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#82 うぉううぉう 愛を、ください zoom

コロナ第八波の真っ只中、落花盛の提案で浮輪鈴女(うきわすずめ)達とのzoom飲み会が実施された事があった。

浮ついた宴席全般に消極的なハニワは、このzoom飲み会のアイデア自体になんとなく気乗りがしなかった。

ハシビロコウはメンバー3人だけで今後のバンドの方向性についてzoomミーティングを、と食い下がったが、ハニワはそっちの方がゴメンこうむりたかったので、渋々落花盛の提案を飲み、お付き合いすることにした。

やれやれだ。

というわけではじまったzoom飲み会。


バンドへの帰属意識が強いハシビロコウ

蓋を開けて見れば一番はしゃいでいたのはハシビロコウだった。

女子達の雑談にいちいち大げさなリアクションを取ってそのたびクチバシをカカカカん!と、けたたましくクラッタリング。

万年聴覚過敏気味のハニワはボリューム操作が忙しく、ちっとも楽しめなかった。


画面越しに交わす会話の物珍しさに浮かれてのめり込む時期も過ぎ、ハニワが少しの間席を外したタイミングで、宴はどうやらお開きに向かっていたらしい。

あ、みんな居なくなっていくな。んじゃ俺も…、、、

退出ボタンにカーソルを持っていくハニワ


と、その時、ふいにスピーカーから聞こえる少し掠れた低い声。

画面を見ると、「浮輪鈴女」のウインドウがアクティブになっている。

「おーいおーい。あれ?もうzoom飲み会終わってるの?」

浮き輪鈴女のメンバーの内の一羽だろう。

明るく、いかにも親しみやすい声だ。

さっきまでzoomに参加していた、レッドオレンジの声ではなさそうな。。。聞き慣れない声。


「ハニワさん?聞こえまチュンか?」

「あ、はい。聞こえますどーも。」


土器土器していた。。。


数秒の沈黙。ピンク色の浮き輪。はじめて見るスズメだ。


…to be continued.


ハシビロコウバンド物語
「第82話 うぉううぉう 愛を、ください zoom」



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