泣く子はいねぇが👹鑑賞記録

北九州発シンガーソングライター波多野菜央です!映画「泣く子はいねぇが」鑑賞致しました!

超長文&若干のネタバレありです🙇‍♀️

仲野太賀さん主演に加えて
劇伴と主題歌担当が折坂悠太さんという私にとって最高の組み合わせで、発表時から公開を本当に楽しみにしていました😭

北九州は一足遅くでしたが上映してくれて
やっと観に行けました🥲有難や

舞台は秋田 男鹿。
伝統的な文化「なまはげ」の面を被る主人公のタスクにまつわるストーリー👹

観終わって私に残ったキーワードは「面」

人は誰しも「面」を付けて過ごしている
母親 父親 子供 上司 部下 生徒 先生 友達 恋人…
1人で数え切れない程の面を変えながら生きている。
しかし、どんなに厚くて頑丈なお面でもその奥の目の迷いや弱さ感情を隠すことはできない。心の底から、面の表面になることはできない。最初のシーンで立派なお面を付けても、なまはげになりきれないタスクを見てそう感じた。

じゃあ素顔の私は何を考えて何を軸にしてる?アーティストの波多野菜央、それは面を被っているのか?歌詞はどうだ?答えはまだ出ない

ただ、これは当たり前の話で
そんな面を付けているからこそ上手くいくこと、会える人、大切にできる人がいることも確かだと思う。


そして、大小や程度はあれど、人は誰しも情けない部分がある
この「情けなさ」も本作に欠かせない要素だ
自分では情けないと思う部分が、人からすると愛おしかったりする。
弱点にも魅力にもなる、とても曖昧な感覚。
それを踏まえて私の情けない部分はどこなのか、それとどう向き合うのか。なんてことを考えながら観ていた。

個人的に、あらすじをみてから大好きな仲野太賀さんを嫌いになる覚悟で観に行った。(役だけど)
確かに主人公タスクは不甲斐無く頼りないし、友達を置いて逃げ、周りに流されて奥さんとの約束を守れない人間だが、世の中にはもっと最低で酷い人間が沢山いると思う。
でもタスクは軽く女の子と寝たりしない、お酒の面でも自分を律して、変わろうとした。
まだ救いようがあると思った。
だからこそ、ラストのシーンは物凄く苦しくて。どうにか少しの可能性を信じたかったけど、明らかに敵わない相手、自分が身を引けば皆んなが幸せになる状況。面越しにしか会えない実の娘。面越しにしか許されない叫び。実情をつゆ知らず微笑む周り。
あの苦しさがわかるのはタスクと奥さんだけ。
吉岡里帆さんが演じる奥さんの気持ちも痛いほどわかったから、尚更。
掴みかけた幸せを離してはいけない女の気持ちや母親として大事なものを守るという覚悟は何よりも強く大きいものであることを感じさせる無言の涙の演技は心に突き刺さった。


号泣というよりかはグーーっと内側から込み上げる涙で
どこかで感じたなと思ったら
折坂悠太さんのライブを見た時と同じ感覚だった
あの音響で折坂さんの春を聴けて幸せだったし、視聴者からみてもあの劇伴と主題歌が入ることで全ての点が結ばれたんだなと感じました。初めから決まっていたかのようにマッチしていました。
【確かじゃないけど春かもしれない】
あの後タスクはどうなったのか。
忘れはしなくても、進むことはできたのか
自分なりのけじめをつけることはできたのか

エンドロール後、皆さんがそれぞれゆっくり席を立っていたのが印象的でした
きっと、1人ずつに感じ方の違う作品だと思います。

もう一回見たい、苦しいけど



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