僕が見ることができなくとも(一青窈『ハナミズキ』INSPIRE)
ずっと追い続けていた曲、一青窈『ハナミズキ』。この名曲を発火点に拙いショート(書簡体混じり)を綴ります。以下、お願いを記します。命や別離について婉曲ですが触れております。抱えておられる悩み、痛みに障りがある可能性も考えられますので、ご自身のご判断に基づきご閲覧をお願い申し上げます。大切なものを大切にし続けたい、そんな意図で拙く綴っていることをご理解いただけましたら幸いです。
『ハナミズキ』という曲の背景に触れた記事をリンクします。拙稿にお目通しいただく前にご一読いただければと。
この手紙を君はいつ読むのだろう。僕には分からないけれど、ひとつはっきりしていることは、その時、僕は君の隣にはいられないかもしれない、ということ。
哀しい、辛い、嫌だ。言葉を連ねるならいくらでもある。でも、そのどれも、きっと僕たちには要らないしふさわしくはないと思うんだ。どんな人にも必ず別れはやってくる。それだけが全ての人に平等なのだから。
僕は今、ひとりの文筆家が遺した詩を読んでいる。君にも読んで欲しい。
この詩を読み、読み終えて、君と並んで花を眺めることができるなら、どれほどに幸せだろうか。それを望むことを、僕はまだ許されているだろうか。まだそれは誰にも分からない。分からないから、決まってはいない。だから、諦めてはいけないと思っているよ。
そうだ、もうひとつあった。君に聞いて欲しい曲があるんだ。そう、あの曲だよ。
百年が長いのか短いのか。それも人間である僕たちには分からない。そして、百年続く、君と百年続くことができる人が誰なのかも、同じように― ―
「ねえ?どこにいるの……?あ。こんなところにいた。探してたのよ、さっきから」
「ゴメン。ちょっと考え事をしていたんだよ」
庭に出したデッキチェアに座り、空を眺めながら紙には綴らぬ手紙を諳んじていると、君の呼ぶ声が聞こえてきて、パタパタと小走りに駆けてくる姿を背中に感じた。振り返って答えた僕に、君は少し呆れたように苦笑いを浮かべた。
「もう。あなたの夢想癖は始まりだしたら止まらないんだもの。そろそろ部屋の中に入りましょう?夕暮れは涼しすぎるもの」
「はいはい。今晩のメニューは何だい?」
「ふふ。食欲は空の向こうに飛んではいないのね。リクエストにお応えしまして、ビーフシチューでございます」
他愛ない、どこにでもあるやりとり。人は笑うだろうけれど、僕はその当たり前を守りたい。僕がある限りは。
最後に、「曲からストーリー」という企画を発案しておられたPJさんの記事をリンクします。私も3作品参加いたしました。その経験も今回の拙稿に参考となりました。ありがとうございました。
拙稿に至るまでに私が投稿した記事をリンクしておきます。
参考記事(著作権、引用について)
著作物が自由に使える場合 | 文化庁 (bunka.go.jp)
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拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。