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Co-working の運営ってなんだろう!? / イベントダイアローグ

筑波大学すぐそばのコワーキングプレイス、Tsukuba Place Labで催されたトークイベント「Co-working の運営ってなんだろう!?」に参加してきました。

Tsukuba Place Labは僕が日頃からお世話になっているコワーキングで、僕自身コミュニティマネージャー的なお仕事や、「場」の運営にも興味がありワクワクしてお話を聞きに行きました。

すると最後には、非常に素敵な結論を生み出せたんです。

今回は、そんなコワーキングの運営をするお2人のお話をほぼ全て記録したので大公開です!

僕が導き出した結論にも、もしよければご注目ください!

それではレッツ振り返り~~~!

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【イベント概要】
あなぶきグループが運営する広島県広島市にあるシェアードワークプレイスco-ba hiroshimaでコミュニティマネージャーを務める幸田良則さんをお招きし、co-ba hiroshimaでの取り組みをはじめ、コワーキングの運営で日頃抱えるわくわくからモヤモヤまで全てをお話します!
【お話しする人】
◎ゲスト:幸田良則さん
都心繁華街特化型テナントビル賃貸会社にて営業と財務を担当。その後、賃貸管理会社でフランチャイズビジネス事業を立ち上げるために転職。これが縁で新規事業創出にのめり込み、社内新規事業にかかわる。あなぶきグループにJOIN後も、新規事業や新サービスの開発・導入、M&Aを担当。2018年7月に広島と高松にコワーキングスペース「co-ba hiroshima」「co-ba takamatsu」を立ち上げ、あなぶきクループ約30社を実証実験の場として開放。同時にCVC(あなぶきスタートアップ支援ファンド)も設立にかかわり、投資委員も兼務する。

◎ファシリテーター:堀下恭平さん
1990年9月12日生まれ。熊本県熊本市出身。つくば市在住。
(めっちゃ省略して)Tsukuba Place Labの代表。
※堀下さんについての詳細はイベントページへ

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【ダイアローグ】

堀下さん(以下、堀):
皆さん、何で知ってここに来られたんですか?

参加者(以下、参):
・レンタルスペース事業の上司に言われて…(笑)
・知り合いがやるかもしれなくて…。
・将来やってみたいと思っていて…。

堀:
怖いっすね…下手なこと言えないっすね…(笑)

幸田さん(以下、幸):
怖いっすねー(笑)

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◎幸田さんのターン

【自己紹介】

co-ba hiroshima コミュニティマネージャー

あなぶきグループの理念
「地域社会に生かされ、生きる」

・地方でも起業しやすい環境の整備⇒地域経済活性化・産業振興
・オープンイノベーションの推進
・ファンドも立ち上げて運用
資金と場所の両輪で起業家を支援

企業・ビジネスマン・学生などが交わりビジネスが加速する場を目指す。

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【co-ba hiroshimaの強み】
・実証実験の場の提供(協賛会社のバックボーン)
・スタートアップ支援ファンドによる資金ニーズの提供
・全国の企業や人とのマッチング

普通のオフィスビルをリノベーション
・木材を多用

【活動ピックアップ】
・LIGとのコラボ
・大学との連携
・働き方について注目される→新聞記事
・朝のコーヒー活動(『with coffee』)
→オリジナルブレンドのコーヒーを作るまでに
・会員さんの活躍を後押し
・後継社長向け経営支援プロジェクト
→稼業を継続しようと奮闘する若者の応援

【イベント予定】
・「明後日のコーヒーイベントは会員さんに任せてます(笑)」
・複業ラボ
・整体
・会員限定の交流会→偶然の出会い→イノベーション
・ヨガ などなど

【会員】
・約60名
・本当に多様な人たち
・いろんな人とのマッチングになる。
 (弁護士×システム開発 Webマーケティング×銀行員など)
☆会費は家賃や利用料でなく、販促費や広告費にもなる。
・co-baも会員に仕事を依頼するなど(Tシャツなど)。

【展望】
1年後
・「場」の運営の安定
・オープンイノベーション1本
・広島での絶対的なポジション確立

3年後
・「学生→起業」モデルの産出 ※スタートアップ就職でもいい
・会員間のビジネスの誕生やアドバイザー就任
・アトツギとの共創

「「よりビジネスが加速する場」」

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◎堀下さんのターン

【自己紹介】
つくば10年目
学生時代に行政コンサル起業
→どの自治体でも「プレイヤーが足りない」
→「プレイヤーを育てる」ための「場」を作ろう
⇒筑波大学すぐそばのコワーキングプレイス
Tsukuba Place Lab
・2016年5月 クラファン着想
・2016年7月 クラファンスタート
・2016年12月1日 オープン!!

【Tsukuba Place Lab】
つくば市の都市規模だと「場所貸し」としてのコワーキング運営だと経営が厳しい。

・Value
”異なる価値観が出会う、アイデアを共有できる場”
”人と人とを繋ぎ、やりたいことを実現していくための場”

⇒金銭的なハードルを下げる。

・Concept
”みんなでつくる、みんなの場”

業者に委託せず、一から作った(DIYをイベント化)。
めちゃくちゃイベントをやる。

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【up Tsukuba】
より社会人・スタートアップ向けに駅前にオープン(2018年10月)

「つくばをスタートアップの聖地に」
ハードとソフトの両方を提供。


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◎クロストークとQ&A

堀:
コワーキングの運営ってなかなか経済的にも厳しいじゃないですか?
始めるときの社内の反応ってどうでした?


幸:
そもそも社内で僕の動きって「わかんない」って思われてたと感じるんですね。スタートアップの相手してたんでお客さんはスーツ着てないし(笑)。
それで社長に持っていってもダメだと言われたけど、創業一族まで持っていったら通ったんです。(笑)

堀:
こういうイノベーターが運営側にたくさんいてほしいですよね。

今日はみなさん(参加者)からの質問をどんどんぶつけちゃってください。
幸田さんは会社員でありながら、自分で戦ってますよね。
経営にまで関わって資金投資もできる。何を聞いても答えてくれると思います。

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参:
福祉事業の会社で、レンタルスペースを多世代交流も目指して始めてるんですけど、あんまり人が来なくて…。
イベントするにしても初めてで、何から始めたらいいんだろう…。
地方でやるということにハードルも感じる…。
福祉の面からも箱をもって何かをやりたい。
例えば介護という閉じた領域で、どうイノベーションを起こすのか。

幸:
人が大事ですね。人が人と人とをつなぐ必要があると思います。
運営側からそれを仕掛ける必要があるんじゃないかなあ。
あと僕がやってるイベントとかは、30人くらい来るのは月1回だけで、ほかの10回くらいは最大8人くらいかなあ。
大きいイベントは他のところに任せちゃう。

堀:
それって最初からですか?

幸:
最初から。それこそ違う色を出すために。

堀:
確かに人数が増えれば増えるほど薄まるものはあるし、人数と満足度は比例するとは限らないし、深まれば深まるほど次につながることってありますね。

幸:
最初は確かにしんどいけど、それを越せば、そこで人とつながることができた人が人を呼んできてくれるんです。


堀:
そういえばどうしてカフェができたんですか?

参:
介護だけでは事業として続かないとも思っていて、カフェが地域の方のコミュニティづくりの拠点になればいいなと思っていました。
そこを拠点に自然とコミュニティができていくのを想定していたんですが…。

堀:
例えば特養(特別養護老人ホーム)に女子高生が来るようになるってことですよね。でも箱があればいいってもんじゃなくて…。
幸田さんは、何からやりました?

幸:
知ってもらうために、イベントをしましたねえ。
知ってもらうところを徹底的に。
その解決策の一つが「少人数でのイベント」。

参:
その中でなにかひとつの大きなきっかけになったイベント、出来事はありますか?

幸:
定期的にやっている活動ですかね。
コーヒー、ヨガ、飲み会。
この月6本のイベントをずっとやってます。人がいなくてもやります。

参:
その集客はなにでやってるんですか?広告営業は?

幸:
Facebookでの発信ですね。ただ、広告はやらないです。

参:
新規の方とリピーターの比率はどんな感じですか?
また理想はどれくらいだとかありますか?

幸:
半々くらいですね。
理想は新規:リピーター=3:7くらいです。
やっぱりいつだって新しい人がいてほしいです。

参:
新規の人にとって、安心感って大事だなと思います。

幸:
「安心できる」とは言われます。
例えば、イベント中に勧誘営業が起きそうだったら僕がストップかけます。

堀:排他的にはなりたくないけど、コミュニティに害をなすものには徹底的な対応をする。それがコミュニティマネージャーの色だと思いますね。
「場」としての安心安全を担保するのが重要だと思います。

堀:
あれ、質問なんでしたっけ?
これか。
・なにかひとつの大きなきっかけになったイベント、出来事は?

僕も定例イベントだと思ってます。

しかも、今いるスタッフのひとりひとり、彼ら彼女らが定例イベントを持ってくれている段階に入っていて、自分の手からそれらが離れて「もう大丈夫だ」と僕が思った時に、「これはいけるな」と思いました。

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参:
co-ba hiroshimaはFC(フランチャイズ)である必要ってあるんですか?
あと一番のキャッシュポイントはどこなのかはそれぞれ気になります。

幸:
FCである意味は、
「コワーキングは一か所でやっていても厳しい。全国で相乗りができる連携をしたい。」
「広島の会員さんが東京出張でつかえる制度を担保する」
などといった場所の連携、co-baコミュニティの人脈
このあたりが欲しかったというところですかね。

キャッシュポイントについては、コワーキング自体は4期目から黒字に転じることができると考えていて、今現状でも月単位では2期目でも黒のところもある。主にイベント貸し切りなどが大きくて。
あとCVCの投資先を作っておくことで、投資先のサービスを「中四国初!」で売り出すこと。そういう繋がりができていれば、よほど足を引っ張っていなければ「あなぶきグループ」としての利益になればいいかなと。

いろんなキャッシュポイントがあるんですけど、「場」単体でどうこうじゃないかなと。
繋がり、人脈を作ることが資産になる。
またそこから、会員さんのニーズに応えられるといった目に見えない成果があります。

堀:
会社としては山を張れるチャンスを手に入れられることそのものが大事で、CVCなんかは10年20年のスパンでの回収ですよね。

幸:
投資先がね、大きくなって卒業するのは少し寂しいですけどね。
「事務所構えられるようになりました!」って。

堀:
わかる。うちは、キャッシュポイントが人材紹介です。
それによる協賛というところもあって。

筑波大学の学生に「東京」という選択肢しかないのを打破したいのもあって、その人にあってるところがあれば紹介したり。

そういうところも強みであり、キャッシュポイントであり。
実際スタートでクラウドファンディングをしたことでオープン前から協賛企業があったし、ただ、明日生きるためにイベントを打ち続けてたらそれが色になっていったというか。


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参:
質問が3つあるんですが‥
・そもそもこの事業をやろうとしたときに「自分のコワーキング」という色の独自性の着想はどの辺から?

・なぜコワーキングなのか?

・いま時代の変化の中で、コワーキングをマイビジネスとしてやり続けるメリット・デメリットは?

幸:
そもそも僕は社内でも変わった人間で、それをそのままやったという感じかな。他と同じことをやっても仕方ないなと思ってます。自分のやりたいようにやる。リサーチはしていないですね。

堀:
幸田さん、大企業の人っぽくないですよね。
新規事業を立ち上げるとか、そういうマインドの人ですよね。

僕自身は立ち上げに際してはコワーキングを見てないですね。
ゲストハウスを作りたくて。
でも別に宿泊業がしたいわけじゃなかった。免許類もめんどくさい。
僕はゲストハウスのリビングを作りたいと思ってたんです。
なので「コワーキングをつくりたいわけじゃない」僕がいる限り、ここの独自性の担保はされますね。
あんまりコワーキングとの差別化はLabでは考えたことがないです。

コワーキングを5,6年見てきて、大体ゲストハウスで起きている現象、例えば法整備・規制とかそういうのが2,3年遅れでコワーキングに来てますね。


堀:
・なぜコワーキングなのか?
これについては・・・


幸:
大体いま話した感じですね。

堀:
コワーキングって自由ですよね。なんだってできる。
スタートアップと関われる限り、どの領域にも首突っ込める

upだとJAXAとか高エネルギー加速器研究機構とか産総研とかの人がいて、予算感とか意味わかんないんですよね。来年30兆円の何とかとか…。
聞いてるだけでも面白いんですよね。

幸:
僕は、人と人でつながるのが好きで。

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幸:
大企業から仕事の依頼も来ることもありますし、そこにはオフラインでつながる場がある強さがある。
オンラインは、それはそっちでやっといてって思ってます。
仕事の紹介で、人をつないでいくと面白いコトがたくさん起きていくんです。


堀:
最後にこれですね。
・いま時代の変化の中で、コワーキングをマイビジネスとしてやり続けるメリット・デメリットは?
あえてデメリットってなんか感じます??


幸:
なんだろうなあ。
守秘義務??いやどこでもいっしょだなあ。
デメリット、あんまり感じないかなあ??

堀下さんは?


堀:
ウチは強い主要事業がない状態で作ったので、弱小零細が踏み込むとキャッシュフローが結構きついかな。
なぜなら、短期回収が難しいので。長期回収なんですよね。

ただ、それは他の業種でも同じものは多いのでコワーキング特有とは言えないかもしれないけど。

でも、今月末きついってときでも、長期リターンに懸け続けるっていう苦しさはあるかもしれないですね。

幸:
設備投資はそんなに大きくないんですけどね


そうですね。ただ、回収に時間がかかるビジネスモデルで、
あとは「人の成長で回収」なので、そこにどれだけかけられるかですよね。
人と関わって、その人が場を守ってくれて、人が成長をみて、そういうお仕事ですね。


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端折ったところも多々ありますが、振り返ってみると、参加者からの結構突っ込んだ質問もたくさんありましたね!(笑)

さてさてこのお話を聞いて僕の結論がこちらです。


はやぶさの結論

この人たちは『コワーキングスペースの運営=空間のマネジメント』をやっているわけじゃない!!!!


ただただ、目の前の人を心底大事にしているだけ。そんなお仕事なんですね!!


コワーキングに限らず「場を紡ぐ」お仕事って、大事なのはそこなんだろうなあって、とても勉強になりました!

お近くの方は、そんな幸田さんと堀下さんが紡ぐ「場」へどうぞお立ちよりくださいね!

では!

(Photo by 川原涼太郎)

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