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#テレビドラマ感想文

今ハマっている、過去に大好きだった、再放送で見て当時を思い出した、など、印象に残っているテレビドラマについて、noteに投稿してみませんか?

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虎に翼 第40話

前回のラストで寅子(伊藤沙莉)を訪ねてきた人物。 この重苦しい週の金曜日に、寅子になんらかの救いをもたらしてくれるのか!?と思ったら、法科女子部の後輩・小泉さん(福室莉音)が女子部の閉鎖と、高等試験中止の報を伝えにきてくれた。 ……救いじゃなかった……むしろ、寅子が切り拓いてきた女性法曹の道が閉ざされたという、更に打ちのめされる展開。寅子が出産育児で立ち止まっても、誰かが後に続いてくれるという願いは潰えた。 高等試験が再開されたら、必ず挑戦するという小泉さんの力強い言葉だけ

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虎に翼 第30話

直言(岡部たかし)がせっせと作る愛娘スクラップ、その冊子の隣に置かれた新聞記事の大見出しは「我軍 武漢陥落後も進撃の巨歩緩めず」。 ……歴史的に見れば、日中戦争はこの武漢攻略戦で終結の糸口を見失った。「進撃の巨歩を緩め」なかったのではない、退くに退けない泥沼に突き進んだのだ。 ************ 世相は暗い方向へ突き進んでいるが、高等試験に合格した、初の女性弁護士の一人となった寅子(伊藤沙莉)の周りはお祝い一色である。 ずっと前から応援してくれていた人も「よく堂々と

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虎に翼 第25話

最初から最後まで、清き水がさらさらと流れるような第25話だった。 「主文。被告人らはいずれも無罪」 「検察側が提示する証拠は自白を含め、どれも信憑性に乏しく(略)本件において検察側が主張するままに事件の背景を組み立てんとしたことは、あたかも水中に月影を掬い上げようとするかの如し」 「即ち、検察側の主張は証拠不十分によるものではなく、犯罪の事実そのものが存在しないと認めるものである」 美しい、そしてきっぱりとした判決文である。 水中に月影を掬い上げようとする……書画などで目

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虎に翼 第28話・29話

私たちは知っている。身の安全のために朝鮮に帰国しても、太平洋戦争のすぐ後に朝鮮戦争が始まり、朝鮮半島を動乱が襲うことを。 私たちは知っている。その身と志を犠牲にして男爵家を守っても、昭和22年に華族・貴族制度は廃止されてしまうことを。 努力家で賢く、友達思いのチェ・ヒャンスク(ハ・ヨンス)の無事を心から祈る。 誇り高く聡明で、心優しい涼子(桜井ユキ)の夫・有馬氏が、せめて人柄温かな男性であることを祈る。 そうでなければ、あまりにも救われないではないか。 そして梅子(平岩紙

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虎に翼 第34話・35話

寅子(伊藤沙莉)の背負ったものの重さ、夢、将来のために彼女にプロポーズせず、佐賀で奈津子(古畑奈和)と婚約したのだと告白する花岡(岩田剛典)。彼を呼び出して問い詰めるのが、轟(戸塚純貴)と、よね(土居志央梨)であるのがよい。 轟「それで猪爪に何も言わずに婚約を!?きちんと話もせずにか!」 そうだ、そうだ。どういった答えを寅子が出すにせよ、きちんと話すべきだったんだよ。 よね「責任を負う勇気がないだけだろう」「お前などあいつと到底釣りあわない」 よ、よねーーーーっ!!そこま

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虎に翼 第39話

えっ、辞表!?産休・育休じゃないの…?と思った瞬間、今更ながら気がついた。 登場人物の誰もが、何もかも初めて経験することだったのだ。 仕事を抱えた身で妊娠することも、そんな女性を雇うことも、そうした女性から相談を受けることも。女性が働きながら出産育児するための社会システムは整っておらず、子どもは母親が自分の手で育てるものだという考えが大勢を占める世の中。保育園すらない。 「弁護士の資格は持っているのだから、仕事への復帰は(子育て後の)いつだってできるんじゃないのかね」

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虎に翼 第15話

私には傘や荷物を持たせるお付はいない、おにぎりを施す余裕はない、留学させてくれる家族もいない、休み時間に水泳したり歌歌ったりなんてできない……と法科女子部の仲間たちに言っていた、よね(土居志央梨)は実は、皆の苦しみをわかり、認めていた。 「この人は家事や育児をしながら学んでいる、この人は国を離れて言葉の壁もある、この人は常に周囲に行動を見張られて自由もなく、いろんなものに縛られて生きてる。そいつは誰よりも熱心に授業を聞いているのに、月のものが重くて授業を休まないといけない」

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虎に翼 第38話

山本五十六の国葬を報じるラジオ番組が流れている、昭和18年6月5日。 直道(上川周作)に赤紙が来た。花江(森田望智)が台所で涙したことは一切なかったかのように、出征のお祝い膳はイワシの蒲焼、紅白なます、田楽、つみれ汁(こちらも人参と白葱?大根?で紅白か)にビールとお酒。 一人分の量、内容ともに慎ましやかに見えるが、直言(岡部たかし)と直道の「こんなご馳走は久しぶりだな」「お母さん、無理したんじゃないの」という台詞で、これが豪勢なものになってしまった、国民の食生活が窺える。

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虎に翼 第37話

寅子(伊藤沙莉)と優三さん(仲野太賀)の夫婦が並んで座り、ちいさなピクニック。自分のハンカチを広げて、そこに寅子を座らせる優三さん。 ああ、この紳士としての仕草。昭和の白黒映画や「サザエさん」の原作漫画などで見た……! 「すべてが正しい人間はいないから」「この世にみんな、いい面と悪い面があって。守りたいものがそれぞれ違うというか。だから法律があると思うんだよね」 家族みんなの分には足りない鳥肉を、ふたりでこっそり食べる。正しい行いではないだろう。でも、今の寅子には必要な行

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虎に翼 第31話

弁護士編スタート。と、同時に優三(仲野太賀)が猪爪家を出てゆく。 ……あれ。なんでしょう。この喪失感は。猪爪家の家族同然、優しくて頼もしい優三が寅子(伊藤沙莉)たちの傍からいなくなるということが、視聴者としてとても寂しい。 ************ 花岡(岩田剛典)と寅子の会話。 「(花岡さんが裁判官になったら)盛大にお祝いしましょう」 「期待しちゃっていいんだね」 「ええ、もちろん!期待してて」 ……これは……お互い、齟齬に気づいていないところが厳しい感じがする会話

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虎に翼 第41話

3月の東京大空襲。よね(土居志央梨)とマスター(平山祐介)は逃げられたのか、カフェー燈台の外で空を見上げていた路上生活者は。 花江ちゃん(森田望智)のご両親は亡くなってしまった。結婚前のお食事会や結婚式の場面を思い出し、胸塞がる思いであるが、猪爪家に追い打ちをかけるように直道(上川周作)の戦死公報が届く。 花江ちゃん(森田望智)の顔をまともに見ることができない直言(岡部たかし)の心中、察するに余りある。 「どこかの島にいたのか。船が沈没したのか……」 紙切れ一枚で骨も帰

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虎に翼 第27話

司法科の高等試験に落ちても、卒業しても、次こそはと寅子(伊藤沙莉)たちの学びと努力は続く。 『竹もと』に集って学ぶメンバーの中に、涼子(桜井ユキ)のお付女中・玉(羽瀬川なぎ)がいて、しかも辞書を片手に読み進めているのが『Uncle Tom's Cabin(アンクル・トムの小屋)』。 。米国の奴隷解放問題に大きな影響を及ぼしたとされる作品である。いつの時代も、エンターテイメントは政治と無縁ではない。 ************ 花岡(岩田剛典)は司法官試補として働き、昼休憩

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虎に翼 第36話

その危機感については、第8話の感想 でも少し触れていた。寅子(伊藤沙莉)が初めて傍聴した、物品引渡請求裁判。DV夫から母の形見の品などを取り返したい妻が起こしたものだった。いかにも暴力を振るいそうな憎々し気な様子の夫と、地味で華奢で、助けたくなる様子の妻。見た目で判断してはいけない、事実のみで考えねばと観ていたのだ。そして、妻の勝訴に快哉を叫ぶ女学生たちに、いずれどこかで「弱く見える女性」にひっくり返されるエピソードが来るのではと考えた。 しかし、ここまで女であることを利用

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虎に翼 第18話

男子&女子学生のハイキング。 感心したのが、轟(戸塚純貴)だ。梅子さん(平岩紙)の三男・光三郎くん(石塚陸翔)と玉ちゃん(羽瀬川なぎ)の荷物を真っ先に持った。 「男の役目を果たすまで!」 自分が属する性の役割に固執しすぎだとは思うが、己の使命を全うすることをまず第一とする快男児であろう。 そして、彼は玉ちゃんを女中として低く見ていない。他の人よりも多く荷物を持つ女性だから手助けしたのだ。 ************ 他の女性たちの前や、自分とふたりきりの時にはとても優しい花

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虎に翼 第22話

寅子(伊藤沙莉)が穂高先生(小林薫)から託された、膨大な数に上る共亞事件の調書資料の筆写。 法科の皆が手伝ってくれる……穂高先生は、この仕事には信頼の置ける者にと言った。自然、寅子が仲間を信頼していることが伝わるし、寅子を見つめる花岡(岩田剛典)に、涼子さま(桜井ユキ)の 「『何か手伝えることはないか?』そうお声をかけたらよろしいんじゃなくて?」という台詞で、花岡のちょっとめんどくさい性格および、寅子への仄かな想いが皆にしっかりバレて…いや、伝わっていることがわかる。 毎回だ

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虎に翼 第13話

度重なる侮辱、よね(土居志央梨)に対する暴力についに激昂したトラコ(伊藤沙莉)の前に立ちはだかり、その爪を顔面に受ける優三(仲野太賀)。不良男子学生を守ったのではない、トラコを守ったのだ。衆目のなかで暴力を振るったら取り返しがつかない、それならばいっそと…!!ゆ、優三さーん! その捨て身も、よねが不良男子学生の金的を蹴り上げたので無駄になってしまったが。暴力のリスクを彼女は十分知っている。第10話、DV夫に妻を「殴らせればよかった。私たちが証人になれる。暴行罪の現行犯で逮捕

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虎に翼 第33話

冒頭、昭和15年9月。日独伊三国同盟が成ったことが、ラジオと新聞で示される。日本の立場としては、既に日中戦争で消耗しており更に中華民国を支援する米・英と対立するなか、独・伊と手を結んで米・英を牽制しつつ日中戦争を有利に運ぶ意図があった。何度も繰り返し描写されているが、日本は既に戦争真っただ中である。そしてまだ太平洋戦争は始まっていない。 32話では「御時世柄 品数を減らしてをります」の貼り紙をしていた『竹もと』が、今度は厨房から鍋類を出して風呂敷に包む支度をしている。 昭和

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虎に翼 第24話

罪状認否における直言(岡部たかし)の「ごめんな、トラ」の意味は、今まで迷惑をかけた娘・寅子(伊藤沙莉)への謝罪で、問いへの答えは 「私はすべて否認します」 よしっ!とテレビの前で拳を握った。 「よく言った!」と思わず野次を飛ばす傍聴マニア、笹山さん(田中要次)と、こりゃ面白いことになったぞ!と笑いが零れる新聞記者・竹中(高橋努)。傍聴席の表情も様々だ。 検察官・日和田(堀部圭亮)の扇子を叩くのを、直言が「やめてください!」と訴えたことにも「よく言った!」だ。あの扇子の打擲

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虎に翼 第26話

高等試験司法科の筆記試験に、寅子(伊藤沙莉)も法科女子部の仲間たちも全員落ちた。筆記試験合格した久保田先輩(小林涼子)まで口述筆記に落ちた。 優三(仲野太賀)は今年も落ちた。 直言(岡部たかし)が「俺の裁判のせいで迷惑をかけた、勉強に影響がなかった筈はない」と言ったが、裁判から試験まで半年しかないので確かになあ……という気はする。 男子14名女子5名中、筆記試験合格は花岡(岩田剛典)と稲垣(松川尚瑠輝)の2名のみ。 男子14名中3名は学力不足で筆記試験を受けられなかった。

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虎に翼 第20話

直言(岡部たかし)は贈賄容疑で拘留、家宅捜索に来たという検察官・日和田(堀部圭亮)ら。直言の妻である、はる(石田ゆり子)娘の寅子(伊藤沙莉)に対して怒鳴りつける。おお、戦前の官吏……というか、戦後でも昭和の役人は高圧的だった覚えがあります、かなり。 優三(仲野太賀)が帰宅してくれて助かった。法に則った捜査である以上は拒めないが、土足はやめてくれと落ち着いて話せる。これは大きいなあと思った。家宅捜索だから部屋をめちゃくちゃにされるだろうが、土足かそうでないかで、その後の精神的

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