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「子育て」というセラピー 〜おかあさんラジオvol.125

おかあさんラジオは、Webマガジン「おかあさん新聞」に連動して、子育てを通して自分も、子どもも好きになれるようなヒントやエピソードを5〜10分ほどでお届けしています。

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さて、今日のテーマは「子育てというセラピー」というテーマでお届けします。

「子育て」は壮大なセラピー。


「子育て」という人生の季節は、皆さんの人生においてどんな時間でしょうか?

私は自分が母親になるまで「子育て」というのは自分のやりたいことを少し我慢して、子どもを育てる時間だと思っていました。

でも、そんなの大間違いだったと気づくのに、長い時間はかかりませんでした。

あの頃の私は子どもを育てている間は、自分の人生は足踏みしているような時間だと勘違いしていたんです。

そうやって子育てを考えてしまうと、何か自分の「やりがい」を外に求めてしまったり、仕事をしていないと不安になったり。
自分が自分の人生を歩んでいる「実感」を外へと求めるしか術がなくなってしまいます。

もちろん、それも間違いではないと思います。

けれど、実際に子育てが始まってから、私は自分の人生が足踏みしているどころか、子育てを通して私はようやく自分の人生を歩み出したことに気がつきました。

(子育てをしなければ自分の人生を歩めない、というわけではありません)

子育てをしていると、これまで自分一人だとなんとなくやり過ごせていた出来事をはぐらかしてスルーできなくなることが多々起こります。

自分の中で見て見ぬふりをしてきた感情
子どもの頃から癒えずに残っている傷

良くも悪くも子育てを通して私は自分の中にあったあらゆる感情を炙り出されたように思います。

そうして向き合うしかない状況に追い込まれて初めて、
私は自分の中にあったさまざまな感情と真正面から向き合い、それを脇に追いやるのではなく、真正面から受け止めることができました。

そうすると、不思議なことに、目の前の子育ての悩みや問題も、
自分を受け入れ、自分が無視してきたものと向き合った量に比例して、
落ち着いていくことが多々ありました。

そして、私が生きやすくなればなるほどに、
子どもたちにも笑顔が増えていきました。

もちろん、一筋縄ではいかないこともたくさんあります。
けれどそれはそれで、子どもたちは私に更に自分と向き合う機会をくれました。

こんなに真正面から自分自身と向き合う機会というのは、どこかでしっかりカウンセリングでも受けなければなかなか得られないもの。

子育てという時間は、私にとって過去を癒し、自分の気持ちを大切に受け止め、自分をより知っていくための壮大なセラピーのようでした。
それは、今も続いています。

親になるのが怖かった


私は自分の父を自死で亡くしているので、自分自身が親になることに不安がありました。

特に、自分が父を亡くした年齢になるまでは、何か一歩間違えてしまったら同じことを自分もしてしまうのではないかという不安や恐れが付き纏っていたように思います。

けれど、実際自分が親になってみて、幼い頃の自分と似たような顔をした子どもが無邪気に笑い、日々をキラキラした瞳で生きているのを見ながら、
自分の子ども時代の気持ちをなぞるように過ごしている自分に気がつきました。

子どもが転んで泣いて、私が「痛かったね」と心から抱きしめるとき、私は子どもを抱きしめながら自分の中にいる子ども時代の自分の痛みにも「痛かったね」と伝えていました。

「大好きだよ」と寝る前に伝えるときは、私は自分の自分の心の中にいる当時の自分にも「大好きだよ」と伝えていました。

また子どもたちが私に「おかあさん大好き!」と言ってくれる言葉は私の心の中の子どもの頃の自分にもすーっと染み込んでいきました。

そのように、子どもたちと向き合い、会話をしていく中で、私は自分自身の過去の自分と話をする機会をもらい、子どもたちとの日々の中で私自身の過去を癒していったように思います。

今は、こんな私だからこそ、親になる必要があったのだと思うし、
子どもたちはそんな私を見かねて助けるために来てくれたのかもしれない、とそんなことを思ったりもします。

同時に、この世界へこうして来てくれたのだから、
私も彼らに助けてもらってばかりではなく、ここに来てよかったな、と思ってもらえたらいいな、そんな気持ちが私を奮い立たせてくれています。

自分が産んだ子ですが、やっぱり違う人間で、こうして生まれてきてくれたのはご縁、いろいろな人の存在があってこそ。

そういう意味では、子どもを「育てる」というよりかは子どもと「共に生きている」、という感じです。

子どもと共に生きる「喜び」


そんなわけで、この「おかあさん新聞」も子どもと一緒に生きていく「喜び」を分かち合えたら、と思って始めました。

子どもを心から感じることで、私の心が動き、過去の私の心までが癒やされていく。

頭ではなく心を動かしながら子育てをすることは、子育てを本当に豊かにしてくれます。

これからも、子どもを感じる自分なりの「感覚」みたいなものを、この新聞でみなさんと共有していければ嬉しいです。
そして、皆さんとお子さんとの間に自分たちだけの分かり合えるチャンネルのようなものが、出来上がっていくといいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

山口春奈


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