休憩を制した朝のタクシー貴公子が歌舞伎町を駆け抜ける。
11月1日の乗務について振り返り記事。
この日は4連勤目。タクシードライバーならわかるはずだが、隔日勤務4連続というのはなかなかにハードである。普通は、2連勤か3連勤で休日が入るからだ。2連勤＆1公休か、3連勤＆1公休+3連勤2公休のセットが標準になっているはずだ。
休みなしで6連勤というのは限界に挑戦とまではいかないが、決して楽ではないチャレンジである。なんでそんなことになったのかというと、ブタクサ花粉で休んだ一日を取り返すためだ。
弊社はいま11乗務が基本で、2乗務分休業補償が出る。そのため、11乗務をするのがもっと効率的に給与が得られる働き方となっている。
タクドラさん以外には何を言っているのかよくわからないと思うので、気になったら聞いて頂きたい。とりあえず書くことを重視して進める。
さて、4連勤目は行く前から疲れ切っていた。3連勤の疲労が抜ききれなかったのだ。特に3連勤目が過去最高営収の込み72000円をたたき出したのと、その代償として休憩時間が1.5時間しか取れなかったため、通常よりも疲労度が高かったのだ。
この仕事を続けて行くためには、疲労のマネージメント能力が求められる。出番と明番から構成される隔日勤務においては、出番は20時間の乗務をし、明番は同じ時間だけしっかり休むことが求められる。仕事として休むのである。
1.5時間の休憩では、39歳の肉体は回復しきらなかった。いや、1.5時間といっても、最初の30分は壊れたメガネを直していたので（会社で壊れたので、テープで止めて眼鏡屋に急いだ）実質は1時間休憩であった。ということは50分程度の睡眠時間となる。
この場合、明番を丸々回復に使っても回復が間に合わなかったというデータが取れた。3連勤ということを差し引く必要はあるかもしれないが、休憩1時間の場合、明番の可処分時間が0になると考えていいかもしれない。
そして、疲労困憊で迎えた4連勤目の今日。目標は「営収6万！」ではなかった。
出庫時よりも回復した状態で帰庫すること！
そんなことが可能なのだろうか。
15〜20時。
珍しく江東区で無線が2回鳴って短距離ながらも早い時間に売上が少し作れる。17時くらいまでは売上が作りづらく、慣れない頃はゼロということも多かった。流石に今は駆け引きが身についたのと、堅実に付け待ちが出来るのでゼロということはない。
ブロック分けして営収を考えるということを、Twitterランドの井花さんと同時多発的に思いついていたので、ぼくもデータを再整理しようと思う。
神田や上野あたり回数を稼ぎ、新宿へとエリアを移す。そして20時に休憩。新宿中央公園横。食事は摂らない。
目覚まし時計を2時間後に設定して、Airpods proのノイズキャンセリングを発動させリラックスミュージックを流す。目を温めるめぐりズムも装着。実はめぐりズムの10倍くらい効果のあるアイテムがあるのだが、乗務に持ち込むのはどうなのかと少し悩むところである。
AirPods Proのノイズキャンセリング機能は、音楽を流していれば、昭和通りや靖国通りの騒音をゼロに出来るレベルなので、車中の睡眠には最適である。というよりも、最近はこれをつけないと眠れないレベルの愛用品になっている。
なくしたら即日に新しいものを購入することになるだろう。
というわけで20時の時点で税込みで13回13200円であった。これは良くもなくも悪くもない水準であった。少し単価は低めではあるが。ぼくの平均単価は2000円程度である。ただ、このデータも時間帯で分けて考えないといけないな。やはりブロック分けは必要だ。
2時間爆睡。
22ー5時
目覚めるも疲労が残っているのを感じる。ガムを噛んで眠気覚ましをしようとすると、唇をガリガリ噛んでしまう。これは明らかに疲労の兆候である。身体が疲労を示すサインはいくつもある。疲労を感じたときに大切なのは、疲労を押して頑張ることではなく、頑張らないことである。
疲労していると言うことは、認知機能も低下しているし、運動能力も下がっているはずだ。その状態で無理をするべきではない。
とはいえ、ゆるゆると営業するくらいは問題なくできそうだったので、新宿歌舞伎町へ。クリスマス仕様にライトアップされていて綺麗であった。そして銀座へと移動する途中で四谷荒木町に立ち寄り、新宿駅まで連れ戻される。
23時過ぎに築地川駐車場に辿り着く。ショットガンガチャの結果は、豊洲まで2260円。もう一度行こうと思ったのだが、満車で入れなかった。
そのあと、新橋を流してみたら、手が上がって西葛西まで。ここで心が揺れる。家に戻れる。家に戻ったら休める！！
自宅での睡眠は、車中での睡眠よりも2倍以上の効果があるように感じている。あくまでも車中は仮眠なのである。
一応西葛西のフィリピンパブやスナックの前も流してみたが、お客さんがいるわけもなく、そのまま撤退。1時25分から休憩。
青タンで稼ぎ時というのはもちろんのことではあるが、今日の目的は営業成績を最大化することよりも「出庫時よりも回復した状態で帰庫すること！」なのである。
とはいえ自宅までわざわざ戻るのは時間と距離の大きなロスとなる。だが、お客さんに運んでもらえたなら渡りに船である。
青タン時間は、営業回数5回で9360円であった。この時点までで22000円の営収なので、ここで寝るのは勇気が必要だったのだが、自分の目的を胸に刻んで勇気を出して寝るべきだ。
自宅でのんびりお風呂に入り、梅干しを一つつまんで、2時間ほど睡眠。目覚まし時計よりも早く目覚める。概ね3時間半の睡眠時間が取れたこともあり、体力はかなり回復している。
というわけで朝営業へ。
5ー10時
この時点で22000円しかないのだが、流石にこの営収では出てきた意味が薄い。やはり込み4万くらいまでは最低でも到達したい。ということは5時間で20000円近く営業する必要がある。
時給4000円なので上級クラスの立ち回りが求められる。
ぼくの読みでは、夜の需要はいまいちで、朝のほうが良かったのだが、どうやら外れていたらしい。朝の需要はカスカスで、ベテランでも乗せるのに苦労する状況であったようだ。
しかし、俺は歌舞伎町の貴公子。朝の営業は得意なのである。
歌舞伎→中野富士見町 1620円
弥生町→歌舞伎 1380円
歌舞伎→品川 3860円
品川→港南口 500円
品川から新宿に戻る時に六本木に立ち寄りちょっと粘る、
六本木→トリトン 2420円
麹町→逓信病院 880円
そして歌舞伎町に戻る！
歌舞伎→中野 1620円
歌舞伎→大久保 420円
歌舞伎→北新宿 660円
歌舞伎→抜け弁天 660円
歌舞伎→抜け弁天 580円
歌舞伎→西新宿 740円
代々木→西新宿 660円
西新宿→新宿二丁目 820円
最後の低単価ラッシュがなかなか凄まじかったのだが、回数は稼げた。
5時間で14回。16820円！平均単価は1200円と低めだったものの、これが歌舞伎町クオリティ。
目標には届かなかったが、一発が出ていれば20000円に届いてもおかしくないような営業が出来た。朝の歌舞伎町は供給過多であったのだが、あの狭いエリアでの戦い方はだいぶ身についてきた。
ぼくは自粛が一番激しかった時代の歌舞伎町で育ったタクシードライバーだ。この町は庭みたいなもんだ。椎名林檎よりもはるかにこの町に詳しい自信がある。
ホストクラブでン百万円使ったお姉ちゃんが、闇○○ッ○の話題を振ってきた時、ああ、あそこのやつですねと笑顔で答えられる。そう、ぼくは歌舞伎町の貴公子。
どんな酔っ払いでも笑顔で迎え入れ、ため口で馬鹿にされても、お札を投げられても、これも仕事とさっさとこなす。
ぼくが歌舞伎町でお客さんを乗せる度、歌舞伎町はまた少し落ち着きを取り戻していく。
どうでもいいけど、ゴールデン街の知り合いのお姉さんが乗ってくれそうで乗ってくれなかった。まさかジャパンを選んだのか？！まさかな……。
というわけで、営収は込みで39400円。4万に届かなかったものの、自分の想定通りの戦いが出来た。そして、目標であった「出庫時よりも回復した状態で帰庫すること！」を達成！！
乗務が終わっても元気！帰宅後仮眠はしたけど、その後もすぐに動けているし、この記事も書けている。ということは頭も回っている。
さて、朝方の5時間で15000〜20000円が取れるとしよう。
青タン前までの5時間（2時間は休憩を想定）が今の所15000円くらい。青タンが20000円くらいで込み5万というのがぼくの今の実力である。
やはり青タンを1万円積むのが堅実かなと思っている。特に1〜4時の時間帯にどこで営業するか。この時間帯の勝ちパターンを確率させれば、込み6をコンスタントに出せるドライバーになれると思う。
こうなれば、うちの営業所でもトップ5〜10くらいには入るはず。弊社は黒クラウンが基本で、無線も1〜2回しか鳴らない。そして長距離はほぼない。ジャパンがないというのいはなかなか衝撃的なのだが、その理由を聞くとそれもまたなかなかである。
こういう状況なので上位陣でも抜き6万を超える人は少ない。営業所が都心から遠いのもあるのかもしれない。なので、まずはここで上位陣に入ることが大切だ。1位かどうかには特に意味がないのでこだわる必要がない。
大学院を1位で出ることにはこだわった。何故なら奨学金が返還免除になったからだ。そして、それは達成した。メリットがあるなら挑戦する価値はある。しかし、単なるマウント合戦であるならば何も価値がない。
それよりは、疲労を減らして、可処分時間を増やすほうが幸福度が高まることだろう。
というわけで、4連勤が終わり、あと2連勤。
水曜日も、金曜日も、ぼくは朝の歌舞伎町を駆け抜けることだろう。
あ、金曜日はルヴァン決勝があるから早上がりするんだった！金曜日は貴公子おやすみ！
関係ないけど、自分用の水切りワイパーを購入した。洗車サービスにお金を使うのが心底もったいないので、意地でも自分で洗車をするのだ。そのための投資はある程度したい。
少し高いのだが、ばしゃばしゃっと気持ちよく水が切れる。拭き取る手間も減るので、体感だが5〜10分は削れている気がする。ということは12乗務で1〜2時間。1年間で12〜24時間。
10年やったら5〜10日分の時間を節約できる。その分体力も節約できるし、他の人が使っているのを待つ必要もない、探す必要もない。よいこと尽くしだ。
文章や音声コンテンツが面白いと思った方は、是非サポートをお願いします！コンテンツづくりのための経費や投資に使わせて頂きます。用途については不定期でnoteに公開します。