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育児パパのサッカー観戦に変化が訪れようとしている!!


昨日、悲惨な事案があって、更新が出来なかった(一応記事は出したので毎日更新は途切れていないが!!)。

反省をこめてこの記事は無料公開とさせて頂く。

さて……。

我が家には2人の子供がいる。長男は8歳、長女は4歳である。

長男が生まれたのは2013年のこと。


2013年といえば――。


2ステージ制の開幕が宣告されサポーターが猛反発をしていた頃。

FC東京ではポポビッチ将軍によるパス回しサッカーが展開され、長谷川アーリアジャスール。

先代ディエゴオリヴェイラのルーカス。

工藤壮人のヘディングによって柏レイソルがナビスコカップを掴み取った。

鹿島アントラーズ。大差で勝てば優勝の可能性もある試合にもかかわらず、退場してしまった大迫勇也もうつむいていた。その試合で岩政選手が引退した。

同じ頃、中村俊輔はあと一歩で優勝に届かずピッチに崩れ落ちた。

中村俊輔の姿を目に焼き付けたまま、横浜F・マリノスサポーターは旧国立競技場に押し寄せた。そして、天皇杯を掲げる中村俊輔を見て涙した。

塩試合職人が率いるサンフレッチェ広島はタレントが豊富で、ジャガー浅野、野津田の神速若手コンビに、佐藤寿人、ミキッチ、高萩、青山、千葉、水本などが揃っていた。まだ柏はいなかった。

アレアレ、広島アレ、オー広島俺たちと共に。

世界の果てまで俺たちは共に勝利を目指せオー横浜。

さあ行こうぜどこまでも、走り出せ走り出せのメロディを何度も反芻しながら、ぼくは『サポーターをめぐる冒険』を書いていた。

輝け俺たちの誇り、広島広島。

あの本は、赤羽の小さな出版社「ころから」のパブリッシャー木瀬さんによるブレないディレクションと、Jリーグサポーターの情熱によって書くことが出来た。当時のぼくの実力では到底書けない内容であった。

濃厚なサッカーの思い出。目をつぶればJリーグ。スタジアムの音が聞こえる。華やかな色あい、緑のピッチ、かすかに聞こえる笛の音、サポーターの大ブーイング。荒れるTwitter。日替わりで炎上するツイッタラー。まだでろりんブログがあったころ。ロック総統はまだ拗ねておらず、南葛SCはまだ一年目でロベルト本郷のコスプレをしたおじさんがグランドに押し寄せた(2014年だったかもしれぬ)。

当時はまだジェフ千葉がJ2からの昇格候補であったのだが、プレーオフで徳島に敗れた。思えばあのへんが分水嶺であったのかもしれない。結果、tkq氏といぬゆな氏はいまだにこじらせている。

絶世の人気を誇ったザッケローニジャパンはブラジルへの準備を進めていたが、その裏では確実にチームは崩壊しつつあった。

濃厚なサッカーの思い出。
脳内がガトーショコラ。
振り向けば長谷川アーリアジャスール。

それがぼくにとっての2013年。Jリーグ元年。

で、本題。

2013年、息子は0歳。

2014年は1歳。このあたりまでは、濃厚なサッカーの思い出に包まれている。子供は小さく手がかからなかった。だから、ぼくもサッカーに使う時間があった。たまにスタジアムに連れて行っても、抱っこひもの中で眠ってくれるので、何度か2人で試合を見に行ったこともある。

いつも育児をしているパパならば、ママがいなくても大丈夫なのだ。当たり前だがおむつも替えられるし、泣いてもあやせるからだ。

2015年、武藤嘉紀が東京から巣立った頃、魔の2歳児が覚醒した。あのあたりから次第にスタジアムに行けなくなった。

魔の2歳児。この破壊力の凄まじさは、体験した者しかわからない。当時僕は、時代に先駆けて在宅ワークをしていたのだ。

在宅ワーク、執筆、魔の2歳児。

そこにマツメイラスという人類の負の遺産も乗っかってくるのだが、それはまた別のお話。

当時は、在宅ワークだし、収入も少ないし、保育園には入れないし……、ということで家事育児はぼくがやることにした。主夫的な立ち位置である。

そんなことをしているうちにサッカーを観ようという気力がなくなっていった。ちょうど、FC東京のサッカーが盛り下がっていたところでもあったのもあるが。

2016年、長男3歳。

ずっと家にいたのでもう1人子供が出来た(お察し下さい)。

2017年、長男4歳、長女0歳。

2人になるとサッカーどころじゃないし、収入もまったく足りない。慌てて書店員の道を探るも、大失敗をした。渋谷のIT系スタートアップが経営する驚異の大赤字店舗であったため、出会って5秒で人間関係が崩壊していたのだ。

ただ、全員社長のことが大嫌いだったので、そこだけは団結していた。ぼくは経営者目線もわからんでもないので社長を擁護する社長派だったのだが、社長には一番評価されていなかった。人間社会は難しい。

IT系がノリで手を出すとろくなことにならないので、思い当たる節があるJサポは気をつけたほうがよい。

2018年、長男5歳、長女1歳。
恐怖のW保育園時代。月に15万円以上もなくなる。

2019年、長男6歳、長女2歳。
娘、魔の2歳に突入。長男の時よりマシかな?

2020年、長男7歳、長女3歳。
タクシー運転手を始める。娘、魔の2歳というよりも魔の3歳だった。

2021年、長男8歳、長女4歳。
長男は小学校2年生から3年生にあがる。長女は年中さんへ。まだイヤイヤ言っている。うちは早生まれなのだが、2021年度で考えると、長男は9歳、長女は5歳の年度である。

このくらいまで子供が育ってきても、相変わらずサッカーの優先度が上げられない。もちろん「仕事」だと割り切ってサッカーに突っ込むことも出来るのだが、ぼくはサッカーを仕事にはしたくないのだ。

サッカーはあくまでも仕事とは別の趣味の領域として付き合いたい。もちろん、書き物をすることはあって、その報酬を頂くことはある。ただし、それは趣味がお金になってラッキーという位置づけにしておきたい。

そういう姿勢なので、これまでうまく行かなかったのだが……。


2021年、ルヴァンカップ決勝。

ぼくの応援するFC東京は、新国立競技場で、柏レイソルと戦おうとしていた。FC東京にとっては苦難の1年であった。どんなスケジュールで試合をしていたのかというと、毎週3試合くらいしていた……、というのは大げさなのだが、冗談抜きでそのくらい過密なスケジュールであった。

ぼくもタクシードライバー1年目で、タクシーに乗りながらOWL magazineに3記事以上を出していたので、なかなかしんどい1年であった。サッカー濃度は低めである。日本代表もどこで何をしているのかわからない。

本田圭佑選手がKSK Hondaコインという仮想通貨を作ったのは知っている。

あ、仮想通貨は買わない方が良さそう。リスクが高すぎだし、税金でごっそり持って行かれるから(半分くらいはなくなるらしい)。余程計画的にやらないと難しい。200万円突っ込んで、それが300万円になったとしても、利益は50万……。そこから高い手数料を引いて考えないといけない。200万円から減る可能性もあるし、ガチホールドするにしても、資産がしばらく塩漬けになるリスクもある。

もし買うなら、どっかで暴落するので、その時にたっぷり買って10年ホールドだけど、10年間塩漬けにしていいお金があるなら他に投資したほうが良いというのがリテラシーの高い人の見解のようだ。現場からは以上です。

そんなかんな、コロナコロナの1年を終えて、ルヴァンカップ決勝に趣いた。

柏レイソルは恐らくコンディションが上げきれなかったのだろう。らしからぬ緩い守備でFC東京がペースを握り、最終的にはアダイウトン。

アダイウトン、めっちゃ好きやねん、めっちゃ好きやねん。

悔しいけどあかん。

あんたやないとあかん!

アダイウトン、めっちゃ好きやねん!!

「アダイウトンよ青赤に染まれ」
作詞・作曲・歌 中村慎太郎


というわけで初めての優勝を体験したわけだけど、正直もう忘れた。その時はもの凄く嬉しかったし、優勝まで駆け上がっていくのを応援するのも楽しかったのだが、優勝したあとは「普通」である。

優勝しようがしなかろうが、次のシーズンは始まるのだ。思い出話のネタが1つ出来たくらいの印象しかなかったからリーグ優勝をしたとしても、すぐに同じ印象になるんじゃないかという気がする。

もしも優勝した喜びがずっと持続するものならば、鹿島サポーターは笑い死にして全滅しているだろうし、2014年にガンバ大阪サポーターも絶滅、川崎も人口が激減していることだろう。

もちろん優勝したいし、優勝したら嬉しいんだけど、ぼくが本当に欲しいものは別のところにあったらしい。


ルヴァンカップ後、新宿ゴールデン街に立ち寄ることもなくすぐに帰宅した。長男の誕生パーティーがあったからだ。

足早に家に戻ると、玄関で迎えてくれたのは長女であった。


長女は、両目に涙を溜めていた。



「パパ……、なんで1人でサッカーに行っちゃったの……?なぎさちゃんも行きたかった……。」



抱き合う親子。感動の瞬間。


「ごめんね。今度は一緒に行こうね。」


そう約束すると娘に笑顔が戻った。ゲーマーの長男は、サッカーなんか観に行かないという姿勢を貫いていたのだが、「ぼくも行こうかなぁ」という風に揺れていた。

「試合の途中でつまんないとか、どっかいきたいとか言わない?グラウンドにおもちゃ投げ捨てようとしないでくれる?」

そう聞くと苦笑いしながら頷いた。


試合のハイライトを見ていると、辛口の妻もやってきた。

「あ、おでんくん!」

なんだか知らないけど森重真人が好きなのである。娘に、あの選手はおでんが好きだという虚偽情報を教えている。そういえば娘はおでんを認識していないかもしれない。どうでもいいが、おでんくんを作ったのはリリーフランキーだということを最近知った。


2021年、長男8歳、長女4歳。

緊急事態宣言の終わりを告げる鐘が聞こえると同時に……。

中村家よ、青赤に染まれ!!



お読み頂きありがとうございました!!

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