君の人生はこれから良いことがいっぱいある

#忘れられない先生

高校三年生の時の担任の先生は、ほぼ全く進路指導をしなかった。当時私は自分の実力より少し上のランクの大学を受験したかったが、親は浪人することを嫌って、少し下のランクの大学を受けさせたがっていた。

先生は私にどうしたいか聞き、親より私の意思を尊重してくれた。しかし、私は結局不合格となり、滑り止めの、親の希望の大学に行く事になってしまった。

渋々行った大学ではあったが、それなりに新しい学生生活を楽しみだした時、当時の自分の気持ちと、受験生活の後悔を綴った手紙を先生に送った。

先生からは一通の葉書が来た。以下のような内容だった。

「高校時代の君は、君の言うような君ではなかった、と僕は思う。君は良く頑張っていた。これからも君はずっと頑張れる。君の人生はこれから楽しいことがいっぱいある。人生は素晴らしいものだ。心から応援している。」

親は先生の指導を恨み、自分の意思を通した私を非難していた。私はずっと肩身が狭かった。葉書を読んで泣けた。

もう25年以上前の葉書は、今でも大切に取ってある。