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『時をとめた少女』レビュー

『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』 いきなり表題作。しゅき♡。田舎の惑星、銀河の歌姫。ボーイミーツガール、そしてクジラ。こういうの大好物です☆ いいなあ♪ 個人的にはアニメのマクロス(Fや+あたり?)の元ネタというか一部のイメージ元な気がしますねー☆

『地球の森の精』 「私」の人生に常に常に寄り添う「アレ」は一体何なのか。叔母から受け継ぎ、彼に憑依し続けた謎の力と「私」。オカルティックな展開がこっわい。突然最期にSFしてびっくり。

大原まり子さんの『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』が #KindleUnlimited で出ていることを発見! これからちょこちょこ読みながら #短編一言感想 タグで感想つぶやいてみます。 ※https://note.com/rasen/n/n5331e75e65a7 に まとめてレビュー記事にしましたー♪

『愛しのレジナ』 最高に美しい冒頭。そして巧みですばらしい導入。最愛の妻と愛娘に、同じレジナという名前をつけた男の狂気。狂気と現実。狂気世界こそが美しい描写になっているところが見事。

『真鍮の都』 千夜一夜物語で国王スルタンに毎夜物語を語って聞かせる美女シェヘラザード。彼女のコピー人形を未来の博物館に収めるため、一時的に誘拐しようと22世紀からやってきた男が、あろうことか彼女に恋をしてしまい……。というお話。

『薄幸の町で』 『有楽町のカフェーで』の続編。彼と彼女の1984年が語られます。前作1983年は史実通りの世界でしたが、その翌年に、日本と世界にはある厄災が訪れ、世界そのものがSFっぽくなってきます。そして、主人公の描くSF小説の絵空事感がなんとも空しく響くのです。

『有楽町のカフェーで』 1983年の夏。恋するSF作家の青年がカフェーにて彼女をひたすら待ち続ける話。待ち続ける間の心の揺らめきが赤裸々に綴られています。もう30年以上前の日本の若者の頭の中はこんなかんじだったのですねw

『高橋家、翔ぶ』 なんとも不思議な美しすぎる街で、美味しすぎるカレーを食した、ごく普通そうな男女のカップルと牙と尻尾の生えたドラゴン女性とが、家と呼んで帰ってきたのはアダムスキー型の空飛ぶ家でした。一家はその円盤で仕事をしに行くといいます。その仕事とは……?

『約束の惑星』 迫害されていた少数民族に約束の地として未開拓の惑星をあてがう植民計画。計画上のニュー・ポーランドへ向かっていた開拓船は事故により目的惑星にたどりつけなかった。幸い居住可能な惑星に不時着し、そこを開拓しはじめる農民たちと、その星へ彼らを導いたパイロットの物語。

『赤い小さな学校』 コウノトリ電車で町に出荷された少年は、幸せだった村の生活、幼少期の記憶を遡り線路を逆に辿っていく。育ての親と初恋の先生の面影を目指して。

『花崗岩の女神』 衛星軌道から見ないと視界に収まらないという巨大女神の姿をした山脈。すでに滅んだ文明の芸術作品なのか、自然の造形なのかは誰にもわからない。そんな女神の岩山へ、(上空から)彼女に一目惚れしてしまった地球人が登攀するお話。 例によってまるで恋の詩のような描写がすてき♡

『時をとめた少女』 表題作。 え? タイムパラドックス? なにそれ? というかんじで矛盾なんてどうでもよくなっちゃうお話。考えたら負けな半分ギャグな気もしますが、ヤングの描く「一目惚れ」=「永遠の愛」の黄金パターンがなんともかわいらしいですw

『妖精の棲む樹』 木を切るプロフェッショナルが、異星に最期に残された巨木に上りながら枝を落としていく。そして、その樹を守護している妖精に出合い「なぜ木を殺すの?」と問いかけられる。人間中心の商業主義と異星の植物の精神が出会い、殺し殺される間柄で生まれる摩訶不思議な交流の物語

140字に情報詰め込むのけっこう大変だから、感想だけにして、ハッシュタグに著者や書籍の情報入れるようにしてみた。ハッシュに『』記号とかいれられたらいいのになー。

『わが愛はひとつ』 新婚ほやほやの政治学者が執筆した、たいしたことのない薄っぺらな本が、時の議会制国家を転覆させる悪書として断罪され冷凍冬眠刑に。解凍後、妻の墓を目指して旅をする彼。傷心の未来シーンと、幸せな過去の思い出のシーンが交互に書かれ、読者も自分の幸せな思い出を思い出す筈

短編一言感想:日本SFの臨界点怪奇篇 『雪女』ー 石黒達昌 旧陸軍図書館で発見された低体温症研究の記録。著者は昭和初期、北海道旭川の陸軍第七師団に所属していた凍傷研究の第一人者だった。彼のもとへ運び込まれた特異な症状を示す低体温症の少女とは一体?古い研究の再発見風文体が超クール!

短編一言感想:日本SFの臨界点怪奇篇 『A Boy Meets A Girl』ー 森岡浩之 太陽風を翼に受けて長い旅をする恒星間生物の少年が少女を追い求める話。ボーイミーツガール物の主体を恒星間生物にしただけという単純な話ではなく、その理由こそがテーマになっているところがさすが。

短編一言感想:日本SFの臨界点怪奇篇 『笑う宇宙』ー 中原涼 閉鎖環境で〈妹〉〈父〉〈母〉の家族と共に暮らしている語り手の「ぼく」。なぜ家族が〈〉でくくられて語られているのかの理由に読者が気が付く頃、語り手と家族の狂気に巻き込まれて舞台の現実性が危うくなってくる。精神的ホラー。

短編一言感想:日本SFの臨界点怪奇篇 『ちまみれ家族』ー津原泰水 SFかどうかはよくわからないけれど、バカ話の範疇には入りそうな「なんじゃこりゃ」ってお話。バカ話=SF論に従うならばきっとSF。とにかくもう血だらけ血まみれ。バイオレンス日常家族。ここまで血の気が多い短編も珍しい。