長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三…

長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三春タイムズ』(文・長谷川ちえ 素描・shunshun)として 2023年春、信陽堂https://shinyodo.netより書籍化されました。前回に引き続き造本装幀はサイトヲヒデユキさん。

マガジン

  • 日記 / in-kyoの縁側

    日々の出来事、季節の風景、ぼんやりと頭に思い浮かんだことなど暮らしの観察日記のようなものをポツリポツリポツリと書き始めてみようと思います。 気軽に腰を下ろして、ご近所さんがやって来れば、お茶でも飲みながら他愛もないおしゃべりもできる憩いの場、縁側。 私が営む雑貨店「in-kyo」の店名にちなんでタイトルを「in-kyoの縁側」と名付けてみました。 さて、その縁側では一体何を目にするのでしょう。

  • 三春タイムズ

    • 49本

    福島県三春町での暮らしや季節の行事、風景など ゆるやかで心地よい時間の流れを 「三春タイムズ」と題して追っていきます。 題字をはじめ、毎回文章に合わせて 素描家shunshunが絵を描き下ろしてくれます。 更新は二十四節気の変わり目に沿って 一年で二十四のお話を綴っていきます。 文・長谷川ちえ 絵・shunshun

最近の記事

お店の匂いと記憶5月18日

足元も見上げた木々も、in-kyoの花壇も。 どこもかしこも緑に溢れている。美しい季節だな。 緑に溢れた花壇のことは実はずっと気になっていた。 三春で移転openの際にシンボルツリーになればと、ホームセンターで 買ったユーカリの苗。当時は高さが1mもなかったはずだが、 今ではやや見上げるほど。外からはウインドー越しに店内が見えないくらい葉が生い茂っている。ほんの1株と思って植えたアイビーは、ズルズルと 調子良く蔓をのばして縄張りを広げている。アイビーよりも先に植えていたはず

    • 庭の緑のハーブティー 5月17日

      午前中に小1時間ほど草刈り。 すっかりミント畑のようになってしまったエリアを、 少し縮小しようと刈り始めたが、ただ刈ってしまうのは しのびない。もともと苗を植えたのは私だ。 フレッシュハーブティーやモヒート風に生で使うのもいいが、 刈った分だけでも使い切れないほどのボリューム。ならばドライにしてハーブティーにしてはどうだろう?そう思うと、俄然草刈りが楽しくなってきた。 言葉も「刈る」よりも「摘む」にした方がその先に「飾る」とか「使う」に繋がっているようでなんとなくやさしい。

      • 金継ぎ 5月16日

        昨年は公私ともに慌ただしく一年が過ぎ、体調もずっと低空飛行だった。 そのことを踏まえて、今年は意識してゆったりペースを心がけている。 とはいえ、ずーーーっと走り続けるのがあたり前だったので、気づけば前のめり。そこで「おっとっと」と、意識というブレーキをかける。 自分では休んでいるつもりでも、傍から見るとどもそうではないらしい。フル稼働ではないにしろ、何かしら稼働しているようなのだ。話し方がゆっくりなので、人からはおっとりゆったりしているように思われがちなのだが実はせっかち。(

        • 縁側で 5月15日

          昨日に引き続き、今朝もKUU先生と待ち合わせ。 今日はご近所、ブーランジェリーカヌレさんへ。 パンやカヌレが買いたかったこともあるが、今日のお目当ては 新作のカップチーズケーキを買って、コーヒーとともに縁側で お茶っこをすること。カヌレさんがオープン当初は早朝からの開店時間 だったので、よくこうして縁側をお借りし、持参したコーヒーとともに 焼きたてのパンを夫と食べたりしていた。開店時間が11時~になってからは縁側で過ごすのも久しぶり。マシーンで淹れたコーヒーがテイクアウトでき

        お店の匂いと記憶5月18日

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        • 日記 / in-kyoの縁側
          108本
        • 三春タイムズ
          49本

        記事

          三春歳時記 5月14日

          三春町にある歴史民俗資料館で今月26日まで開催中の春季企画展 『三春歳時記』~武家の年中行事とまつり~へ。 ご近所友人KUU先生とやっちゃんと3人で観に行ってきた。 私たち3人で観ただけでも楽しめたのだが、途中で資料館職員の 日向先生が(元学校の先生をされていらしたので、つい先生と呼んでしまいます)解説をして下さった途端、展示内容が彩度を増し、身近な物事としてグンと距離が縮まったように感じられた。 特に武家の年中行事の記録。いわば日記のようなものを展示するだけではなく、館長が

          三春歳時記 5月14日

          午前の部と午後の部 5月13日

          明方から荒天という天気予報に身構えていたが、雨は強いものの風はそれほどでもなくホッとする。とは言え、激しい雨音で目が覚めたくらいだからやはり荒天か。富士子(猫)は無事に帰れただろうか。 月曜日から雨だと気持ちが上がらない(土日休みのお勤めや学生でもないくせにそんなこと思う)雨がひどくてはお客さまも来づらいだろう。こんな日こそ、あれとこれとそれをやるにはもってこいだ。 さぁて!と、思ったところで入り口には見覚えのある人影。Mさんだ! やはりお店というものはそういうものだなと、笑

          午前の部と午後の部 5月13日

          母の日 5月12日

          今日は母の日。日曜日だというのにお店が静かだ。 と思いつつ、展示中でもなければそもそも三春のin-kyoは、週末だからお客様がたくさんいらっしゃるとは限らない店だ。のんびりならのんびりなりに、やることはいくらでもある。(先日は筍の下茹でなんかをしましたが、そんなことばかりではなく、お店の仕事もちゃんとあるのです) さぁてと。では! あれと、これと、それをやりますか!と、頭に浮かんだ作業の段取りを考え始めたところへ入り口にお客様の姿。よくあることなのだが、お店とは大体そんなも

          母の日 5月12日

          誕生日  5月11日

          今日は亡くなった祖母の誕生日。 祖母の場合、命日よりもなぜか誕生日の方を毎年忘れずににいる。 明治生まれの祖母。その頃の日本はどんなだったろう? 明治、大正、昭和、平成と時代を経て、その変化はめまぐるしく、 きっとわけわからんことだらけだったに違いない。が、思えばその変化に対してしなやかに順応していたなぁと思う。 たまにテレビの中で歌うアイドルを見て、 「こんな真冬にこの人は、腕や足を出して歌ってて寒くないのかねぇ」 などと心配して言うときもあったけれど。 聞いたことはなか

          誕生日  5月11日

          おやつの思い出 5月10日

           おやつ、おやつと作ったり、考えたりしていたら、頭の片隅では子供の頃のおやつの風景が浮かんでいた。  実家は商売をやっていて、私が幼い頃には従業員の方が何人か勤めていた。3時頃になると祖母と母はお茶の準備をして、従業員の方がちゃぶ台を囲んでひと休み。幼い頃の私は人見知りだったくせに、お茶の時間にはちゃっかりとその輪に加わって、気に入ったおやつがあれば手を出していた。  当時のおやつは、季節の果物という日もあれば、2軒隣りのお団子屋さんのお団子に、近所にあったおせんべい屋さん

          おやつの思い出 5月10日

          復習タタン 5月6日

          先日参加した、カラメルタタン講座。 すぐに復習できるようにとふじりんごをたくさん戴いていたので、 昨夜の夕食後、早速作業に取りかかった。 皮をむきながら、講座でメモしたノートを見返してみる。ポイントを抑えた言葉を一応走り書きしたもの。講座の途中では携帯で写真も撮ったが、案外と写真よりもアッコ先生の言葉や音、香り、自分の目で見て実際に感じた 五感の記憶の方が頼りになっているかもしれない。 りんごは10個くらいはあったかな?皮をむいて、芯も取り除いたものが 約1.5㎏ カラメルで

          復習タタン 5月6日

          こどもの日 5月5日

          田んぼに水が入り、木々の緑が写り込んだ風景が清々しい。 あちこちで目にする鯉のぼりが青空の中を泳ぐ姿はどれも見事。 そんな今日はこどもの日。 出勤の時間、交流館まほらの前を通ると人で賑わっていた。 そうか、今日は稚児行列の日か。ちょうど行列が出発するところに 出くわしたのだった。かわいらしい衣装に身を包んだ子どもたち。 張り子の白いゾウは山車のように子どもたちと一緒に通りを練り歩き、 この行事の象徴のようになっている。 朝からおめでたいものを目にし、ずいぶんと昔に子どもを卒

          こどもの日 5月5日

          近くの温泉へ 5月4日

          あまりにも五月晴れらしい五月晴れ。 気温はぐんぐんと上がったが、雲ひとつなく空気がカラリと乾いていて 気持ちがいい。まだ虫も少ないしね。 晴れの日が続いているから、ここ数日はウッドデッキで夫と朝ごはんを食べている。ガーデン用の小さなテーブルと椅子を外に出して、ほんの30分ほど。そしてまたテーブルと椅子を部屋にしまって。と、朝ごはんごっこ?キャンプごはんごっこ?まるでおままごとのようだけれど、たったそれだけでも気分がいい。朝、日光にあたると幸せホルモン・セロトニンが分泌されると

          近くの温泉へ 5月4日

          カラメルタタン講座 5月3日

          りんごや梨の花ってなんであんなにかわいらしいんだろう。 桜にも似たそれらの花は見上げるのではなく、木が目線に近い高さだから 白い花が満開になると、果樹園が一面の白い花畑のように見える。 もうかれこれ20年以上前に目にしたその景色、あんざい果樹園のご家族との出会いがきっかけで、福島へ通うように来ていた私。それが、今こうして 福島県で暮らしているのだから、人生何が起こるかわからないものだなぁ。 だから梨やりんごの花が咲くこの季節は私にとって特別なものになっている。あんざい果樹園の

          カラメルタタン講座 5月3日

          水が流れる場所へ 5月2日

          世の中は黄金週間。 in-kyoは土・日・月の営業が通常営業だけど、世の流れに乗ったような 気分の休日。子供の頃は実家が商売をしていてどこかへ出かけるということもなかったし、学生の頃はゴールデンウィークだろうとお盆休みだろうと部活の練習があり、会社勤めをしていた頃は連休とは縁のない仕事に就いていたので、こうして休んでいること自体がとても新鮮。 と、カレンダーを見ると今日は平日じゃないか。 夫はゴールデンウィークは休みのはずが、昨日まで一見遊びのような、 仕事がらみで昨晩はテ

          水が流れる場所へ 5月2日

          春の雑草酵素 5月1日

          今年で3年目となるご近所友人たちとの雑草酵素(シロップ)作り。 今日は新しいメンバーが加わり、5人で朝9時に三春町役場前に集合をして 作業スタート。 そもそも雑草酵素ってなんのこっちゃ?と思われるかもしれませんが ネットを調べると色々と出てきますので興味のある方は調べてみて下さい。 3回目ともなると、作業の段取りがブラッシュアップされて、今回はこれまでにない作業の早さと、様々な雑草が顔を出し始めた収穫時期のお陰で、良い仕上がりになりそうな予感。収穫して洗って、刻んでと、作

          春の雑草酵素 5月1日

          産直 4月30日

          庭の雑草たちがすごい勢いで成長している。 見かねて夫が朝食前に(朝めしまえってことでしょうか) 数十分、草刈りをしている。朝から草花に囲まれ、鳥の鳴き声を聞きながら土に触れる。と、どうやら気分がいいらしい。 いわゆるアーシングというものかもしれない。お陰でここ数日のルーティーンとなっているようだ。ほんの少しでも毎日手をかけるだけで違うものだ。目に見えて成果がわかることも続いている理由なのかもしれない。 簡単に朝食を済ませて夫は仕事へ。私は川へ洗濯に…行くはずもなく、家しごと

          産直 4月30日