夏の風 入れて 会話を 断ち切って
足元に 梅雨が近づく 薄い色
小満に 幼い君を 振り返る
うたたねの 連鎖に憩う 母の日に
梅雨空の チャリ置き場まで 目配せで
毎日を 続けたらはや 五月末
古ガラス 初台風に おののいて
右側の 首の日焼けは 体育祭
ひずむ声 5月の雨と 歌うラジオ
迂回する 子ガラス無事に 巣立つまで
初夏の風 朝寝の彼に 添い寝して
体育祭 梅雨入り前に 滑りこめ
闇に浮く ツツジよ それが 正体か
日傘では 隠しきれない 多幸感
手を置いた サドルの熱は 彼を待つ
肩の上 つなぐ右手に 初夏の熱
宇宙イチ 五月むかしの 大マジメ
耳たぶを 蚊に触られて ガバと起き
君の名は メイ ストームと 胸の中
目を凝らす 梅雨の走りの 薄い月