嵐とは言わないが、それなりの量の雨が降った。 先月末から咲いていた大振りな芍薬の花は、斜めに倒れ、花弁が半分程散っている。 「花に嵐のたとえもあるぞ」の一節を思い出す。 何の花を指すのかは知らない。 元は漢詩で、井伏鱒二の訳で知った。 詩はこう続く。 「さよならだけが人生だ」