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有言実行ケーキを食べた日のこと

おめでとう、本当にやりやがった!

長く会っていなかった友人から、難関試験合格の知らせ。

彼が税理士資格を目指していることは聞いていた。
ただ、応援してるよといいながらも、
まっすぐに夢を語る彼の話を聞きながら、
まったく違うバックグラウンドからの、三十代半ばを過ぎてからのスタート、
家族や、家業や、別のたくさんの仕事を抱えながらの挑戦、
そんな状況も聞いていたので、
合格してほしい、でも現実は厳しそうだなあ、と心の中で思っていたのも事実。

本当にいらん老婆心だった。

実は私も、資格試験で苦労した経験があり、生半可な努力じゃ合格できないこと、たくさんの人が目指して、挫折していることを知っていたからこそ、
彼の夢を手放しで応援する気にはなれなかった。結局は友達のふりをした傍観者だった。

だから、1年ぶりくらいのLINEで、彼の合格報告を見たとき、そんなふうに勝手に相手の可能性を値踏みしていた自分が恥ずかしくなった。

そして、しばらく連絡を絶っていた間の、彼の圧倒的な努力と挑戦の日々を思って、頭が下がった。

私がぐうたらしたり、うじうじ悩んだりしていたこの1、2年、この人は人知れずがんばっていたんだなあ。

・ ・ ・ 

今度褒めてよ。

人懐っこい彼の言葉に、もちろん、お祝いさせて!と答えつつ、自分などが伝えられる、おめでとうの言葉がものすごく薄っぺらく感じた。

おめでとう。あなたは立派に結果を出した。
でも、もし今回合格しなかったとしても、あなたが行ったすさまじい努力は変わらないわけで。
合格したからすごいのじゃなくて、
合格しなくても、それは尊敬に値することだと思った。
半ば無謀とも思える夢を語って、ひたむきに追いかけたこと。
それってすごい価値あることだと思った。

普段の業務が別分野のため、彼は目指していることを周りの人にあまり言っていなかったらしい。たまたま一時期同じ分野の勉強していた私は、たしかに数年前、彼の野望を聞いていた。その時は半ば話半分ではあったわけだが。。
それを努力で現実のものとした彼と、ただの傍観者だった私。

なんかもう違いすぎて、恥ずかしくなるけど。
彼にふさわしい言葉をデザートプレートに書いてもらい、ささやかなお祝いをした。
たしかに、彼はこれからも有言実行の人として生きてくだろう。

それに対して私は? ずっと傍観者として生きてくの?

そう思うと、会う前から、自ずと決意していた。
ずっと後回しにしていたこと。ずっとやらなきゃと思いつつ、できていなかったことを彼に宣言した。
「2024年内に、私も資格の登録をすることにする!そして年末までに報告するよ」彼の有言実行パワーにあやかりたいと思ったのだ。
有言実行の男は笑った。
「俺に言ったってことは、もう確実だな」

今まで、人に何かを宣言したり、共有したりするのが怖くて、いつでも逃げ道を用意していた。〇〇します!と宣言できる人を尊敬しつつ、なんでそんなリスキーなこと言えるんだろうと思っていた。
自分はいつも安全なところで、安全な目標設定ばかりしていた。

でも、無謀な夢を追う有言実行の人といると、自分も何かやると言いたくなったし、やらなきゃもう会えないという気がした。すごいパワーもってるな有言実行の人。

そんな彼は、7年内に売上10億、300人の会社にするといって去っていった。
言うことが超具体的。
どんだけ自分に自信あるの、ともう笑えない。
きっと彼は確実に結果を出すだろう。

正直、私の目標は無謀なものではないけれど、いつも後回し、逃げてばかりの私にとっては、大きな着火剤だ。とにかく有言実行のパワーを思い知った日だった。有言実行のパワーは、傍観者をも動かす。
来年末は、私も胸を張って会えるようにがんばろう。

なにせ有言実行の人と、有言実行ケーキを食べたのだ。きっともう確実だ。












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