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「固定費を見直せ。」人はそう言うけれど。


今のご時世、物価高、積立nisa、ideco、資産運用、お金について考えることが多すぎる。と私は思う。

私だって、できることなら、お金のことをあーだこーだ考えずに送る人生を過ごしてみたい。

けれど現実はそううまくはいかなくて
とりあえずまずは「貯蓄」。
何をするにも資金集めから、と思い立って検索すると、たくさんの「固定費の見直し」みたいな記事やコンテンツが大量に出てくる。
「あー、めんどくさい。」そう思って画面を閉じても、また開くと、レコメンド機能ならぬものが働いて、また大量に「固定費の見直し」「固定費の見直し」「固定費の見直し」みたいなコンテンツが溢れ出てくる。

「やめてくれ。」

シンプルにそう思う。
完全な現実逃避だ。
そんな現実逃避したくなるような「固定費の見直し」きっと多くの人は卒なくこなせるのだろうけれど、私にとってそれはすごく難しいことだと思っているので、今日はある友人2人のエピソードを紹介しながら、私と固定費について綴ってみようと思う。

貯蓄をするには、まずは、固定費の見直し、つまり、自分の毎月の固定費を把握することからはじまると多くの記事に書いてある。

家賃、電気代、水道代、ガス代、携帯代、生命保険関連費、サブスク料金などなど、考えてもキリがないほど、人は毎月固定で出費をしている。

そんな固定費の沼に気づかないうちにハマってしまっていたある友人のエピソードをまずは紹介したい。彼女は、固定費の中でもサブスクの沼にハマってしまったパターンである。

サブスクと言われれば、ネトフリやAmazon prime、huluなどの動画配信サービスのイメージが強いが、彼女の場合、それが「新聞」だった。

大学を卒業して、新聞社に勤めている彼女は、勉強のために、合計5社くらいの新聞サービスを利用していた。

新卒で働きはじめてしばらく経った頃、忙しくも仕事を頑張っている彼女の家を訪れたことがある。

久しぶりに会って、ちょっと疲れた様子だったけれど、会えたことが嬉しくて2人でいろんな話をしながら彼女の家へ向かった。そして彼女が住んでいるマンションの入り口に着いて、彼女が満面の笑みを浮かべながら、郵便受けを指差した。

「ねぇ。見てこれ。」

その先にあったのは山だった。正確にいうと積み上げられた新聞の山。ポストの中には入り切らず、はみ出して、ポストの上に大量に積み上げられていた。新聞配達員さんもさぞ困っていることだろう。

「疲れてるとポスト開けるのめんどくさくて。」

気持ちはわかるが、いつ他の住人クレームを入れられてもおかしくはない量だった。

そして一緒に彼女の部屋に入る。衝撃だった。あたり一面お花畑、ならぬ、あたり一面新聞紙だらけだった。ある意味、新時代のインテリアと言わんばかりの景色だった。

「なんでこうなるの?」

「いや、新聞紙って、掃除するときにも使えるから。」

「でもだからって、床に敷き詰めすぎだし、全部読んでるわけじゃないでしょ。」

「うん。たしかに。」

わかる。すごく気持ちがわかった。
おそらく彼女もこんな状態に望んでなっているわけじゃない。
わかっていて、誰かに指摘されて、さらに改善しなきゃいけないとは思うのだけれど、一度契約してしまったサブスクは、契約を解除するのがひどくやっかいだ。特に忙しいとなおさらやる気にならない。それに、もし忙しいのが落ち着いたら、きっとまた読んでいつか自分の糧に「なるかもしれない」という期待の可能性も含まれるとさらにやっかいさが増す。そうやっていつのまにか、サブスクが日常化してあたりまえになっていく。

こういうケースってサブスクによくあると私は思う。
ここに書いたように「いつか、糧になるかもしれない。」という可能性、ここに人は理想の自分を見出す。もちろん、それを現実のものとして、しっかりと消費できる人はそれが一番いい。けど、それが理想のままで、「使わないんだから別にいいでしょ。」そういって一刀両断して契約を解除してしまうのも、なんだか違う気がすると私は思ってしまう。

だから私は固定費を見直すことができないのかもしれない。

そして、もう1人の友人のエピソードを紹介したい。

大学4年生、卒業間際のことだった。
一人暮らし勢が続々と家を引き払っていく中で、ある私の友人が、ガスを停止するのに手こずっていた。

「電気は止める連絡できたんだけど、ガスが止めれないんだよね。契約してるはずなんだけど。電話しても契約確認できないとか言われてさ。」

「それって電話かけてるガス会社合ってるの?別のとことかにかけてるんじゃない?」

「ううん、あってるはずなんだよ。」

そこで私はあることに気づく。

「ねぇ、もしかして、家ってガスコンロじゃなくてIHだった?しかも、お風呂もスイッチ押すパターン?」

「そうだけど、、。」

「それってさ、オール電化なんじゃないの?」

「あっ」

彼女の家は本当にオール電化だった。それはガス会社に連絡したところでそれは担当の人も困るはずである。
彼女は、契約してもいないものを思い込みで契約していた。
料金を払っているつもりだった。

怖い。シンプルに思った。

彼女みたいなケースはレアだと思うが、たとえば、生命保険や自動車保険関連で考えてみるとこのような事態に陥ってもおかしくないなと思う。わからないから言われるがままに契約して、契約したつもりもないものにお金を支払っていたり、逆に契約したと思っていたのにされてなかったり。私だったら普通にありえる。

怖い。もっとちゃんと向き合わないと。

書きながらそう思うけど、たぶんまた、そんなことなど忘れて、固定費を見直せない。
けど、いつか固定費とのいい距離がつかめたらいいなと思っている。





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