なぜ人は旅に出るのでしょう?
これまで、そう多くはないけれど旅をしてきました。
沢木耕太郎の”深夜特急”に憧れました。
学生時代、友だちとオーストラリアの一本道をバイクでぶっ飛ばしたいっていう話で盛り上がれました。
なぜ、旅に出たいのか?
その時の、それなりの理由がありますが、とにかく行きたいんですよね。
新しい世界を見れるわくわく感。非日常スポットへの誘惑。自分と向き合える時間・・・。
やっぱり一人旅の方が、気を使わなくいいですね。
あこがれ
楽しみ
出会い
異世界
新世界
惜別
冒険
いろいろな意味があると思いますが、私のこれまでの旅をまとめてみたいと思います。
少しの時間、お付き合いいただけたら、ちょっとだけ異世界へ行けるかもしれませんよ!
20歳、北海道へ!
なんでしょう?
なぜだか若いとき、無茶をしたがりますよね?
私はそうでした。
あの山の向こうはどうなっているんだろう。見て見たい!
地平線までつづく道路を、ただバイクで飛ばしてみたい!
とにかく行けるところまで、行ってみたい!
20歳の自分は特にそうでした。
北海道へ行く。日本の一番上(北)に行ってみたいから!
ただ、そんな理由で、夏休みを使って北海道へ旅に出ました。
青春18きっぷを使って。
熊本から北海道です。
お金なし、時間あり!
まさに貧乏学生の無鉄砲な旅行!!
でも、何かそこに魅力を感じるわけです。
なんでそうなのか・・・わかりません!
とにかく食べる!
貧乏な割には、札幌に着いたとたん、「サッポロビール園」へ向かいジンギスカンとサッポロラガーを食しに行きました。
なんでしょうね。現地の空気がそうさせるのでしょうか?
これまで食べたことのない美味しい肉!
これまで飲んだことのない美味なビール!
旅の醍醐味です。
20歳になり、大手を振って飲める年になりました。
そんな嬉しさもあったのかもしれません。
お世話になったお返しに
とにかく田舎で育った20歳。よく言えば人を信じる柔らかい純粋な心をもっていたんですね。(自分で言うのもなんなんですが)
食にお金をかけた分、宿泊にはかけない!そんなポリシーを当時は持っていたのだと思います。
夜、暗くなっても夏の北海道!人通りはあるし、札幌駅前でゴロンと横になったのです。
「あー、ジンギスカン美味しかったな。でも普通電車に乗り疲れた。もう、今日はここで夜を明かそう」
そう、心に決めました。
その時です。30代前半の男の人から声をかけられたのです。
「こんばんは。どうしたんです?こんなところで。」
物腰の柔らかい優しい声に気づいて身を起こしました。
「熊本から出てきたんですけど、もうここで寝ようかと思ってます。」
「そう、熊本から。遠くから来たんですね。」
「そういえば、僕、九州に行ったことがあってね。そのときとってもお世話になったんです。九州の人、優しいですよね?」
「そうですよ。優しいですよ。」
「あ、そうだ。その時のお礼と言っちゃ的外れかもしれないけど、誰でもいいのでお礼をしなくっちゃと思ってたんです。それくらいお世話になったんです。丁度九州の人だし、ご飯でもご馳走しますよ。」
とても長い旅で、誰ともしゃべっていなかったこともあり、久しぶりに話せると思いました。しかも貧乏学生に奢ってくれるという。もうついていくしかないです。
「えー!いいんですか?」
「いいですよ。それぐらいお世話になったんです。」
「何食べたいですか?えっーと。お寿司とかどうですか?おいしい店知ってるんですよ。」
「行きます行きます。ありがとうございます。」
調子のいい僕は、その人についていくことにしました。どうせ、駅前で寝ようとしていたんですから。
なんとその人は、回らないお寿司屋さんに連れて行ってくれたんです。
「こんないい人がいるんだ。九州の人が本当にたくさんお世話してくれたんだ。」って内心思いながら、おいしいお寿司にかぶりつきました。
30分ほどして、もう食べ終わりかな・・・というころ、その人はこう言ってきました。
「ねえ。サッポロって夜景がきれいなの知ってる?写真によく写ってるあれだよ。その場所に連れてってあげるよ。」
「えーいいんですか?ごはんまでご馳走になったのに、ドライブも?」
「いいんだよ。どうせ、今日は時間あるし。たまたま九州の人に出会えたんだし。」
「ありがとうございます。ぜひ見て見たいです。」
そんな会話をしながら、店を出て車に乗り込みました。
車はどんどん坂道を登っていきます。
しばらくすると、車を止め、展望台のようなところに着きました。
今でいう新三大夜景の一つ。サッポロの夜景が眼下に!!
もうきれいできれいで、びっくりしました。
なんていい人なんだろう、九州の人はどんなお世話をしてくれたのかな、今日はなんてラッキーな日なんだろう・・・。
いつも頑張って生きてきた甲斐があるってもんです。
そんなことを思いながら、男2人で夜景を眺めました。
じゃあ、帰ろうかということになり車に乗り込みます。
「バタン!」
「えっと、今日泊まるとこあるの?」
「駅前で寝ようと思ってました。」
「そうなんだ、じゃあ、ウチくる?狭いけど・・・」
「えー、こんなにお世話になったのに、泊めてもらうなんて悪いですよ。」
「いいんだよ。一人暮らしだから。遠慮いらないから・・・。」
疲れていたこともあり、旅で開放的になっていたこともあり、見知らぬ人から超親切にしてもらって断るのも悪い気がするし、
「じゃぁ、すみません。お言葉に甘えます!」
そう言って、その人のアパートに、泊めてもらうことになりました。
もう、かれこれ0時を回っていたでしょうか。
つづく
最後までお読みくださりありがとうございました。
つづきは明日に。
台風が来ているようです。気を付けてくださいね!
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