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ブログ「My blessed days」

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仕事のこと、子どもたちの日々のこと、私自身のことなどを書いています。
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#この経験に学べ

「悲しみ」を抱きしめる

「悲しみ」を抱きしめる

自分の悲しみを他の誰かの悲しみと比較したことはあるだろうか。

私は6歳で父を失った時、「ひとり親世帯」にはなったものの、当時祖父は事業を営んでいたため生活には困らずに暮らしていくことができた。

そのため私が父の死で精神的な苦労は多少あっても、物理的な苦労を感じたことは特になく、子ども時代を送ることができたものの、そのことが私にとっての罪悪感にもなっていった。

ひとり親になった人たちは悲しいだ

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骨董屋のお爺さん

骨董屋のお爺さん

大学の卒業と同時にこれまで4年間住んでいた大学寮を出て、
私は初めての一人暮らしを始めた。

当時のアパートは駅から10分ほど。
小さな商店街を抜けた先の静かな住宅街にあった。

毎日通る商店街の突き当りの方には、
高齢のお爺さんが一人で営む露店の骨董屋があった。
仕事終わりに商店街にあるコンビニで100円のチョコレートを買ったあと、店の目の前で裸電球一つで営業していたその骨董屋は
何か不思議な魅

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「たわし」と祖父

「たわし」と祖父

キッチンで洗い物を終えてシンクをたわしで洗っている時、
私はいつも亡くなった母方の祖父を思い出す。

私は自分の父が亡くなった6歳から、実家を出る15歳までは母方の祖父母と一つ屋根の下で暮らしてきた。

いかにも家長、という風格なのだけどとても優しく、祖父には本当にかわいがってもらった。

祖父は男ばかりの10人兄弟の真ん中で、農家の家から飛び出し、事業を始めた人だった。

そんな祖父は月初めには

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詰め込んだっていいんじゃない?

詰め込んだっていいんじゃない?

私の場合、文章を書くときっていうのは
大体ゴールが見えないから書いていることが多いです。

頭の中だけで考えていると、
どれだけ頭が散らかっていても目には見えないから、
言葉にして頭の中を棚卸して整理している感じで。

でも、頭が散らかっている時というのは、
大概部屋が散らかるもので、
あながち目に見えないわけでは…ないです(笑)

だから、文章を書いて整理することもあれば、
片付けをすることで頭

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三十三回忌に寄せて

三十三回忌に寄せて

お父さんへ

元気ですか。
今生きていたら、65歳?かな。
私は38歳になりました。もう私の記憶の中のお父さんよりも6歳も年上になりましたよ。

32年前、お父さんが天国へ行ったことを聞かされた日の朝のこと、今でもたまに思い出します。

お父さんの最後のお別れの時に私はお父さんにピアノを弾きました。
お父さんは聴こえていましたか?
間違えて繰り返しを一回多く弾いてしまった、バッハのメヌエットとジー

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