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使わないと衰える!! 廃用症候群に対するアプローチ

前回に引き続き廃用症候群についててす。

症状→評価と紹介してきました。今回は廃用症候群に対するアプローチについてです。

理学療法、作業療法、言語聴覚に分けて紹介しているので参考にして頂けたら幸いです。


廃用症候群は予防が大切です。早期にベッドから起き上がり、座位、立位、歩行とリハビリテーションを進めていきます。

また、抑うつや閉じこもりなどの精神活動面においては、趣味やサークル活動などを通して役割や生きがいを持つことも重要です。

理学療法士におけるアプローチ

適切な負荷になるように目標設定をしておきます。患者の希望や状態を総合的に評価し目標を設定します。

筋力増強訓練


負荷量を低く設定し、頻回に行い呼吸器系・循環器系の負担を少なくしておきます。他動運動→自動運動→抵抗運動の順番で負荷を高めていきます。

高齢者や呼吸器系疾患の患者は、筋線維のうちの姿勢保持や維持に働くTypeⅠ線維の筋力増強を意識してプログラムを立案します。

自動運動が困難なほど筋力低下を起こしている場合は、他動運動から開始し、固有感覚刺激を入力します。


座位・起立動作訓練


臥床状態に対しては座位や起立練習により抗重力姿勢を促すことが廃用の改善に適しています。抗重力姿勢は骨格筋の緊張負荷、体液の調整系への刺激に効果的です。

臥床状態からギャッジアップ座位→端座位→起立→立位→歩行へ段階的に練習を進めていきます。

急激な姿勢変化により血圧変化・自律神経症状・意識レベルの変動が現れることがあります。ベッドアップや起立台を利用してバイタルサインを測定しながら段階的に行う方法が推奨されます。

作業療法士におけるアプローチ

作業療法は、身体活動面、精神活動面の両面からリハビリテーションを実施します。

患者の興味、関心を呼び起こし、患者自身が能動的に取り組めるように促していきます。身体的ストレスを生じさせないようにし、活動を継続して行えるような環境を設定し、意欲・自発性の向上を図ります。

精神活動面の賦活により、リハビリテーションへの取り組み意欲の向上や日常生活動作(ADL)場面での活動量が増加し廃用症候群の治療・回復を円滑にします。

作業活動選択のポイント

・気晴らし的活動、レクリエーション、楽しみ
・家族がかかわれるもの、グループ活動
・身体的負担、ストレスを生じないもの
・能動的に参加できるもの
・興味、関心を呼び起こすもの
・趣味、好み、ニードなど

作業活動の例

風船バレー、ボール投げ、輪投げ、お手玉、パズル、カラーコーン、はり絵、塗り絵、歌唱、散歩、編み物、自由会話など

言語聴覚士におけるアプローチ

言語聴覚士の廃用症候群におけるリハビリテーションは、摂食・嚥下機能障害に対する介入が多いです。

原因を、病歴の聴取、全体所見、画像を含んだ各種検査などにより特定します。原因が複合化していることにも留意します。

長期間の絶対安静は抗重力筋を中心に筋力低下・筋萎縮を起こします。嚥下運動に必要な神経筋活動の減弱化、遅延、嚥下活動の非効率化をもたらします。

アプローチ法


・関節可動域練習(ROM)
頸部伸展位の拘縮は嚥下障害の原因となるため早期からの予防が大切です。

・顔面筋、舌筋、甲状軟骨マッサージ

・咽頭、軟口蓋冷却刺激
嚥下反射の誘発部位(前口蓋弓、舌根部、咽頭後壁)に氷水に浸した綿棒などをなすりつけ、空嚥下を意識的に20〜30回行います。

・機能的口腔ケア

・異常感覚除去(脱感作)

・構音器官(嚥下準備/口腔期)
口腔粗大運動や挺舌などの等張性筋収縮や舌抵抗練習などの等尺性収縮を実施します。

・舌骨上筋群(嚥下咽頭期)
頭部挙上練習、シャキア(Shaker)練習、メンデルスゾーン(Mendelsohn)手技など

・呼気筋力強化
肺機能最大発声や喀痰を促す。

今回の記事で参考にした書籍はこちらです↓

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今回の記事は以上になります。

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