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|小説|

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連載小説です。 2020/4/14〜2020/9/22
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記事一覧

歌にもならない夜を

 池袋の路上に、小さなうさぎがいた。  軽く手を上げて、ラブが駅の人混みの中へ消えていく…

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いつか来た場所で

 「ビリーが昔言ってたんだよ。燃え尽きられなかった人間ほど悲しいもんてないっすよ、って」…

46

ここにいない誰か

 ビリーの死因は急性心不全だと聞かされているが、実際のところ本当の死因は良く分からない、…

44

あの頃のクズ達に捧ぐ

 どうしてこういうライブハウスのトイレは、みんな壁が真っ赤なんだろう、と、どうでもいいこ…

41

匿名の詩たち

 家に戻ってもパソコンを開く気にならず、しばらくソファで放心しているうちに眠ってしまった…

43

誰も知らない復讐

 思い出した。横山と名乗ったあの大柄の男。髭がなくなっていて気が付かなかったが、それは間…

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永い夢を見ていた

 鍵穴に鍵を差し込み、ゆっくりと玄関の扉を開ける。中は真っ暗だ。蒼介は眠っているのだろうか。靴を脱いで部屋に上がろうとしたその時、「ザー」という砂嵐にも似た音が断続的に鳴っている事に気が付いた。  全身の血が一気に引いていくのを感じた。私は土足のまま部屋に上がり込み、左手にある浴室の扉を勢い良く開けていた。  「蒼介!!」  そう叫んだ声が、「ザー」というシャワーの音と混ざり合って狭い浴室に響く。浴室の中も真っ暗だった。充満した高温の蒸気が顔に張り付き、視界を曇らせる。シャワ

Living Behavior

__________    あの日、事務所ビルのエントランスから出てきた蒼介の表情は、横山…

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瓦礫の中に生まれて

 __________  横山は約束の十三時ぴったりに会議室に現れ、蒼介達の前に腰を下ろ…

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適当な嘘をついてくれ

 ライブの翌日、早速横山との約束の日取りが翌週の火曜日に決まった。  あの夜、チヒロとビ…

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雨が降り始める前に

__________   七年前の六月、空気が湿度を帯び始めた金曜日だった。  その年…

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暮れない昼、音のない部屋

__________  『Giraffe』は二年前に閉店した。渋谷のライブハウスも、都市の再…

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君が選ばなかったやり方

 『Parade』より幾分か広い『Giraffe』のフロアを、私は茫然と見渡していた。ほとんどの出演…

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そしてパーティーは続く

 もしも蒼介が今の私の記事を読んだら、あの日と同じように「こういう質問くだらねえよな」と言うだろうか。あの頃の私が今の私の記事を読んだら、やはり蒼介と同じように、くだらねえと思うのだろうか。目の前にいるルイは、今どう思っているだろうか。  月曜日の昼時のオフィスは騒ついていて、隣の会議室からも談笑が漏れ聞こえてくる。取材の残り時間は半分を切っていた。 __________  取材の二日前の土曜日、私は大学時代の女友達の結婚式に出席していた。結婚式に呼ばれるほど親しい友達は