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雪の佐渡島へ

「どうしても雪の佐渡島を撮りたい!」
2月下旬、その想いだけでみたび佐渡島へ。

「2月のフェリーは覚悟してください」という地元の方からの忠告通り、冬の日本海は大荒れでした。

前日の雪の影響で乗ろうとした便が欠航。やむなく乗った別便では、船中から軋む音が背筋を凍らせる時もありました。揺れに揺られ2時間半、こんなに陸が恋しくなるとは思いませんでした。

フェリーより撮影した日本海。

それでも無事辿り着き、フェリーから降りて外へ出ると、残っていました。佐渡島の雪。
時刻は15時過ぎ。それじゃあ向かうしかないかと、あの日の夕焼けを追いかけるように「あめやの桟橋」がある佐和田海水浴場へ向かいました。

桟橋付近に雪はなかったものの、海岸沿いに少し歩くと、雪が残っている場所もありました。空には重そうな雲が広がっていますが、西の空は少し開けています。
今回の撮影ポイントはここしよう。海岸に沿って続く段差に腰掛け、空の様子を見守ることにしました。

到着時のあめやの桟橋。東側は厚い雲に覆われています。

気温は-1℃ほど。手袋を忘れた両手が痺れるような寒さを感じながら、夕日を待ちます。今回はフィルムカメラも携えてきました。

今回の撮影ポイント。-1℃の海岸で夕日を待ちます。

すると間も無くのことでした。
よく来たねと言わんばかりに現れた、大きな光芒。またまた佐渡島に歓迎されているような景色が目の前に広がりました。

誰もいない雪積もる海岸で、僕と佐渡島との静かな時間が流れていきます。
白く残る息も悴む指先も、それすら気持ちいいと感じるほど、ファインダーの中に惹き込まれました。持ってきた2台のカメラも、止まることなく鳴り続けました。

雪の佐渡島。想いの詰まった場所。僕の日常に無い寒さ。そして目の奥にいまだ残る眩しさ。

ただでさえ綺麗な一つひとつが一同に介したこの日。大切な、大好きな一枚がまた生まれました。

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