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だから、言葉を紡ぐ。 〜漫画脳展に出展して見えたこと〜

こんばんは。はるきです。
12月27日の0時です。晩御飯を食べ損ねた空腹と、眠い目の中、キーボードを叩いています。

今日は12/19〜25に行われた「漫画脳展」に出展してきた話です。

総勢42名の出展者で作る、濃い〜展示。
その中の一人として僕も壁を飾らせていただきました。

今回感じたこと、学んだことを書き綴る備忘録。
半年後、1年後の自分のために、この記事を残します。

はるきの作品について

まず、僕の作品から。

引用したセリフは、愛してやまないワールドトリガーよりレプリカ先生の名言です。意外とワートリ知らない人多くて、みんな絶対読んで!!と終始言い続けてました笑

ワールドトリガーの作中にはたくさんの「決断するシーン」があるのですが、その中で何度も使われるのがこのセリフ。

「それを決めるのは私ではない。ユーマ自身だ」

決して判断を丸投げしているわけではなくて、
「自分の責任でやるべきだと思ったことを、自分で決めてやりなさい」というメッセージだと、僕は解釈しました。

だからこそ選んだこの2枚。
「好きな写真と好きなマンガを全力で推して」というケンタさんからの言葉を信じて、全力で自分の好きを詰め込んだ展示にしようと決めました。

俗にいう「惚気写真」です。

2枚のキービジュアル

1枚目がこちら。南伊豆の河津桜と菜の花が咲き誇る河川敷

ピントが合っていないのはきっと、僕の気持ちが前に出過ぎてメートル感覚を見失ったからです。多分。
毎年訪れる大好きな場所に、大事な人と一緒に居れたこと。その愛しい記憶がこの写真から全面に出てきたと思った1枚。ピントじゃねえ、気持ちだ。というのを何より語ってくれた写真です。

傍に置いたフォトブックの表紙にもなってくれて、今回の展示でも大活躍でした。
かわいい。

これと対を為したのが次の写真でした。

2枚目

「THE FIRST TAKEみたいな写真を撮りたい!!」

仕事にもなってきたストロボワーク。その成果を落とし込みたくて目指した1枚。
それがこの写真です。
Instagramのサムネイルを何枚も見ては研究して、どうすればこの写真を撮れるのかずっと考えてきました。撮影したのは今年の夏。自分でも、ちゃんと納得いく仕上がりにはなったと思います。
「好き」を形にするための知識や技術。1年間の集大成を目一杯詰め込みました。

そしてもう一つ、好きを伝えるのに大切な役目を持った子がいます。

フォトブック「明日もとなりで笑ってくれたら」

48Pのフォトブック「明日もとなりで笑ってくれたら」

僕の伝えたい全部を詰め込みました。48Pじゃ全然足りてなくて、でもあえてこのページ数にして。二人の作品撮りから日常まで、色んな姿を見てもらえる1冊にしました。
これ語り出すともう1記事書けちゃうぐらい気持ちのこもったブック。でも、僕はこれをまだ完成させていません。

もっと年月を重ねて、関係が変わっていって、その変化をもひとつにまとめていく。それをもっとたくさんのページと数で出していきたい。そして、この本の中に在る以上の言葉をもっと紡いでいきたい。そうして生まれた1冊を、ひとつの出版物として世に出していきたい。
そのための、今を伝える1冊だと思っています。

未完成ゆえの足りなかった部分は、作品集としてポートフォリオを作成しました。2年分の撮影の記録。これは当初予定していませんでしたが、ケンタさんのアドバイスもあり期間中に追加しました。
これは次のところでお話します。

展示期間の過ごし方のこと

ここからは期間中の在廊の話。2つに分けてお話します。

僕が展示をしていたA室

目指せ!フルシフト在廊!

今回大事にしたのは「全日程できるだけフルシフトで在廊すること」でした。
12:00〜23:00という長い開廊時間でしたが、来るお客さんや他の出展者の方々の作品、漫画脳展という空間、その全部を楽しみ尽くしたいという気持ちしかありませんでした。
みなさん本当に素敵な作品ばかりで、その全てを味わいたくて在廊中も色んなところへウロウロ…。何周も作品を見て回った結果、お客さんに自分以外の展示の紹介をほとんどできるようになっていました笑

しかし、このままフルシフトやったんで!と思った2日目の夜。思わぬ形で変更をすることに。

みぞみぞ「はるきさん、今日はもう帰ってください。体調が心配です」

運営側からのストップが入りました。
長時間の在廊と搬入の疲労を鑑みてのことだったようで、常に気を遣ってくださる運営からの優しい一言でした(それでもできるだけ在廊してたので、しまいにはLINEの振り返りノートに名指しで休ませたいと言われました笑)。

在廊していく中でたくさんのお客さんと出会えたりお隣の福島さんの作品や写真集を何度も反芻できたり、少ししか居られない出展者のお話を聞けたり、何より出展者の皆さんとちゃんと仲良くなれたりと、僕にとって嬉しいことだらけでした。

僕は自分のために在廊を続けていましたが、結果としてみんなのためになって、それも自分に返ってきて、全部がいい方向に進んだなあと感じました。

自分の壁をアップデートせよ

もうひとつ、展示期間で大切にしていたこと。それが日々進化し続けることです。

展示初日、ケンタさんからブックの講評を頂いた時に「もっと作品だけを集めたポートフォリオを作れ」と助言いただきました。ブックが勿体無い。作品と日常は分けて見せるべきだ。ページ数が少ない。というのが主な理由です。

確かに!と感じた僕は、帰宅してすぐさまプリンタを起動しました。時間は24時を過ぎていました。
それでも、この写真にしようか、これもいいなあとパソコンに向き合い、朝の4時まで作業を続けました。翌朝も9時から家を出る直前まで印刷は続きました。

下の青いファイルがポートフォリオ

この行動は見事的中。見てくれた人が手にとって、綺麗!かわいい!とたくさん声を発してくれました。日常とはまた違う、2年分撮りためてきた作品たち。それを余すことなく差し込んだ気合の1冊。眠気なんて何処へやら、本当に作ってよかったです。

進化したのはポートフォリオだけではありません。
何度も自分の展示を説明していくうちに、プレゼンのクオリティもどんどん増していきました。どうすれば想いが伝わるか、どの言葉が一番響くか。何度も説明をしながら、目の前の人たちと向き合い続けました。

こうやって、長く在廊できるからこそできる「深掘り」を、僕はとにかく大切にし続けました。展示のクオリティは展示した後からでも上げられる。自分が写真展活動で大切にしてきたことが間違ってなかったと、改めて実感しています。

書ききれてないことがたっくさんあるほど、今回の写真展で得たものは本当に大きかったと思います。

これから

書き足りない気持ちは置いといて、今からは今後の話。
今回の出展で、自分の中で大きく影響を受けたことがあります。それが福島裕二という写真家とちゃんと出会えたことです。

自ら志願して選んだ福島さんの隣。毎日見続けた4枚と、フォトブック。そして、本人からのお話、原宿での個展。写真家・福島裕二という人間の持つエネルギーを文字通りこの肌で感じ取ることができました。

「そこに幸せがあるんだよ」
嘘偽りのない一言ひとことが、今でも耳から離れません。

自分が目指すべき道が、こうなりたいと思う人が、目の前に現れました。
したいことが、次々と湧いて出てきます。写真で人の人生を変える。写真で人の意識を変える。それをできるようになる。そんな写真を撮る。
うわあ、ワクワクするなあ。なんでも挑戦したいなあ。やりたいことが、いくらでも湧いてきます。すごい。

自分の写真をアップデートして、もっと認められるようになって「これがはるきや!!」と堂々と言える写真を撮り続ける。そのための2023年にしよう。

そして「アイドンノー展に呼ばれよう」
これが、当面の目標です。僕が初めて衝撃を受けた写真展。だからこそ、そこに肩を並べられるようになるのが今の自分の通過点。

必ず行きます。みんな待っててくださいね。

おわりに

恒例の芳名壁

僕は写真展におけるケンタソーヤング氏の考え方が大好きです。
自由な空間、作家のクオリティ、溢れるホスピタリティ。グループ展は主催の色が濃く表れますが、ケンタさんのそれは本当に毎回素敵で、ずっと関わり続けたいと思います。

だからこそ、僕に必要な「個」を、これからはもっと伸ばしていきます。
写真はもちろん、言葉を紡ぐということも。そうして、ケンタさんにも写真で認められるように、僕はなります。

僕はドキュメンタリーから写真の世界に飛び込んだ人間で、僕の師である安田菜津紀さんのように「言葉と写真を体験する」ことを大事にしたいと思っています。
だから、展示のたびに必ず言葉を紡ぎます。写真と言葉が持つパワーを、僕は知っているから。

今回の漫画脳展への出展は、その感性をさらに引き伸ばしていく大きなきっかけになったなあと思います。自分が大切にしてきたことやしていきたいことを再確認・アップデートするとてもいい機会になって、これからのビジョンも見えました。

自分が持つフォトグラファーとしての大きな目標に、一歩近づくヒントを得られました。もっともっと頑張ろう。頑張れ自分。

この1週間で出会ってくれたみなさん、会いにきてくれた友人たち、本当にありがとうございました。
はるきはまだまだ進化を続けます。どうか、見守っていてください。

そして、出展者のみなさん。
同じ空間に居られてしあわせでした。1人ひとり展示や人となりの紹介もたくさんしたいです。それぐらい、みなさん素敵でした!
これからも仲良くしてください。

長くなりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。いい整理になりました。

では、また。

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