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赤ちゃんになった土曜日

このところ、一日の中で些細でも覚えておきたいと思ったことをピックアップして書いています。忘れたくない感情に名前を付けて。

・ ・ ・ 

三連休。いつだって休日のはじまりは、洗濯から。

いかにも所帯じみているけど、それが現実だ。

たまった洗濯物を一通り干し終わると、達成感。

とにかく干しさえすれば、あとは澄んだ空気が仕上げてくれる。
秋の空気は、最高のドライクリーニング。
さらっさらの洗濯物は、きっと秋の匂いがする。

一通り家事を終えて、ふーっと一息。

翌日の運動会に備えて、夕方からおばあちゃんの家に行く以外は何も予定を入れていなかったので、さあ何しよう。

何やらお昼は、夫が得意なパスタを作ってくれるようだ。

リビングのソファーには陽だまりができていて。。
あ、もしやこれはお昼寝タイムでは!

考えてみれば、家族でいるとき、自分だけリビングのソファでお昼寝をすることって、ほとんどなかったな。
何かしらやることがあったり、準備したり、子どもがテレビを観ていたり。

うちは、普段から夫も同じくらい家事をしてくれるけど、夫が何か家事をしている時に自分だけ休んでると悪い気がして、つい何か家事を見つけて、動いてないとと思ってしまう。

別に交代交代ですればいいのにね。
だから、たまにはいいじゃない。夫が家事して、妻がお昼寝したって。
いや、むしろこの陽だまりをムダにしてはいけない、満喫せねば!
日光と空き時間の有効活用には、お昼寝しかないのだ!
ということで、ソファでごろごろまどろみタイム。

はわ~。し・あ・わ・せ~

キッチンでパスタを用意する音がする。起きたら、夫特製のパスタが待っている。 さ・い・こ・う~

・  ・  ・  

まどろみのなかを影が横切り、なにかやさしいものが私を包んだ。

ふわっとしたガーゼの重さ。

どこからか、娘がガーゼケットを引っ張り出してきて、かけてくれた。
娘の出産用に買い、生まれたての頃、よくベビーベットにかけていたもの。
あのガーゼにくるまって、ふにゃふにゃしてた娘が、
4歳になって、寝てる母の様子をみて、考えて動いて、それをかけてくれたの。
ガーゼの下で、じんわり熱くなる。

そのあたたかみを味わっていたいけど、嬉しくて、目もさめちゃって。
ありがとうを伝えると、ちょっと照れた様子の娘。

そういえば最近、娘はお世話ごっこが大好きで、お人形やぬいぐるみのお世話をして遊んでいた。みんなに丁寧にハンカチやタオルをかけてあげては、寝かしつけるのだ。もう大変なのよーとかいいながら。自分より小さいもののお世話をすることで、自分はもう赤ちゃんではない、と自覚している。

あ、その一環だったのかな?
お世話ごっこの対象として、見られてたのかな?笑
で、これは寝かしつけなければと思って、かいがいしくお世話してくれたのかもしれない。
それでもいいのよ、嬉しいのよ。
ささいなことだけど、私には、娘にガーゼケットをかけてもらった記念日。

もう何回洗濯をしたかわからないそのガーゼケットは、何度洗濯しても、やっぱり赤ちゃんの匂いがするような気がする。

やさしい甘い匂いにつつまれながら、つかの間、
赤ちゃんになった、幸せな土曜日。






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