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【2024 オークス~優駿牝馬(G1)】徹底的に攻略データ篇

*「日本文芸社の重賞競走データBOOK 2024年度版」よりほぼ抜粋。

<2023年のレース検証>

レースは、圧倒的1人気2頭に推されたリバティアイランドが、スタート良く先団6番手追走から4角回りながら内から外側に進路を確保すると中団から直線で一気に突き抜けて、2着ハーパー(2人気)に6馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にドゥーラ(15人気)が入り、2連系(馬連 等)は本命決着!? 3連系(3連複 等)は中波乱決着!?

20世紀の最終年である00年は3枠のシルクプリマドンナが1着、6枠のチアズグレイスが2着だった。それ以来、3枠の勝利はなく、6枠の連対がなかった。過去10年では、3枠は3着が最高で22年①人気サークルオブライフは12着。6枠は [0-0-0-20]と全滅で21年①人気ソダシが8着に敗れていた。「21世紀の死に目」である3・6枠に今年はなんと①②人気が入った。しかし、そんな傾向を嘲笑うかのように 3枠のリバティアイランドが1着、 6枠のハーパーが2着という「死に目決着」で幕を閉じた。


<桜花賞組に逆らうな ! 穴は中距離重賞勝ち馬!?>

[人 気]

①人気は [6-2-0-2] と盤石。ダービ—の①人気の強さはよく知られているところだが、オ—クスもそれに匹敵する強さを誇る。 2度の着外は 21年8着のソダシ、22年12着のサ—クルオブライフ。 23年圧倒的人気で勝ったリバティアイランドがそうだつたように勝つべくして勝っているのが今のオークス。①人気以外も堅調で②人気 [1-3-3-3]、③人気 [3-0-1-6]。 勝ち馬選びなら①〜③人気で予想が終わってしまう。一方でヒモ荒れの傾向はあり、⑥人気以下からも連対馬が4頭出ている。さらに難解なのが3着。2桁人気から3頭が3着以内に好走しており、一筋縄ではいかない。

馬連平均配当は4,300円と落ち着いたものだが、
           3連単平均配当となると 96,998円とビッグになる。

(netkeiba.com 想定人気)
想定1人気 ステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄)
想定2人気 ライトバック(牝3、栗東・茶木太樹)
想定3人気 チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)
想定4人気 スウィープフィート(牝3、栗東・庄野靖志)
想定5人気 クイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 人気別成績表

[ステップ]

当然のようにクラシック第一弾の桜花賞組が優勢。 [7-5-6-63] と最多出走かつ最多の勝利数を誇る。ただ、桜花賞下位着順馬も多いので好走率が高いわけではない。数字を追い求めるならば [2-0-1-8] の忘れな草賞組の方が断然上。ほかではフローラS組からも勝ち馬が出ているが [1-3-1-39] 連対率9%ではピンポイントで好走馬を狙うのは少し難しいかもしれない。近年の傾向としてはリステッド昇格後のスイートピ—S組が [0-1-0-2]、フラワ—C組 [0-1-0-8] あたりからも連対馬が出ている。裏を返せば、これら以外のステップからは連対馬が出ておらず、3着まで見ても矢車賞組と皐月賞組から一頭ずついる程度。ステップでほぼ絞り込めると断言していい。

桜花賞組 [7-5-6-63]
8着 クイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正)
17着 ショウナンマヌエラ(牝3、栗東・高野友和)
4着 スウィープフィート(牝3、栗東・庄野靖志)
1着 ステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄)
13着 チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)
3着 ライトバック(牝3、栗東・茶木太樹)
忘れな草賞組 [2-0-1-8]
1着 タガノエルピーダ(牝3、栗東・斉藤崇史)
6着 パレハ(牝3、栗東・新谷功一)
フローラS組 [1-3-1-39]
1着 アドマイヤベル(牝3、美浦・加藤征弘)
9着 サンセットビュー(牝3、栗東・新谷功一)
2着 ラヴァンダ(牝3、栗東・中村直哉)
スイートピ—S組 [0-1-0-2]
1着 コガネノソラ(牝3、美浦・菊沢隆徳)
フラワ—C組 [0-1-0-8]
2着 ホーエリート(牝3、美浦・田島俊明)
1着 ミアネーロ(牝3、美浦・林徹)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 前走レース名別成績表

[オークス激走パターン] ~ デム・ルメ騎乗馬

オークスで存在感を出す「デム・ルメ」。2人合わせて[5-2-2-8]。ただし、両者の傾向は異なる。[3-2-0-3]のルメール騎手だが、前走桜花賞で1〜4着に入った馬に騎乗した場合は[3-2-0-1Jで連対率83%。一方[2-0-2-5]の M.デム一ロ騎手だが、桜花賞組は[0-0-1-4] と振るわない。買えるのは別路線組。前走が桜花賞以外だった馬は[2-0-1-1]と結果を出している。なお、馬体重460〜470㌔台なら[4-1-1-0]とすべて3着以内に入っている。

ルメール騎手 [3-2-0-3] 騎乗予定馬
               チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)
M.デム一ロ騎手 [2-0-2-5] 騎乗予定馬
              タガノエルピーダ(牝3、栗東・斉藤崇史)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 騎手別成績表

<攻略ポイント>

①桜花賞組~前走1~3着馬を素直に信頼。4着以下は信頼度が下がる!?

桜花賞組を精査。まず前走1着馬は [4-1-0-3]。前走 2着馬は [1-0-2-4]、 前走3着馬は [2-1-1-5]。かなり信頼できることがわかる。ただ積極的に買えるのはここまでで、前走4着以下となると [0-3-3-51] と -気に厳しくなってしまう。馬券圏内すら難しくなっており、いくら桜花賞で強い競馬をしたとしても 4着以下は苦戦することは肝に銘じておきたい。桜花賞①人気は [2-2-2-1]。一度の馬券圏外も 5着で掲示板は外していない。同②人気は [3-0-1-4]、同③人気は [0-2-1-5]。着順と違うのは同④人気以下でも [2-1-2-53] と勝ち馬が出ている。

桜花賞組1~3着 
2人気1着 ステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄)
7人気3着 ライトバック(牝3、栗東・茶木太樹)
桜花賞組4着以下 [0-3-3-51]
3人気8着 クイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正)
18人気17着 ショウナンマヌエラ(牝3、栗東・高野友和)
6人気4着 スウィープフィート(牝3、栗東・庄野靖志)
4人気13着 チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 前走クラス別成績表

②前走上がり~末脚上位の馬を買うレース!? 逆に先行馬はハッキリ苦戦??

抜群の末脚を誇る馬が勝つケースが非常に多く、前走で上がり最速をマ—クした馬は [5-3-2-21]。同2位が [0-2-3-17]、同3位が [4-1-0-14]。前走でいい脚を使っていた馬はチェックが必要となる。逆に先行していた馬ははっきりと苦戦の傾向。わかりやすいところでは前走逃げていた馬は [0-0-0-12] と全滅。ほとんどが 2桁着順に沈んでいる。先行していた馬も [0-2-3-46] と連対までが精一杯。 

前走(OP以上)で上がり最速をマ—クした馬  [5-3-2-21]
コガネノソラ(牝3、美浦・菊沢隆徳)
タガノエルピーダ(牝3、栗東・斉藤崇史)
ライトバック(牝3、栗東・茶木太樹)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 脚質別成績表

③波乱の主役~重賞勝ち馬は忘れずに買い!? 中距離ならさらに信頼度増!?

人気の盲点になりやすいのが重賞勝ち馬。実績馬であるにもかかわらず、注目されていないことが多い。わかりやすいのは前走フラワーCを勝ちながら⑩人気2着だったスターーングローズだろう。同馬は秋に秋華賞を勝利。今となっては驚きの低人気だった。似たところでは 23年⑮人気で3着だったドゥーラ。出世レースの札幌2歳Sを勝っていながらこの低人気。この馬も次走クイーンS 1着→秋華賞も 3着とハナ差の4着。重賞勝ち馬、特に中距離重賞勝ち馬は絶対に外せないところ。

重賞勝ち馬
フローラS アドマイヤベル(牝3、美浦・加藤征弘)
クイーンC クイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正)
チューリップ賞 スウィープフィート(牝3、栗東・庄野靖志)
桜花賞 ステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄)
アルテミスS チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)
フラワーC ミアネーロ(牝3、美浦・林徹)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 キャリア別成績表

【戦術ポイント】

[軸馬の狙い方]

一番簡単なのは桜花賞1〜3着馬を1着に置くフォーメーション。それら3頭は当日①〜③人気ならさらに信頼度が増す。難しいのは桜花賞組以外だが、勝ち馬はフローラS、忘れな草賞に限られており、マーク自体はしやすい。優秀な決着タイム、好パフォーマンスなどで当日上位人気に支持されていたら買いくらいのスタンスでいい。

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 生産者別成績表

[相手馬の狙い方]

軸馬同様に桜花賞1〜3着馬はマスト。また桜花賞で上位人気に支持されながら敗れた馬の巻き返しもあり、買い目に入れておきたい。こちらもステップでほぼ絞れるほか、近走案外でも過去中距離重賞で好走した馬はチェック。騎手では和田竜騎手に注意。[0-1-1-3Jで複勝回収率236%。主要ステップからなら警戒が必要となる。

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 枠番別成績表
過去10年におけるオークス~優駿牝馬 馬番別成績表

[注 意 点]

(馬体重480㌔以上)

オールドファンはご存知の方も多いだろうが、オークスは馬体の大きな馬がこない。当日480㌔以上の馬は[0-1-2-23]。86年まで遡っても[1-4-2-63]。 06年のカワカミプリンセスが唯一の優勝例。500㌔を超えると連対例すらなく、オークスで求められる適性を備えていないよう。大型化が進む昨今の競馬で注目に値する。

前走馬体重480㌔以上の馬
アドマイヤベル(牝3、美浦・加藤征弘)=前走484㌔
クイーンズウォーク(牝3、栗東・中内田充正)=514㌔
チェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也)=488㌔

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 馬体重別成績表

(武豊騎手・吉田豊騎手)

オークスで複数の優勝歴がある「東西のユタカ」をここに入れてしまうのは心苦しいが、武豊騎手は[0-0-0-8]。 96年のエアグルーヴ以降勝ちがなく、2着も05年のエアメサイアまで遡らなければならない。吉田豊騎手は[0-0-0-6]。97年にメジロドーベル、02年にはスマイルトゥモローで勝っているが、それ以降は苦戦が続いている。

武豊騎手 [0-0-0-8] 騎乗予定馬
スウィープフィート(牝3、栗東・庄野靖志)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 東西厩舎別成績表

(ドゥラメンテ産駒)

ドゥラメンテ産駒は [2-0-1-2]。 22、23年と連続で勝ち馬を出し、23年は3着馬も同産駒だった。

ドゥラメンテ産駒 [2-0-1-2]
サンセットビュー(牝3、栗東・新谷功一)
ミアネーロ(牝3、美浦・林徹)

過去10年におけるオークス~優駿牝馬 種牡馬別成績表

[注 目 デ ー タ]

①前走「桜花賞3着以内」「忘れな草1着」「フローラSで上がり1位」
②(芝)オープンで1~2人気1着の実績
③東京(芝)でメンバー中上がり3F2位以内で連対実績
④ディープインパクト or キングカメハメハの血を持つ馬

ちなみに、すべて該当したのはステレンボッシュ 1頭のみ。
*「モバイル サラブレの重賞のツボ」を参考に抜粋。


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