温かな月色。 灰色の宙に隠れても、夢で逢えるなら。『それでもいい。』とさえ想える。
君と僕との間には、まだ何もないけど。 君の中に僕に似た誰かがいるんじゃないかと、そんな錯覚を起こしてしまう。そう想うのは、満月が終わる刹那だからかな。
早く、早く。伝えたい想いがある。 「まいにち」がそれを掻き消しても、心の中にずっとあるから。 「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」 「そこで少し待ってて。」
空から宙へ。 君のことを想いながら「まいにち」が終わる。 しあわせでシアワセな、まいにち。
感覚で生きてきた。考えることを放棄した。 僕のものだった操縦席には、他の人が座る。心も頭も奪われた、よく泣くロボット。
君は薄い雲にかくれんぼして「また見つけに来てくれたの?」って、僕に笑いかけてくれる。 その君の愛らしさが、僕の「まいにち」を優しく照らす光になる。
霞がかったスポットライトの下、僕は君の整えられた歌声を聴いていた。向かう先が霧の中だとしても、君が隣に居てくれるから。 ほら、ね?「だいじょうぶ」。
僕が目の前の命に向き合っていた5年間。 君が目の前の夢に向かって突き進んだ5年間。 皆が目に見えない「ナニカ」と共に歩んだ5年間。 僕から見える世界が5年で変わったなら、世界から見た僕はどれだけ変われるだろう。
跳ね上がる心拍数。その音をどう感じるかは、僕の気持ちがどこに在るかを教えてくれる。 まだ、続いているような気がする昨日は。 ひとりじゃない「だいじょうぶ」な雨の日。
「タイミング」あの時この時、今この瞬間に。出逢うあの人は、僕の心の真ん中に居るみたいだ。