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バイオリンの先生選びに失敗しないようにするには

こんにちは、ドイツ在住バイオリニストのハルカです。現地での音楽活動に加えて、オンラインでバイオリンレッスンもしています。今年でバイオリンの先生と名乗って8年目です。

この記事の売れ行きが非常に、というか異常にいいので、


世の中には習い事をやめることに関してとても悩んでらっしゃる方が多いんだなという印象を受けていますし、少なからず私もこれまで習ってきたバイオリン先生をやめる時は親子共々苦労しました。そのため、当時のストレスはこの記事を書くためのエネルギーになっています。

突然バイオリンの先生になった


2016年の大学院在学中から福岡でバイオリン教室を開き、3歳から70代の生徒さんを教えさせていただいた。福岡の大野城にはあまりバイオリン教室がなかったようでたくさんの生徒さんができて生徒さんの親御さんたちから「先生!バイオリンの発表会開いてください!」と言われ、「おばあちゃんになったら自分のバイオリン教室の生徒の発表会をする」という夢を、前倒しで叶えてしまった。生徒さんたちも刺激になりモチベーションが上がり、親御さんたちも大喜び。この姿を見て私はこれまで感じたことのない達成感と、幸福感を得た。これ以降、福岡や東京でバイオリンの発表会を開くようにしている。今でも福岡にゆかりのある先生に習いたい!とありがたいことに福岡の方からお問合せが多い。

コロナ禍前のオンラインバイオリンレッスン


コロナ禍前の2018年ウィーン留学中からオンラインでのバイオリンレッスンを始めた。そして私がウィーンから帰ってきて世界中がコロナの悪夢に巻き込まれ、同時に「オンライン」という言葉も身近になってきた。当時、東京でバイオリン教室を開き対面でのバイオリンレッスンの生徒さんも多くいたが、オンラインでのバイオリンレッスンもしていた。生徒さんもワールドワイドになり、九州は福岡、海外はアメリカ大陸、ヨーロッパなど、オンラインレッスンの可能性を今日まで広く感じている。もちろん、ドイツに住んでいる現在も初級者からプロを目指す生徒さんのレッスンをさせていただいている。

バイオリンの先生になる前に、留学したかった理由

私が留学したかった理由は当時の音楽家が生きた土地で、本当の音楽を学びたかったからだ。それとやはり、当時習っていた先生には感謝しているものの、物足りなさというよりどこか私に妥協してしまっている様子が見えてしまって悲しかった。詳しくは後述にて。

せめて東京の先生に習いたいと言っても母からはダメだと言われ、でもコンクールにもオーディションにも通らない、それではだめ。とにかくダブルバインドで、どうすることもできなかった。周りはコンクールに入賞していく、留学していく。それを横目に、そうして私は人生の一番伸びる時期をドブに捨てた。子供を応援できないなら、見栄は捨ててさっさと音楽なんか辞めさせてあげるべきだ。

遡ること院生時代、バイオリン教室を開いた当時は留学させてもらえない中、留学させてもらえて家族に応援してもらっている友人たちが羨ましくて仕方なかった。自分が受け入れてもらえた用意してもらえた籍を辞退して、留学下見の際にお世話になったドイツ留学中の友人からは呆れてブロックされ、留学させてもらえなかった鬱々とした気持ちを抱えていた。みんなが華々しく活躍しているSNSも見たくなくなって更新を止めたら、風の噂で「ハルカ先輩何してるの?消えた?」と大学院の後輩から言われていることを知った。私がの在籍する大学院の音楽科は卒業したらみんなどこかに消えるブラックホールだと揶揄されていた。芸術系学部あるあるだと思うが、卒業後になかなか定職につけないことや、音楽活動も基本的にフリーランスになるのでそう思われてしまうのだろう。

それならばと今ここでできることを、と必死にもがいた。ちなみに正直毎日死にたかった。適齢期で留学させてもらえなかった、海外で学ぶことの夢を叶える目前でそれを奪われたと感じていた私には常に悔しさと悲しさを抱えていた。

それを少しでも間明ませてくれたのが私の生徒という存在。「私たちがこの子達を責任もって育てる!」という責任感は希死念慮をどこかに吹き飛ばしてくれるものだった。

バイオリンの先生選びの成功と失敗とは

果たして、バイオリンの先生を選ぶこと、何が成功で何が失敗なのか。趣味なら、毎回、不満なくレッスンに通えて程よくレベルアップできているかどうか。プロを目指しているなら、その先生のおかげで進学できたかどうかはまず大きなゴールとして、毎回のレッスンできちんと消化不良の部分が消化できて先生が音楽的に成長させてくれるかどうかを感じれているかだと思う。

私が出会った以下のバイオリンの先生のタイプは私にとってはあまり成長の機会をもらえなかった残念な印象がある。あくまでも私が感じたことで、メリットデメリットは人によって違うかもしれないし、今習ってる先生が以下に当てはまってもそれは悪いことではないので気にしないでほしい。

中堅コンクール入賞者数だけを増やしたい先生

よく、「◯◯コンクール入賞させました!」と中堅コンクールの受賞者をSNSに載せているバイオリンの先生も多い。とても素晴らしいことだし、いい先生だとは思う、しかし!!!!!そのようなお教室の生徒さんからサブのレッスンのお問い合わせがとても多い。理由は基礎を教えてもらえないからだそうだ。先生としてもとりあえずコンクール映えする表現メインに教えたいという気持ちが大きいのだろう。もちろん基礎は自分の頭で考えて先生の指導から詳細まで汲み取れる生徒さんもいるだろう。でもそれは親がバイオリニストであるとか、前に習っていた先生に基礎を叩き込まれたとかいう場合でないと難しいだろう。

とりあえずとても入賞者を多くとってもらえるコンクール=難関コンクールではない、と私は考える。生徒の賞歴で生徒を増やしていくスタイルも悪くはないが、レッスンの内容が充実しているかどうかは自分で見極めるしかない。

全日本学生音楽コンクール(通称マイコン)に入賞させられる先生はすごいと思う。このコンクールは難関コンクールだろう。そしてそのような先生はすでに大学で教えていたりする。そしてマイコンの審査員経験者だったりする。(私はもし幼少期からハイレベルな教育を受けれていたら、そんな先生にバイオリンを習いたかった!)

まだ教えるよりも自分が弾きたいバイオリンの先生 



次にお問い合わせが多いのが「先生が演奏活動で忙しくてレッスンしてもらえません」という生徒さん。アマチュアの大人で好きな時にレッスンを受けられたらそれでいい〜という方ならまだしも、まだまだ伸び代がある子供時代に待ちぼうけをくらっていたら時間が勿体無い。定期的なレッスンをお勧めする。もちろん、先生が現役のバイオリニストであるメリットもある。先生自身もレベルアップしているのでモチベーションが高くなるレッスンを期待できる。

私自身も演奏活動をしながら生徒さんに定期的なレッスンをしているが予定を調整してもらうことはあるがレッスンしないことはない。そして生徒さん一人一人にケアの行き届いたレッスンをしたいので少人数制のバイオリン教室として運営している。

基礎を教えてくれない先生

基礎を教えるのはとてもめんどくさい。習う方もめんどくさいだろうが、教える方はその100倍めんどくさい。そして言語化も難しいので自分がどう習ってきたか言語化できない先生に習ってしまうと少し大変な未来が待っている・・・。

しかし、大学の教授や音楽界の第一線で活躍されている大御所の先生であれば基礎はできていて当たり前のスタンスなので基礎を教えてくれないと嘆く必要ない。もっと広大な考え方やミュージシャンシップなど、経験に基づいてしっかり教えてくださるはずだ。でも本来は、その通りだと思う。基礎はできていて当たり前なのだ。しかし私のように幼少期にバイオリンの先生に恵まれなかった人間のために私のようなバイオリンの先生は存在している。

生活費やお小遣いのためにバイオリンの先生をしている人

もちろんボランティアでバイオリンの先生はできないので収入のためにしている人がほとんどだろう。しかし、あまり前向きな気持ちでレッスンをしていないと生徒にとってあまりいい影響を与えない。基礎を省いてお互い楽なレッスンになり、生徒さんは弾けないところも詳しく指導されないものだから自分が弾けると錯覚してしまう。そして基礎を置き去りにして大切な時間をテキトーなレッスンで無駄にされる。バイオリンのレッスンはこんなものか、と大切なお金をその先生の収入として、ドブ金する。私がなぜこんなことを書くかというと、現に私の生徒さんもそのような自称バイオリンの先生の犠牲になり基礎がついていないことはおろか、悪い癖までついてしまってどこから手をつけたらいいかわからない状態で私のバイオリン教室に来る人があまりにも多い。そして私自身も幼少期、そのような先生についていた。少しでも違和感があれば先生を代わった方が良い。

私が自分のバイオリンの先生について悩んでいた頃

不満がある時にしていたことは他の先生のレッスンを受けることだった。そのため、今習っている先生がいるが私のセカンドオピニオンレッスンやサブの先生としてのレッスンを受けに来られる方はとても多い。もちろんメインの先生としてもがっつり教えることもしている。

当時の私を救えるバイオリンの先生になる

私が目指しているのは当時の自分を救える先生になること。当時私が先生に求めていた、基礎もきちんと教えて、棒弾きにならないような音楽表現をさせてあげられるか。どうやったらその生徒に合う指導ができるか、理想の音楽づくりができるか、常に寄り添うバイオリンの先生でありたいと思っている。

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