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Fiio FT5レビュー

平面磁界ってワードの響き、"領域展開"くらい心擽る。

Fiio FT5(定価 約¥80,000-)

※環境
M15S × PA10 × FT5(4.4mm バランス接続)
FT5はレザーパッドを使用。レビュー内にも記載したが、個人的にレザーの方がこのヘッドホンの特性がフルに発揮される印象の為スエードよりもこちらを推す。

パッションレビュー

開放型なの忘れてない?大丈夫?な量感。音の立ち上がりは平面磁界らしく爽快。輪郭もクッキリとしていて、そしてFT5は腰を据えたような厚みのある量感で鳴る。「抜けが良くないと溺れると思って開放型にしました」って感じだ。実にアルデンテ。

・高音域は刺さらず、明るさを感じられるサウンド。ちなみに中音域は若干凹みがち。しかし、付属のレザーパッドにする事でこの中音域の凹みは良い方向に補完されるのでレザーの使用がオススメだ。低音域はボワつきがなく、キレと量感を持って的確に訴えかけてくる。他の音域を阻害することも無く、平面磁界のレスポンスの良さも相まって音楽鑑賞への没入を加速させる要素となっている。更に開放型の抜けの良さも相まって聴き疲れも特には感じられない。疲れる時があるならばきっと後述する重さに関してだろう。

・側圧は並。対応する幅は広めに設計されてる為、特に頭のサイズは気にしなくてもOKだろう。重量感はそこそこ(約450g。卵約1パック分)ある。それなりに重い。首を鍛えたい人は直立での使用がオススメ。

・付属品が豪華かつ質感良好。これに関しては公式HPを参照して欲しい。付属品を並べて撮るのが面倒とか、そういうのじゃない。……そういうのじゃない。https://www.fiio.jp/products/ft5/

・特に付属のキャリングケースが質感良好。ただ携行時に圧迫されると部分的に凹みなど発生しやすそうな質感でもあるので、それが心配な人は別の手段での持ち運びを検討推奨。ちなみに筆者はゴリゴリに使い倒す予定。気にしたら負けだ。

筆者は低音域の質感が特に気に入っている。開放型ではどうしても構造上低音域に不足を感じる場合があり、開放型にする事での音の抜けの良さと低音域はトレード関係にある以上、仕方ないと思っていたのだが、FT5は低音ジャンキーな筆者が満足する低音域を備えていた。過度な低音を備えているという訳ではなく、これまでトレードしないといけないと思っていた部分が、そうではなかったと思わされたが正しい。ハウジング中央が壁となっているからか、はたまた別の要素のお陰かは不明だが、どの楽曲でも楽しく聴ける要素を持った開放型の平面磁界ヘッドホンだと太鼓判を押す。

ハウジング中央部にはFIIOロゴ

デメリットを挙げるにしても、正直特筆する部分がない。この価格帯くらいからは音質水準は一定の担保がされていて、後は自分の好みをいかに捉えてるかが判断基準になる為である。重さに関しては平面磁界の為当然ある程度は仕方がない。開放型だから音漏れ〜や携行性が〜なんて言うのも野暮中の野暮、そこまで行くと最早デメリットではなくいちゃもんだろう。総評、FT5は良いぞ。

……と、このまま手放しに買って損なしと言いたいところだがこの価格帯にはライバルとなる開放型の平面磁界が横並びに多数存在する。ほぼ同額のラインナップですら
moon dropのVENUS、HIFIMAN ANANDA、Thie audio Wraithなどなど。そして、どれも評価の高い平面磁界ヘッドホンである。
選ぶ楽しさがあると考えるか、悩ましく思いどれにしようかと頭を抱えるかは人それぞれ。素直に自分の中で幸福になれる要素が最も強そうな物を選ぶのが最良だろう。人によってはそれがデザインだったり音質だったり、推しメーカーだったり。要素は様々だ。その上で……FT5はとても良いぞ。

〜余談〜
筆者の聴く楽曲は特に定まっていない、オールジャンル傾向の雑食。その中で洋楽のPOPSだったり洋/邦HIPHOP、レゲエを柱としてプレイリストを組みがちである。たまにつまむバラード系のゆったりとしたボーカルソングから速度感のあるバンド系、そしてHIPHOPやレゲエ、どのジャンルでもFT5は不足感なく聴く事が出来た。器用貧乏という言葉があるが、FT5は間違いなく器用貧乏などではなくこの価格帯にいる平面磁界の中でのオールラウンダー。筆者のような雑食気味に音楽を聴く趣向の方へは特におすすめだ。もちろん、そうじゃない方にもきっとマッチする要素がこのヘッドホンにはある。

FT5、オススメだ──。


〜このnoteに関して〜
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※ このレビュー記事は筆者が思った事、感じた事をそのまま書き起こしてる為、表現、言い回し等で不快を与えてしまう場合がございます。そのような意図は一切ありませんので我慢してください。勘違いです。
※ 最早レビューではない箇所が随所に散りばめられてますが、枯れ木は山の賑わいになりますし星は暗闇の中で輝きますのでそういう事だと思ってください。


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