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雨の露天風呂でサルになる

2022年7月5日

身曾岐神社での奉納演奏のついでに、八ヶ岳のふもとを満喫してくるつもりが、滞在中の2日間、ほとんど雨でした。梅雨は明けたんじゃなかったっけ??

標高1500メートルの高原は、真っ白なもやに覆われていて、何も見えない。

じゃぁ、雨の森を散歩する?と夫を誘ってみたら、全力で却下された。その気持ちもわからなくはないです。

高原の景色を楽しみにしていたので、残念でしたが、雨だからの発見もありました。

宿で朝風呂に入ったとき、露天風呂に誰もいなかった。うわぁ、雨の露天風呂だぁ!とうれしくなった。しとしと雨を顔に受けながらお湯に浸かっていたら、日光のお猿さんになった気分。お猿さんはきっと、今日は雨だから内風呂にしとこう、とか考えないだろうから。

まわりの木々にも、私にも、等しく雨が降り落ちる。薄もやのなかで、世界は潤いを蓄えて、みずみずしい力を取り戻していく。そんなことを感じていた。

人間は快晴を好み、雨を煙たがるけれど、晴れもあり雨もあるのが自然の姿。雨の森には雨の森なりの魅力があるよ。そう教えてくれたのは、上高地リトリートでお世話になったみうら雪絵ちゃん。雪絵ちゃん、私、雨の露天風呂の魅力に気づいたよ~!

さて、楽しみにしていた森の散策ができなくなって、どうしようか、と。結局、ほとんど何もせず、途中まで下道をぶらぶらドライブしながら帰ってきた。日帰り温泉にでも寄ろうか、と言っていたけれど、それも「なんとなく気分じゃないね、やめておこうか」となった。それでも、何もしない、が心地よかった。

八ヶ岳まで来て「何もしない」でも、結構満たされるんだな、というのが今回の発見。以前だったら、何かせずにはいられなかっただろうな。

晴れの日もいいし、雨の日もいい。そんなふうに少しだけ思えるようになったから、何もしない、を心地よく感じられたのかな。何かしてもいいし、しなくてもいい。

それを言うなら、夫は普段から、何かしても、しなくても、心地よさそうにしている人だ。それに気づけただけでも、八ヶ岳に来てよかったと思う。


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