艱難、汝を玉にす(かんなん、なんじをたまにす)②


「艱難汝を玉にす」の意味

”苦労を乗り越え立派な人になること”

「艱難汝を玉にす」の意味は
“困難や苦労を乗り越えることで
人は立派に成長すること”

「艱難」という難しそうな言葉の意味は
”困難に出会って苦しみ悩むこと”

また「艱難汝を玉にす」の”玉”には
「美しいもの」や「大切なもの」という
意味があり
「玉にす」で
”美しくする”や”立派にする”という
意味になります

つまり「艱難汝を玉にす」は
苦しみや悩みが人を立派にするという
意味になるのです

よくある間違いとして
「艱難」を平易な表現にして
「困難」にした例を見かけることがあります

しかし正しくは「艱難」ですので
難しい表現ですが
ことわざとして一括りに覚えてしまいましょう

「艱難汝を玉にす」の読み方

”かんなんなんじをたまにす”

「玉」という字を
”ぎょく”と読み違えることもありますが
正しくは「たま」と読みます

由来


「逆境は人を賢くする」

「艱難汝を玉にす」
ということわざは
”逆境は人を賢くする”という
西洋のことわざの意訳だと言われています

日本で使われる多くのことわざは
中国の古典を出典としているものが多いなか
西洋のことわざから生まれました

励ましの言葉として使われる

「艱難汝を玉にす」

苦労をしている人や
病気の人への励ましの言葉として
よく使われます

苦労や病で今は大変でも
それを耐えれば
自分にとって糧になるといった
意味を伝えたい時に
このことわざを使います

「艱難汝を玉にす」を
使った人を励ます例文

「確かに今は大変苦労をしているけれど
艱難汝を玉にすとも言うし
もう少し頑張ってみたらどうだろう」

「今の大変な状態を克服したあかつきには
きっと大きく成長しているはずだ
艱難汝を玉にすとことわざもある」

聖書に使われる
「艱難汝を玉にす」

聖書のなかのローマ書5章には
「艱難をも喜んでいる」という表現があります

その意味は
艱難を耐えることで忍耐を生むため
苦しいことは良いことだとと
捉えれるべきだと説いているのです

聖書のこの表現はまさに
「艱難汝を玉にす」と
同じ意味のことを伝えています

「玉琢かざれば器を成さず」

たま、みがかざれば、うつわを、なさず

「生まれながらに
持っている才能も
学問に励み
修養を積まなければ
立派な人間にはなれない」
という意味

「玉磨かざれば光なし」

たま、みがかざれば、ひかりなし

「生まれながらに持っていた才能や資質も磨かれなければ立派にはなれない
だから学問に励み
修養を積んで努力することで
資質や才能を活かすことができる」
という意味

「苦労屈託実の薬」

くろうくったく、みのくすり

「苦労屈託実の薬」とは
「苦労は自分の成長に役立つ薬」
という意味

「若い時の苦労は勝手でもせよ」


「若い時の苦労は将来役に立つものだから
勝手でもしたほうがいい」
という意味

同時に
「楽ばかりしていては
将来自分のためにはならない」
という意味も

似た意味の四字熟語


「座薪懸胆 」(ざしんけんたん)


「物事の成功のために
大変努力することのたとえ」

成功を目指して努力する
「座薪懸胆」

苦しみの結果
実が結ばれるという意味の
「艱難汝を玉にす」とは
良い結果へのアプローチの
方向性が違いますが
苦しい思いの後には
よい結果がくるという意味では
似た意味の四字熟語だと言えるでしょう

「汗馬之労」 (かんばのろう)


「物事の成功のために
奔走して努力することのたとえ」

「刻苦精励」(こっくせいれい)


「何かを成し遂げるために
努めて努力すること」

人並み以上の努力をした場合に
使われるたとえ
まさにその努力は
苦しみさえも伴うほどで
熱心に勉強する姿などを
たとえるときに使われます




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