ふと思ったことであるが、三島由紀夫のことである。彼は、観念の世界から降りてきた。売れっ子作家である三島には桁違いに財力がある。社会、実社会で彼は名声と富の中自由であった。そして、また観念の世界への階段を上り、触れてはいけない「美」「真」に触れ自決にいたったとおもう。
この世界はずっとずっと仮面を被っている だから仮面の告白なのかな? それでも武士か?! の命を懸けた叫びも 仮面をはがすこといや 仮面に疑問やダメージを与えることすらもできなかった だから僕はそんな仮面がこれからどうなるのか ただ見届けようと思う
三島由紀夫の『仮面の告白』。書店で懐かしく手に取ったら、版が改まると共に書体も大きく変わっていて驚きました。明朝体?骨太でがっちりとした活字。 青年三島の鋭敏な感受性が実に素直に表された、この繊細な物語が、まるでトーマス・マンのような、全く別の作品に見えてしまいました。