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火鉢は最高!

子供の頃ご飯を食べる6畳くらいの部屋の真ん中に丸い練炭火鉢がすっぽり真ん中に入る赤いちゃぶ台があった。
毎日家族7人がそのちゃぶ台を囲んで食事をとっていた。祖父、祖母、父、母、兄、姉、私の7人だ。
食事の支度が出来ると母が「典子、お爺ちゃんとお婆ちゃんを呼んできて」と言う。私はすぐ隣の別棟にいる祖父母を呼びに行く。祖父が一番の上座に座る。私は祖父の向かいの一番末席が定位置だった。

今思えば火鉢は最高だった。網を置いてお餅を焼いたり、目刺しを焼いたり、何でも目の前ですぐに焼けるから凄く便利だった。しかも砂糖醤油をたっぷりつけたお餅を焼いて砂糖醤油が網からポタポタ落ちても練炭を汚すだけで掃除も要らない。冬になると毎日寒い朝に母が練炭に火をおこしていたのが懐かしい。

ある日3畳一間の勉強部屋に小さな炭火の入った火鉢を持ち込み、従姉妹と二人でおへぎを焼いて食べたりしながら遊んでいた。部屋を出るとふらふらしてまっすぐ歩けなくなり、その後吐き気がして二人でトイレでゲーゲー吐いた。いわゆる一酸化中毒である。練炭火鉢は最高に便利で素晴らしいものだが、一酸化中毒にだけはご注意あれ!


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