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春の雨の涙

夕方の春驟雨(はるしゅうう)にツツジはみな濡れそぼる。

春驟雨(はるしゅうう)は雷を伴う夕立のような激しい春の豪雨のことです。

30分もすると激しい雨は収まり、空はそのまま暗くなって夜を迎えました。

雨に濡れている花の姿は、とても色っぽく見えるのですが、泣いているようにも見えます。

ここ数年、ネガティブ思考脱却のために、ずいぶん考え方を変えて来たのですが、ときどき私の心の中にも春驟雨が降ってしまうことがあります。

ところが春驟雨の涙の後、妙に空気が澄んで、少しスッキリした気分になることにも気付いてしまったんです。

気分がスッキリすると、なぜか別のことが浮かんでくるから不思議ですよね。
諦めの時もあるし、打開策が見えることもあるし、別のアプローチが思い浮かぶこともあったりして、結構良いことの方が多いのかもしれないと思えて来たのです。

いやいや、泣かずに済むなら、それが一番いいのですけど。

日本の雨の表現は、とても美しく多くの言葉があります。
春驟雨のように激しい雨ではありませんが、この時期に降る雨で、もうひとつ好きな表現があります。

それは催花雨(さいかう)です。

春に雨が降り、花が次々に咲くのを促すための恵みの雨を催花雨と表現するそうです。
泣いた後スッキリして、何か別の方向が見えるのは、きっと次の花を咲かせるための雨、催花雨なのかもしれませんね。

雨上がり、空が明るくなって虹が見えるのは雨が降った後だからこその景色です。

傘をさしたり、荷物を濡れないようにしたり、面倒なことも多いけど、虹が雨上がりじゃないと見えないように、涙の後にしか見えない特別な景色もあるかもしれませんね。

雨も涙も悪く無いかも。

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