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幼き心のままで。【シロクマ文芸部|お題:子どもの日】企画参加記事


子どもの日

それが自分たちをお祝いするものであった頃は、全てが驚きに満ちていて、その驚きはキラキラと光り輝いていたように、今振り返ると感じられる。
あのキラキラは、いつから消えてしまうものなのだろう。

物思いに囚われてしまう前に、古びた一冊の本、そのページを開いてみる。

『ふるさと』で名の挙がる『幼きものに』はオーディオCDとなって発売されれているそうだ。Audibleというヤツ。時代だね、これも。


「幼きものに」を読むと、旅したくなるよな

私の斜め上から、そんな声が掛かる。声の主を確かめる必要もない、雅也の声だ。

「誰かさんの影響で藤村を読み返してみようかと思ったの。今はAudibleになっているのね、やっぱり紙本がいいんだけど、私は」
「大学図書館にあるぞ?閉架だけど来館はできるから、一度行ってみたらどうだ?」

紹介状、渡しとくな。そう言い添えた後で、雅也は藤村の一節を引用した。

月の上るは十二時頃であろうという暮方、青い光を帯びた星の姿を南の方の空に望んだ。東の空には赤い光の星が一つ掛った。天にはこの二つの星があるのみだった。山の上の星は君に見せたいと思うものの一つだ。

島崎藤村「千曲川のスケッチ」から   
青空文庫収録

「直美。次の休みはいつだ?一泊旅行でもどうかな。星が見える場所がいい」
「いいわね。山里やまざとがいいな。久し振りに童心にかえってみたいわ」


皐月の始まりに、私たちは旅の予定を立てはじめる。今度は駆け足でも気紛れでもない、本当の気持ちを確かめる旅路へと。
子どもの心で互いを見つめ合おう。そんなことを思った。今日と明日のために。


拙稿題名:幼き心のままで
総字数:676字

よろしくお願い申し上げます。




パーティ一行、な感じに💦ヘッダー画像と同時出力、MicrosoftCopilotによるAIアート。


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66日ライラン、34日目です。


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