかを、理解していない。そのせいで、自分は高位な存在であると無意識のうちに、気付かぬうちに思い込み、そのように振る舞っています。欺瞞です。
まず、自らの分際を理解していない振る舞いそのものが罪です。さらに、この間違いに無意識である点においても彼らは罪を犯しています。自らに対する無意識は、自らを無視し、自らの手で自らをこの世界から消し去ってしまう行為です。この世界に対する罪と、自己に対する罪の二つを、同時に犯しているのである。

極悪人である。許せない。この世界の立場からしても、リンスインシャンプーの立場からしても、許せない。いますぐ自らの立場を弁えるべきだ。

リンスインシャンプーの罪に対する気づきは僕をどうしようもない衝動に駆り立てます。

この世の全てのリンスインシャンプーを、リンス売り場に移動させたい。

当然、こんな衝動は実現不可能です。そんなことしようものなら、「新手の不審者」として世界に名を馳せるでしょう。だから、僕はリンスインシャンプーの罪に気づきながらも、傍観者になるしかないのです。この時点で僕はリンスインシャンプーの共犯者です。彼等の罪に気づきながらも、それを見逃すことしかできません。野放しにせざるを得ないのです。僕はついに、彼等の罪に加担してしまったのです。気づいてしまったがために、僕はリンスインシャンプーの罪の片棒を担ぐ羽目になったのでした。

気づく、ということはこうも残酷なのだ、気づかずに罪を犯しているであろうリンスインシャンプーはどれだけ幸福だろうか。気づいてしまったせいで孤独に罪を背負わざるを得ない僕と、気づかないおかげで罪を背負ってることが分かっていないリンスインシャンプー。この明暗の差が、リンスインシャンプーをプッシュする僕の手を加速させます。彼らを駆逐し一刻も早く自分が意図せず背負った罪を除きたい、その一心で今日も僕はリンスインシャンプーを2プッシュするでしょう。

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