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父親になった日

37歳と10ヶ月、とうとう親になった。
5年前の自分からしたら想像もできない。
童貞、チー牛、ヲタク、そんな感じで自分を形容できるのを客観してたからこそ。

妻と出会って約3年半、結婚という書類上の儀式とは違う感動、子供が産まれるという0からの命の誕生の場面に出会えた。

数年ぶりにnoteを開き、文章を書く。なぜなら、今日一日で今までの人生で一番アドレナリンが出てて寝られる気がしないからだ(明日も5時起き❤️)。
アドレナリン出まくりなので文章も順序滅茶苦茶、ただただ娘が産まれた日(若干前から)の事を書こうと思う。

妻は9月の中頃から有給と産休を取り、里帰り出産の為に実家のある長野に帰っていた。
ちょうどその時に自分はこれからの生活に備え、転職をした。
10月の終わりにチャイルドシートを持って行きがてら妻の顔を見に行く。関東よりも紅葉が進んでいる。散歩がてら妻と紅葉狩りをした。

そこから約3週間、39週の検診で妻は医者に「まだもう少しかかりそうですね」と言われたらしく、自分も「まあ初産だしちょっと遅れるくらいで陣痛からも時間かかるんだろうなあ」と思っていた。
検診から3日たった昨日(11/6)妻から「前駆陣痛?少し兆候がみえてきた」と連絡があり、調べると「あと3日くらいかなあ、週末だと仕事休まないでいけるなあ」なんて悠長に考えて普通に妻におやすみのLINEをして翌日の仕事に備え夜普通に寝てしまった。

最近のiPhoneって凄いんですね。夜11時〜朝6時頃までナイトモード的な事で通知がほとんど来ないんですもの。

11/7朝5時半頃目覚める。転職してから割と早寝早起きを心がけている。会社まで車で渋滞に巻き込まれながら1時間ほどかかるので遅刻しない様に余裕を持ちたいからだ。普段タイマーは6時15分にセットしてるが割とそれより早く起きてしまう。老化かな。
というか今日は風の音で起きた。外は11月っぽくないぬるい湿気っぽい嵐だった。

朝の身支度をしているとスマホから音がポコポコ鳴る。

「おいおいおいちょっと待ってくれよ、どうしよう、仕事に行って半休使おうかそのまま長野に行こうかおいおいおい…でもまだ2〜3日あるんだろ…???」と、軽くパニックになってたら義母から電話がかかってくる。
「今はコロナで夫しか立ち会いできないからそばにいてあげた方がいいよ」
という一言で長野に急いで行くことを決意。
とりあえず会社に連絡をして風呂に入り髭をそる。
どれくらいで帰って来れるかわからないので、猫のご飯と飲み水とトイレの準備をして(一泊まではこれで大丈夫)一応自分の父親に猫の世話をレクチャーしてから長野に向かった。この時点で9時。が、車のガソリンがなかったので入れてから。家の近くは160円前後が相場。長野は180円くらいが相場なのでキチキチに入れていく。
埼玉県内、なかなか混んでる。
そりゃラッシュの終わり頃だもの。
絶対事故れないので運転だけに集中する(でも最近のクルーズコントロール便利)。
トイレ休憩を5分ほど挟みほぼノンストップで病院まで。着いたらちょうど昼だった。義母と落ち合い「昼ごはんどうする?」などと話しながら一度病室へ向かう。
先に書いたが、病室には夫しか行けないので義母は病室のある階のエレベーターホールで待ってくれていた。

看護師さんに呼ばれて分娩室に向かったが自分が想像していたのとはかなり状況が違った。
単純に苦しそうな妻の姿があった。
想像だと、まだまだ産まれるまでに時間がかかるから準備とか話ができると思っていた。
助産師さんに話を聞くと、「産まれる準備が出来て3時間経っているので吸引分娩にします」とのこと。普通は2時間くらいで赤ちゃんが出てこないと母子共に体力的にキツくなってくるらしい。
「なんか思ってたのと違うぞ、もう出てくるのか!」とか考えていた。
その時夫は何ができるのだろうか。枕支えてたり、ペットボトルの水を飲ませてあげるくらいで「頑張れ」くらいしか言葉も出ない。夫、無力。

そんなこんなしていたら先生が現れて吸引を始める。少し手こずるがすぐに産まれる。
赤ちゃん特有の泣き声がすぐに聞こえて涙が出てきた。多分誰にもバレてないけど。
「女の子です」
鳥肌が立つ感動の一段上を行った感動だった。

というか妻と娘よ、俺が来るの待ってたのか?ってくらいタイミング良すぎたぞ。0歳0ヶ月で空気を読むのか。
自分が分娩室について10分くらいしか経ってなかった。2023年11月7日12時11分。忘れないと思うから何かのパスワードにでもしようと思う。

一度退室が命じられ、エレベーターホールで義母に産まれたことを報告。両親や色々なところに連絡をする。15分ほど経ち、体重と身長が測られた娘はおくるみに包まれ、泣いたりぼーっとしてたりしてた。
妻も疲労困憊な感じがもちろん見えたが、娘を抱くと笑顔になった。

妻はそのまましばらく点滴をするとのことだったので、30分ほどダラダラと話をした。名前の話、これからのこと、中身のない話、すごく幸せを感じた。

朝は嵐だったのに長野の空は真っ青だった。紅葉も10月より一段と深まっていたそんな日。空気が澄んで浅間山がとても悠々としていた。

2人とはまたしばらくのお別れになるが寂しさよりも楽しみが増えた。

義母と近くの蕎麦屋(書き方悪いけど超人気店)で遅めのランチを食べ、そのまま東京の実家へ報告しに行った。父も今月で定年退職で余生の暇つぶしができただろう。
自宅に戻ったら猫がいつものようにご飯をせびってきた。そんな日。

途中から気づいたけど生まれるのが少し遅いと帰り道の高速道路が工事で通行止めだったとか。どこまで空気読んでくれたのか。妻よ、娘よ。

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