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(ハワイレコード版)大江千里オリジナル・アルバムレビュー 2nd『Pleasure』

大江千里
『Pleasure』
1984年3月23日発売

1. シンデレラにはかなわない
2. かわいいハートブレイカー
3. 待ちわびて
4. リップスティック・グラフティ
5. 浮気な LINDA
6. 恋せよ シルビア
7. 三人目のパートナー
8. HAPPY BIRTHDAY
9. BOYS & GIRLS
10. ふたつの宿題

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前作「WAKU WAKU」と同じく大村憲司プロデュース。84年当時まだ日本のの中に残っていた当時の歌謡曲/フォークの香りがする音楽と比べ、まったく別物の、洗練されたサウンドと歌詞。「夕焼けのモータープールに 借りてたレコード返しに行く」の歌いだしでおなじみ「BOYS & GIRLS」、「ふたつの宿題」、「三人目のパートナー」等初期大江千里を代表する名曲を収録した2ndアルバム。

欧米に幻想を抱き憧れて若者達が背伸びをし、雑誌やテレビがそれをあおっていた。そんな80年代に漂っていた空気をキャッチコピー的センスのタイトルと、そのタイトルに導かれ歌われる歌詞には憧れと甘酸っぱさがあった。その内容も、当たり前じゃない展開と、すべてが思い通りにならない事も含めそれもスパイスとして使用しておしゃれにまとめている。

女ユーミンと言われた事もあったそうが、松任谷由実や、松本隆、佐野元春とも違う、どこか文学的で、でもポップな歌詞は発明であり専売特許。特に前作「WAKU WAKU」、そして「Pleasure」は、「こんな大学生活を送りたい」と思わせる、実在しない架空の憧れの大学生の日常をキラキラした表現で歌っている。


この人にしか書けないオリジナルな歌詞が、大江千里という音楽家をCITY POPの括りの中に入れさせない理由なのだと思う。むしろCITY POPのその先に再発見的評価はあるはず。

サウンド面では、ドゥービーブラザーズ的AOR/CLASSIC R&Bな「かわいいハートブレイカー」。レゲエ風味の「三人目のパートナー」。「HAPPY BIRTHDAY」、「BOYS & GIRLS」「ふたつの宿題」といったミディアムテンポのCITY POP的流れでのDJプレイにもマッチする楽曲が揃う。

(ハワイレコード DJ BOYFRIEND)

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*当ページはotonano様のサイトとは関係ありません。
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