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書く練習シリーズ

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文章教室になかなか行けないので、課題の中から書けるものを選んで書いてます。
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記事一覧

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JR有楽町駅を出て、日比谷方面へ向かう。 ビックカメラを右に見て横断歩道を渡り、左へ。もう…

はるまふじ
2週間前
8

似て非なるもの 見下ろすと見下す ミュージカル『王様と私』

「お前は王を敬っていないのか?なぜ私より頭が高い。何人たりとも国王を見下ろしてはならん」…

はるまふじ
4週間前
25

大切ないちにち

2024年4月26日、わたしは50歳になった。 誕生日プレゼントに夫から仕事用のリュックをもらう…

はるまふじ
1か月前
13

動物のお医者さん

深刻な顔で、「相談があるんです」と彼女は言った。 同棲中の彼氏とのあいだに子どもでもでき…

はるまふじ
1か月前
8

母の温度

2022年大晦日。 もう二度と動かぬ母と向き合っていた。 ほんの1週間前まで温かかった、白くて…

はるまふじ
1か月前
25

流川楓と木暮公延

50回目の誕生日が間近に迫った土曜日、プレゼントは何がいいかと訊かれた。仕事でパソコンを持…

はるまふじ
1か月前
2

令和五年三月某日

体育館に入って真っ先にわたしの脳裏に浮かんだのは、寒い寒い日の記憶。 ストーブにあたりながら壁に貼られた入試問題を眺めていた。あの子は今、この問題と戦っているのか。そう思うと寒さ程度でぐちぐちつぶやいている自分が、なんだか恥ずかしくなった。 あれから、6年。 同じ体育館にわたしは立っている。 入学式の日咲いていた桜は、まだつぼみ。 秋には見事に色づく銀杏並木も、いまは寒々しい。 抜けるような青空の下に掲示された、 「令和四年度 卒業証書授与式」の文字。 楽しい思い出ば

手紙は下準備から

文具店に行くと、つい便箋売り場に寄ってしまう。B5サイズの便箋に一筆箋。彩りが華やかでつい…

はるまふじ
1か月前
2

改訂版 「好きな言葉」

カーテンコール。 終演とともに、薄衣1枚だけ役をまとって出演者が板の上に再び出てくる。演…

はるまふじ
1か月前
6

備忘録 「好きな言葉」

「生きてゆかれてください」 変な日本語だ。使い方として正しいのだろうか? 正しいかどうか…

はるまふじ
1か月前
6

桜を見上げる 記憶は巡る

満開の桜を見上げるたびに、思い出す。 臨月の身体を横たえて、そろそろ寝ようかとぼんやりし…

はるまふじ
1か月前
6

令和元年度の終わりは混乱とともに

元号が令和になって最初の年度末。品川で大学時代の友人と3人、食事をしていた。 仕事が終わ…

はるまふじ
2か月前
2

感動したこと 日生劇場『カムフロムアウェイ』

身体が、浮き上がった。 ビバリー機長の歌う「Me and the Sky」が、空へといざなう。 ふわり…

はるまふじ
2か月前
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わたしの推し

澤田拓人は、笑顔でペルソナを作る。 本郷恵は、笑顔でこころの欠片を見せる。 ふたりの笑顔が画面のむこうに届けるものは、 真逆。 「会わなきゃいけない人には、ぜったい会えるんじゃない?」 そう。澤田拓人と本郷恵は、「会わなきゃいけない人」。拓人の奥に触れられるのは、恵だけ。 2014年に放送されたドラマ『僕のいた時間』の主人公でALS患者の澤田拓人を演じたのは、三浦春馬さん。ヒロインで介護職員の本郷恵を演じたのは、多部未華子さん。オリンピックと同じ頻度で共演し、3作でカッ