過去の思い出 2006年 第44回 京都金杯(ビッグプラネット)

過去のレースの思い出、馬券自慢を勝手に語ってみる企画。
今回は2006年に行われた京都金杯を振り返る。


2006年京都金杯のレース前の状況は…

後に2006年~2007年はダイワメジャーがマイル路線を支配することになるが、この2006年初頭のマイル路線は混戦状態だった。

実際にこの2006年京都金杯の人気順は、前年春の京王杯SC2着と前年秋のキャピタルS(OP)を制しているが、重賞未勝利のオレハマッテルゼが1人気。明け4歳で前年のオークス3着でこちらも重賞未勝利のディアデラノビアが2人気。3歳時にシンザン記念勝ちの実績があったグレイトジャーニーが続く3人気となっていた状況。

その他では500万→1000万→1600万と3連勝中で勢いに乗っていたエイシンドーバーが5人気。また実績馬ではシルクフェイマスがいたものの、58キロのハンデとマイルの距離適性に疑問を持たれて7人気になっていた。

実際のレース展開と内容


レースは内枠から大して前に行く構えを見せないものの、押し出されるようにハナに立ったビッグプラネット(6人気)がレースを支配する形。ビッグプラネットはそのまま平均ペースを演出しつつも、直線の加速勝負寄りの流れに持ち込んで序盤から半ばの加速で後続勢を突き放す展開。

2番手追走のニューベリー(12人気)が序盤から半ばの加速で一旦はビッグプラネットを捉えて先頭になったものの、最後100mでビッグプラネットが差し返す形。後続勢の伸び脚もさほど良くなかったが、最後1Fで前の馬が落ち込んだところで一気に差を詰めてゴール前は4頭横並びでの大接戦となる。しかし結果は逃げたビッグプラネットが、後続の猛追をクビ差凌ぎ切っての逃げ切り勝ちだった。

勝ち馬ビッグプラネットの戦績

個人的にはビッグプラネットは南井厩舎の馬という事で追い続けていた馬。良血ロンドンブリッジ(ファンタジーS勝ち、桜花賞2着)の仔で、前年のオークス馬でもあるダイワエルシエーロの弟という事で人気するタイプではあった。それでもデビュー2戦目でアーリントンCを制して、一気にクラシック戦線への期待が高まった馬である。個人的には続く皐月賞では内枠先行有利の傾向があることを理由にして、果敢にビッグプラネットを本命馬とし勝負したがディープインパクトを前に13着と惨敗したイメージが強烈に残っている。

皐月賞後のビッグプラネットは、NHKマイルCにも参戦したがこちらも1.2秒差の7着に敗退。夏に短めの休養を挟んで9月の朝日チャレンジカップから年2005年末のCBC賞までを5戦もしたが、すべて結果を出せず。そんな中で今回の京都金杯で久々の重賞勝利。意外な事に前年末のCBC賞からは連闘(事実上は中1週になる)での挑戦での勝利となった。

ビッグプラネットの勝因

ビッグプラネットの勝因は楽に先手を取って自分のペースに持ち込めた事と、平均ペースから直線勝負寄りの流れを作っている事にある。またこの平均ペースからの後半の加速勝負を得意としている馬が少ないというメンバー構成にも恵まれた感はあった。

更に言えばこの京都金杯の2走前にマイルCSで7着ながら0.4秒差で、1.32.5の時計で走破している実績があった。

実はこのマイルCS出走時は17番人気と最低人気。ただこの馬より先着した6頭はすでにG1を制覇していた勝ち馬ハットトリックを筆頭に、ダイワメジャー、ラインクラフト、ダンスインザムード、アドマイヤマックスなど錚々たるメンバー。唯一G1を制覇していなかったのがG2のスペシャリストと言われていたバランスオブゲームであり、結果的に当時1人気だったデュランダルにすら先着していた。

それに比べれば京都金杯のメンバー構成は余りにも手薄だったと思えるし、更に3走前のスワンSでも0.2秒差の5着があって、京都コースそのものが合っていた馬なのだろう。

勝ち馬ビッグプラネットのその後

京都金杯で復活を見せたビッグプラネットだが、この後2月に小倉大賞典に参戦も8着大敗。さらに2月下旬には阪急杯にも挑んだがこちらも12着と大敗しており、流石にこの後に休養に入る事となった。ただ復帰戦は約1年半後になる毎日王冠で、ここでも3.7秒差の14着惨敗後に現役を引退している。

この後のビッグプラネット動向は不明…。乗馬になったとも、東京競馬場で誘導馬になったとも伝え聞くが定かではない。アーリントンCを含めて重賞2勝の実績がありながらも、その後の動向が分からないというのは寂しい限りである。

他の出走馬のその後

直線で勝ち馬ビッグプラネットに差し返されるもゴール前で粘り込んで2着を死守したのは12人気のニューベリー。この後に1400~1600mの重賞戦線では安定して掲示板付近を走る馬になるも、翌年の京都金杯を最後に地方へ移籍している

このレースで4着に入線したものの、直線で斜行して2頭の進路を妨害したとしてに12着へと降着となったのが5人気のエイシンドーバー。2007年に阪急杯で重賞初制覇を成し遂げると、京王杯SCも制して続く安田記念では穴人気するまでの馬になる。2008年も重賞戦線で安定した走りを見せて、マイル戦線で長く活躍を見せる馬となった。

このレースで1人気を背負いながら、直線は伸びきれずで9着に敗退したのはオレハマッテルゼ。このレース後に東京新聞杯(2着)、阪急杯(3着)と結果を残した後に1200mの高松宮記念でG1制覇。2008年に種牡馬入りして初年度産駒にハナズゴール(チューリップ賞・京都牝馬S・オールエイジドS(仏G1))を輩出したが、2013年に死亡している。

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