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仕事を"最短距離"で終わらせる方法


1.仕事を速く終わらせるには?

「どうしたら仕事を速く終わらせられますか?」

コンサル会社に入社してくる若手メンバーによく聞かれるこの質問。私の答えはズバリ、、
「仕事の最短距離を目指そう!」

2.若手メンバーは「速さ」に傾倒しがち

冒頭の質問に対して若手メンバーに、あなたはどう思うかを聞いてみました。そうすると次のような回答をもらうことが多いです。

「Excelのショートカットキー全部覚えます!」
「タイピングを速くするため毎日練習します!」
「パワポの作り方を学びます!」

確かにこれらも効果的。でも、これって本質的な改善策でしょうか?私は異なるアプローチの方が効果的だと考えています。

3.単純な算数で考えてみる

「仕事を速く終わらせられる」とは言い換えると「仕事を完了するまでの"時間が少ない"」ということ。

そこで「時間」について単純な算数で考えてみましょう。小学生で習うハジキの法則で考えてみると、時間と速さの関係は次のよう表現できます。

時間 = 距離 ÷ 速さ

この式から分かることは、「時間」を少なくするための変数は「速さ」だけではないということです。

つまり「時間」を少なくするためには、
 ・「距離」を少なくする
 ・「速さ」を大きくする
の2通りの方法が考えられることが分かります。

4.作業時間の方程式

上の式を仕事に対して置き換えるどうなるでしょうか。「時間」と「速度」は分かりやすいですが「距離」とは何か。

ズバリ仕事における「距離」とは、仕事を完了するまでの「作業量」のこと。式を書き直すと次のようになります。

作業時間 = 仕事完了に必要な作業量 ÷ 作業速度

そして「作業時間」を少なくするためには、
 ・「仕事完了に必要な作業量」を減らす
 ・「作業スピード」を上げる
の2通りの方法があると言えます。

5.速さより「距離」が大事!

ここで冒頭の若手メンバーの回答を振り返ると、「ショートカットキーの暗記」も「タイピングの練習」も、「作業スピード」を上げるものであることが分かります。

もちろん「作業スピード」を上げることも大事ですが、「作業量を減らす(増やさない)」という意識がより大事だと私は考えています。

目的に寄与しない作業をいくら速いスピードで進めたとしても、その仕事はいつまで経っても終わらないですからね。

6.最短距離を目指す具体的な方法

では「作業量を減らす」もしくは「作業量を増やさない」こと、つまり「最短距離で仕事を終わらせる」ためには、どうしたら良いでしょうか。

具体的には、次の4つを考えることが効果的です。
① 目指すゴールの明確化
② 早期の方針合意
③ 目的の見極め
④ 仕事そのものをなくす

それぞれ具体的にみていきましょう。

① 目指すゴールの明確化

仕事が遅い若手メンバーの特徴として、目指すゴール(アウトプットのイメージ)が曖昧なまま作業をしている、ということが挙げられます。

例えば、次のような行為がよくある例です。

・どんなメッセージでどんな構成にするかが曖昧なまま、パワーポイントを触り始める

・どんな問い(論点)に答える必要があるのか定義しないまま、ひたすら情報収集をしている

こうならないためには「まずアウトプットイメージ」を明確にすることが大事です。作業を始める前に「この仕事って何を作ったら(どうなったら)完了するんだっけ?」と自分に問いかける癖をつけましょう。

② 早期の方針合意

「仕事完了までの作業量」が増えてしまう理由として次に多いのが「仕事の手戻り」です。

例えば、期限間近に上司に資料レビューを受けたら「全くイメージと違う」と言われて、急ピッチでやり直すなんて経験したことないでしょうか。この手戻りになるまで作業していた時間は全くの無駄です。

では作業の手戻りをなくすにはどうしたらいいか。それは「早期の方針合意」にかぎります。依頼を受けたら1時間以内に、ゴールイメージ(上述①)を依頼者と握りましょう。

例えば、スライド作成を依頼されたら、すぐにノートとペンでラフ絵を書いて、アウトプットの方向性を依頼主と合わせる。そんな動きができれば、手戻りは極限まで減らせるはずです。

③ 目的の見極め

仕事が遅い若手メンバーの特徴の3つ目として「過剰品質」になってしまっているということが挙げられます。

・電話すれば5分で確認できることを、30分以上かけてメール作成している

・会議で関係者と合意形成が必要なとき、メモ帳で論点と意見を整理すれば充分のところ、パワーポイントでリッチな資料を作成しようとする

これらの行動が最たる例です。このように求められる以上のことをしてしまい、無駄な作業をしている若手をよくみます。

こうならないためには「作業の目的を見極める」ことが大事です。その作業の完了条件を常に意識し、その条件を満たすための最短距離を測りましょう。

④ 仕事そのものをなくす

最後は上級者向けになりますが、仕事を速く終わらせるために最も効果的な方法。それは「仕事そのものをなくす」ことです。

「時間=距離÷速さ」の法則を見れば分かりますが「距離=0」としてしまえばかかる時間もゼロになります。

例えば「社内向けの報告資料」や「惰性で続く定例会議」などなくても誰も困らない作業がないでしょうか。

これらの作業をなくしてみる。完全にはなくせないにしても、簡略化や短縮化、自動化ができないか考えてみる。そうした思考が仕事を速めていくと思います。

7.最後に

最後に偉人たちの名言を引用して終わります。

人より一時間、よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが、今までよりも一時間少なく働いて、今まで以上の成果をあげることも、また尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。

松下幸之助

元々しなくても良いものを効率よく行うことほど無駄なことはない

ピーター・ドラッカー

最後までお読みいただき、ありがとうございました!「仕事の速さ」についての記事も書きましたので、ぜひ併せてご覧ください。

これからも仕事に役立つ思考法を投稿していきますので、ぜひフォローをお願いします!


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